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話し合い後とこれから

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話し合いが行われて3日経った。

シンジュは早く起きて昨日までの出来事を振り返っていた。



話し合いが終わった後は大変だった。エメが泣き止んだあとは、地下住居の人達がわらわらと穴から皆出てきたと思ったら、口々に「美味しかった」「甘かった。」「最高だった!!!」「結婚してくれ」といろんな言葉をかけられた。

またエメは不機嫌になったが、初めて見る人達に興味津々ですぐに機嫌が治った。

ここの住居のボス的存在はハーフエルフと、ハーフドワーフ、エルフのこの3人のようでハーフドワーフとエルフからもお礼を言われた。



「人生で1番美味かった。俺はハーフドワーフなのだが、ドワーフの食べ物が口に合わなくてな···元々ハーフで疎外感があったらここに来たんだ。外に出れば食事が美味しくなると思ったんだが、思いのほか不味くてなあ、ハハハ だから今回の食事が美味すぎて泣いたよ。ありがとう!」とハーフドワーフが言った。


確か彼はハーフドワーフのドマスって名前だったような···

「いえいえ。喜んでもらえて何よりです。ドワーフの食事は香辛料が効きすぎてますからね、ハーフだと?人間ですか?それならあの味はキツイはずですよ!」



「嬢ちゃんはあの香辛料の味を知っているのか?俺は人間の血が混じってんだ!!あれを食べると胃が痛むし、肉なんて固くて噛めたもんじゃねぇ。しかもエールも飲めねぇからただの人間と一緒だぞ。飲んでも飲んでも吐いてさ、うまくねぇ。皆さ酒は飲めば飲むだけ飲めるようになってるって言ってたのにな。それによぉこの見た目はドワーフだからややこしいことばっかりだったぜー」ガハハハ


このドワーフ可哀想だな···見た目ドワーフで酒飲めないなんてドワーフじゃないもんな〜と思った。

それにさお酒飲めない人はアルコールを分解する酵素がそもそも足りないからたくさん飲んでも無理だよ。


この人には酷かもしれないけれど教えてあげよう。

「人間があの塩分や香辛料をバクバク食べていると胃に穴が開きますよ?それに人間の私もあの肉は噛めませんから。きっと種族的な問題ですね!!人間の血が濃いならお酒の量も気をつけないと早死してしまうので早く動いてよかったですね。」


「あぁ?まじかよ。俺たくさん吐きながら飲んだのに···あとさ俺の母親は人間なんだが、親父と同じものを食ってたな···なんだか心配になってきた。」


母親が人間で同じものをたべてるならこの世界の人間は食事とかお酒の量とか身体に関係ないのかな?

「うーん、一概に全員ダメだとは言えないので、両親に聞きに行ってみたらどうですか?」


「でもなぁ、行きにくいんだ。親父に文句言って家を出たからさ···」と頭をかきながら答えた


うーん、なんて声かけていいか分からないな〜何を伝えればいいだろう。私の問題じゃないから別にどっちでといいんだよな。

と悩んでいると知らない男とフェルが急に現れて、突然「君の捜索願がギルドに出ているよ?」と言われた。



へ?誰の?捜索願?シンジュは意味がわからなくて困った。

突然知らない人に捜索願と言われても、どう反応すれば良いのか···


すると「この男はS級冒険者で魔族のジャマルですよ。ドワーフの宿でフライドポテトを食べていた1人です。ちなみに貴方のファンです。そして貴方の情報を1番知っている者です。」とフェルが魔族の男を紹介した。


ファン???さらに意味がわからない···

「はぁ、それはそれはありがとうございます。それで?えーっとなんで捜索願?誰のですか?」


「君に決まってるよ!僕もあんまり分からないけど、平民の隊長知ってる?物凄いデカイドワーフ!あのドワーフが捜索願をだしていて、大変なことになってるよ。1度ドワーフ共和国へ帰ったら?そこの彼の親は人間なんでしょ?貴方が会いに行けばいいじゃん。」


よく意味がわからないけど、なんで捜索願出したのかな、、、最悪じゃん。それにハーフドワーフの親に会いに行く理由がわからないと頭を悩ませていると、


「捜索願が出ると大変だよ。どこにでもギルドはあるからね?他国に行っても逃げられないよ。早めに取り消すことをすすめるよ!それに君の祖国が君を探すために動いてるよ。それに他国も動いていて、獣人国の魔術師は結構やばいよ。君とすでに結婚するために動いてたけど?」


は?????

「いやいや、誰ですか?勝手に私と結婚しようとしてるやつは···」勝手に婚約され、破棄され、結婚に向け動かれたりとシンジュの人生激しすぎる···全てに呆れながらしみじみ思った。



「名前は知らないなぁ、でも君を見つけるために包囲網を張ってたよ?それにね君はハズレスキルで婚約破棄されたの?実はすごいスキルなんじゃないかと噂されてるよ!!

ここはさ、もし逃げるならフェルとライオスに力を借りて逃げたほうが良いよ。こいつらは上位冒険者だから使えるよ!」とニヤニヤと魔族の男は言った。


スキルはまだ確認すら出来ていないのに、他人が勝手に噂をしないでほしい···ハァ~と深いため息を吐いたシンジュが

「ギルドと祖国の件は分かりました。ただ何故2人の力が必要なのですか?私達でどうにかなります。」と言った。


「そこの子供が大きくなるまで2人を使ったほうが良いよ。それにその子供は訳ありでしょ?彼らにもメリットがあるしおすすめだよ!」


うーん、どうすればいいのかな。この魔族の男はニヤニヤしていて怪しいんだよな〜


「私達は元々貴方達を助けようと思ってましたし、美味しいご飯が食べれて、貴方から魔法の技術を盗めるならメリットだらけですよ。」とフェルまで魔族の援護をはじめた。


この人たちは何を企んでいるのだろう?人間不信に陥っているシンジュにとって唯一信じられるのはエメだけだった。


「分かりました。じゃあとりあえずドワーフ共和国に行きますから時間を下さい。そこで考えます!」と伝えて少しの間一緒に行動することが決まった。

シンジュが決意すると魔族の男はニヤニヤしながら帰って行った。あの魔族転移魔法使えるのか···とシンジュは消えた場所を見つめながら思った。



それから今日までの3日間の間に地下住居の住民に簡単な料理を教えた。

近場で採れるクレソンや蓮根を油で炒める簡単なものだが、食材が手に入らない住民が出来るのはこれくらしかない。


少しでも食べられるならと喜んで調理をしていた。

思わず大量に作っていたベリーのジャムを譲ってしまった。



そして、いよいよ今日はこの後ドワーフ共和国へ戻る。

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