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料理の続きと食事!

それから鍋を持ったエメが戻ってきた。

エメの鍋では小麦とミルクと砂糖を混ぜ合わせたパンケーキの生地を焼いていく。

1枚1枚真剣にエメが焼き加減を確認しひっくり返す。

エメもシンジュも湖で数日過ごし沢山パンケーキを作ったことで1番いい塩梅が分かった。

初めて作った時は鍋にくっついて取れなくなったり···硬すぎてパサパサになったりと美味しくなかった。


美味しくなかった理由は焼き方の問題だけでなく、この世界の小麦は精粉技術があまいため皮が入っている。

そのせいで食感が悪くボソボソしがちであるが、それを解消するために手間ではあるがふるいにかけるようになった。

エメの器用な爪で木を削り、シンジュの洋服から糸を解いたものを組み合わせて簡易ふるいを作ったことで、小麦の質が良くなった。

さらにアイテムボックスで小麦を持ち運ぶことで劣化を防ぎ虫を寄せ付けること無く安全に管理することが出来ているのも大きい。

前世でも小麦や米は保存方法が甘かったり、開けたものを長期間使わないと虫がわくことがあるがそれと同じで、この世界では小麦は樽保存である。樽を暑い場所や日光の当たる場所に平気で置くため劣化が進みやすい。シンジュの場合はアイテムボックスに時間停止機能がついているため状態を維持できる。



「エメ君何枚焼けたかな?」


「えっといち、に、さん、し、ご···」両手両足を使いながら数えるエメをそっとシンジュは見守り、「じゅうご!!!」


「たくさん焼いたね?今日は人数が多いから倍は焼いて欲しいなー?」


「うん!できる!ねーみちぇ!!このパンケーキライオンさんみたい!」


「うんそうだね!上手だね!焼色もライオンさんだ!それはライオン獣人さんにあげようか?」


「うん!そちたら、エルフちゃんもつくるね!」


と気合が入ったエメはたくさんエルフを作るのだった。


シンジュはそれをみて『なんでエルフ?』と思ったが、エルフが好きなのかな?とまたしても勘違いをした。エメはエルフさんはシンジュ様を守ってくれる存在だから、頑張ってアピールしないと···と思って作ったのだった。



シンジュは隣でパンケーキを作るエメを見つつ、レンコンと芋をたくさん揚げた。

レンコンは素揚げのものと、小麦とシソを溶かした液に浸けて揚げた2種類をひたすら揚げ続けた。



それからさらに1時間が経ち匂いにつられたフェルとライオスが寄ってきた。

「すげぇーいい匂いだな。もう食べれるのか?」

「もう食べれますよ?ただお皿がないです。何人いるのか分からなかったので多めに作りました。出来たものはどうしますか?」


「そしたら従兄弟くんとドリスを呼んできましょう。」と、フェルとライオスが呼びに向かった。シンジュとエメはそこで一旦調理を終えたのだった。


エメは葉っぱのお皿4枚に10枚ずつ計40枚焼き、シンジュは数えられないほど揚げ続け疲労困憊であった。



タッタッタッと走ってくる足音が聞こえ誰が来たのか確認すると久しぶりのハーフエルフのルネだった。

「この前は悪かった。俺のせいでおまえが死にかけて、、、すまん。」


「それはもう終わった話ですよ?地下住居には何人いますか?あとお皿はありますか?」


「あぁぁ、そうだったな。15人いる。皿はハーフドワーフのドマスが持ってくる。」


「お〜い。お前さ行くのが早すぎだぞ。それに手ぶらじゃねぇか?何しに行ったんだ!!!」

あれがきっとハーフドワーフかな?両手に皿を抱えて走っているけれど、その隣のエルフ?らしき人は危なさそうに皿を持ってる···きっと割るだろうな〜



ガシャンッ···

「おまえ何やってんだ?無理なら持つなと言っただろう?」


「わるりぃ。持てるかと思ったんだよ。」


あぁ結局割ったよー。おっちょこちょいさんだな〜

ハーフエルフよりはエルフ感あるけど、人間の私が心配なるくらい危なっかしいな〜あ!!ドスンッゴドンッ 転んだ···



「お前本当に何やってんだ?家に戻ってろ!」


あぁ〜ハーフドワーフさん頭に湯気が出るくらい怒ってる。

ドワーフって頭から湯気を出すことが出来るんだね。

私の前世の部活動の顧問の先生が冬になるとハゲ頭から湯気が出てた。それと同じ原理なのかな?



ハァ〜いつまでこの茶番劇を見なきゃいけないのだろう···

なるべく熱いまま食べてほしいのにな。

早くお皿を下さい!!!


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