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私には厳しい食事事情

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シンジュはそれから3日間しっかりテントで休んだ。


なかなか体調が戻らなかったのもあるが、3日も寝たきりだったため昔のように痩せてしまったのだった。

初めはポーションを無理やり口から飲ませようとしたそうだ。しかし意識がない者に飲ませるのは難しかったようで、危険になったら飲ませる手筈だったとシンジュは聞かされた。



実際は誰が口移しで飲ませるか揉めたのが原因でポーションを飲ませなかった。

「ぼ、ぐが、ゃる。」

「お前さんには無理だろ?もし違う場所にポーションが入ったら死ぬぞ?」

「ぞれでもやる。グスンッ」

「じゃあ私がやりましょう?ライオンよりマシでしょ?幸い私は他人に飲ませたことがありますから竜人の子も安心して下さい。」

「ゃ、だ。エルフなんてもっちょ、だめめめ。」

とフェルとライオスとエメが揉めたことで、危機が迫るまで飲ませない事に決まったのだった。



3日経ち顔色が良くなって元気を取り戻したシンジュは、ハイエルフとライオン獣人にお礼を伝えて、ひとまず自分のテントに戻ることを伝えると、大反対されてそこから既に5日目に突入していた。


何度か「自分のテントで休みます。」と伝えても、


「今動いたらまだ危険だから休んでろ。それにお前は逃げるだろう?」とライオン獣人には疑われ、「ちゃんとお礼に来ます。皆さんの眠るテントがないですし、何より毎日の見張りが申し訳ないです」と伝えると今度はすかさずハイエルフが、

「問題ないです!冒険者はテントがないときもありますからね。それに自分のテントに戻られたほうが私は心配で眠れません。」

というようなやり取りをハイエルフとライオン獣人とし、助けてもらった手前、2人からの忠告を聞かざるしかなかった。


シンジュは逃げ出すつもりもなければ、ハイエルフもライオス獣人も嫌いじゃなかった。ただ自分のテントで料理を作ってそれを食べたいだけだった。

毎日出される料理のあまりの不味さに、起きてからずっと嫌気が差していた。無理やり水と一緒に飲むことでなんとか食べることができことた。それによって顔色が良くなったが、体調が良くなってきた今、この食事を食べ続けたら精神的疲労でどうにかなりそうだと思った。

今のシンジュにとって1番の優先事項は『食』だった。



現在隣では先程運ばれてきた食事を美味しそうに食べるエメ···

「おいちぃね。」ともぐもぐとハムスターのよう頬張る姿は何とも言えない可愛さがある。


ただやっぱりエメの頬張る姿を見ても、食べたいと思えない食事···自分の味覚がおかしいのかな?と心配になったシンジュは身体の調子が治ったこともあり久しぶりに鑑定魔法を使って調べた。


(鑑定魔法)


料理名 ワームの串焼き

材料  ワームの子供(通常個体)、塩

調理方法 ワームを串に刺して焼くだけ(半生)

捕獲方法 30分ほど前に地下住居の罠に引っかかった子供のワームのため弱い。

備考欄 半生状態のワームは、人間の貴方が食べると確実にお腹壊すこと間違いなし!ワームは無味無臭のグミのような食感のため、1度焼肉のタレに漬け込み焼くと上ホルモンのように美味しくなる。さらにミネラル豊富なワームは疲れている貴方におすすめ!!!



ワーム?????

それが分からなかったのもう1度鑑定魔法で調べると、


(鑑定魔法)

種類 ワーム(通常個体)

特徴 ワームとはミミズを巨大化したような魔物である。子供のうちは弱いが大人になると鋭い歯で捕まえた獲物を離さない。さらに胴体を振り回し、自慢の胴体で蹴散らす。危険な状態に陥った時は自分の身体を切り離し、切れた部分から強い酸を振りまく。


······そんなヤバい生き物だったんだ。しかもミミズの巨大化···想像したくない。焼肉のタレに漬け込むってタレがそもそもないじゃないか!!!

ッチ


「どうしたの?シンジュ様?」


思わず舌打ちしてしまった···

「なんでもないよ。エメ君ご飯美味しい??」


「うーん、グニグニ?グニョグニョ?なんかへんなかんじ。」


そりゃあミミズですから···と口には出さずに冷静にツッコミを入れたシンジュはアイテムボックスから、フルーツを取り出し腹を満たすのだった。




暫くして食べ終わったエメが「シンジュ様、こりぇ食べないの?」と聞いてきたので、「食べていいよ?」と伝えると、「ちがうよ。起きてからほとんどたべてないでしょ?ちんぱい!」


う〜良心が痛む···美味しく食べてるエメの前で言えないよな〜となんて答えるか迷っていると、良いタイミングで部屋に入ってきたのはハイエルフだった。

ほとんど手がつけられてない食事を見たハイエルフは

「ほとんど食べてないですね。ワームは苦手ですか?」と言った。



「食べたことがなかったので、少し苦手です。」


「そうですか。私も苦手でして···貴方なら美味しい調理方法を知りませんか?この前の料理のように美味しい料理が食べたいですねぇ」



??この人は美味しく食べたいのかな?味覚も鋭いのかな?

エルフって食材をそのまま食べているイメージ···

「調味料が揃えば美味しく出来るかもしれないです。扱ったことがないので分かりませんが、もう身体も元気になりましたし私が作りましょうか?」


「本当ですか。それなら明日はどうですか?そろそろ外も自由に歩きたいでしょう??」


「はい!では明日作ります!ナイフなど貸していただきたいです。」


「それはもちろん。ある程度揃えておきましょう。」


それだけ言うとハイエルフは部屋から出ていき、シンジュは終始ニヤけた顔で明日は何を作ろうか考えるのであった。

次回は明日11月12日となります!

一気に気温が寒くなったので体調にお気をつけください。

私はこたつソックスを買いました。寒い···

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