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ばれる??

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叫び声とともにフェルの身体から魔力が漏れ出したのが見えた。するとその魔力が稲妻となって湖に落ちた···


あまりの出来事にしばらく唖然と湖を見ていると、魚?が浮いてきた。


誰も言葉を発することなくあたりには静寂が訪れた。

一番先に言葉を発したのは稲妻を落としたフェル本人だった。


「ななななななんですか?この料理は美味しすぎます。美味しいだけでは語ることが出来ないほど凄すぎます。」と熱弁しだした。


「この赤いジャムでしたか?とろっと蕩けるような舌触りを感じたと思ったら甘い味が口いっぱいに広がり遅れて酸味がやってきました。初めて食べる味です!!それにこのパンケーキ?ジャリッやガリッとした硬いパンをイメージしていたのですがしっとり柔らかくて思わず歯と歯が当たってしまいました。それにパサパサせず何だが歯ざわりがいい気がします。長く生きてきましたが、これだけ美味しい物を食べたのは初めてで···もう死んでもいいかもしれなません。」と話すエルフは頬が赤く染まり残りのパンケーキを凝視している。



普段表情の変わらないフェルの様子にシンジュは驚き、どうすれば良いのか分からなかったためライオスの方へ顔を向けると目と口を大きく開き唖然としていた。


するとライオスが「おぉぉぉい。お前どうした?これは食べても大丈夫なのか?」あまりにも普段と違うフェルの様子に叫んだ。


「え?何でしょう?これを食べたら貴方も今までの自分じゃいられなくなりますよ!!!あっやはり貴方に食べされるのは勿体ないですね。私がいただきます。」


「あ?俺が食べるに決まってるだろう!!!」と言ったライオスは大きな口を開けバクっとパンケーキを口の中に放り込んだ。


モグモグと噛んでいたライオンが突如フェルと同様に魔力が漏れ出した「ガオオオオオオーーーーン」と叫ぶと、山の中の木々が何本かバタンッバタンッと何本かなぎ倒された···


「うんめぇーーーーなんだこりゃあ?ジャム?フルーツなのか?すんげぇ旨いし、パンケーキも食ってる感覚がないぐらい柔らかくてほのかに甘いな??お前達神なのか?これは信じられないくらい旨い。これ食ったら甘い菓子なんて食べられねぇだろ??」


シンジュは焦っていた。2人の様子に何か危険な物を混ぜてしまった?それとも甘味が危険だった?どうしよう、ポーションなら治るかな?と必死に考えていると、

「お兄ちゃん?おいちいでしょ?シンジュ様はすごいもん。」と胸を張ってエメがシンジュ自慢を始めた。


「そうですね。これは本当にすごいです。フライドポテトも美味しかったですが、こんなに甘い物が美味しいなんて···信じられません。」


「あぁ俺もあの甘ったるい菓子は嫌いだった。食べると歯が無くなるよな?何であんな物が女達は好きなのか分からなかったが、これはもう俺は手放せない。」


「ちょうでしょ?ぼくもいっしょにこれつくったの!」


「すげぇなお前!!!」と頭をぐしゃぐしゃに撫でられたエメは嬉しそうに微笑んだ。


「これだけ竜人の子が懐くのも頷けますね。でもこれだけ凄いと心配なりますねぇ。高度な魔法が使えるようですから、周りにバレたら大騒ぎですよ。」


「あぁまじでやばいぞこれ。髪色変えても難しいぞ。」


「危険をどのように回避するか考えなければいけませんね。」


3人の会話を聞いていたシンジュは、次第に雲行きが怪しくなる話に「どういうこと?髪色?危険?」と冷たく問いかけた。

先程まで穏やかだった空気から一変してシンジュの漏れ出た魔力が冷たくヒンヤリとした空気を醸し出した。



フェルとライオスはシンジュについて知り得た情報を本人に話すつもりがなかったが、間違って口走ってしまった。



「あ、ぁぁうん、こんなに美味しい料理を作るお前さんを心配しただけだよ!!気にするな!!」とライオスが何とも煮え切らない返し、すぐに「違うでしょ?髪色が何?」とシンジュが返した。


「申し訳ありません。私が話します。貴方は凄腕の結界師で合っていますか?貴方は穴の周りに張られてた結界を壊したでしょう?あの結界はエルフ以外解くことが出来ない結界なのです。そのため貴方はとある国で結界を張っていた方だと思ったのですよ?」とフェルが正直に言った。



え?と唖然としたシンジュだったが表情を変えずに心のなかではパニックに陥っていた。

えぇぇそうなの?あんな簡単な魔法をエルフしか解けないって嘘でしょう?とシンジュは困惑していた。さらに私のことを確実に知ってるよね、、、先程と違った意味でどうしようと焦った。バレたら連れ戻される?それとも殺される?とどんどん顔色が悪くなり、地面が凍り始めた。


それを見て焦ったフェルが「私達は貴方が思っているようなことはしません。もし疑うなら契約魔法をかけてもいいです。だから少し話す時間をいただきたいです。」とシンジュの目をまっすぐ見ながら言った。



シンジュは契約魔法のことを知っていた。なぜなら自分が父親に結ばれそうになったからだ。ある日体調悪かったシンジュは口答えをし、それに怒った父親から『次に口答えをすれば全て魔力を吸収する』というような契約魔法を結ぶと宣言され、無理やり教会に連れて行かれた。

たまたまこの日契約魔法が扱える神殿関係者が居なかったことで回避することが出来たが、どれだけ恐ろしいものかを知っていたため、それだけ覚悟してくれているなら話す時間を持とうと考えた。


「分かりました。ご飯を食べたら話しましょう?」と伝え、まず食事を済ませてしまうことにした。

シンジュはせっかく久しぶりに美味しいご飯を食べる予定が···この後のことを考えると悲しくなった。

ハア〜ご飯には罪はないよね···と思いながらモグモグと自分で作ったご飯を食べるのだった。

次回は明日11月17日に載せます!

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