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謎の穴発見???

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翌朝、いつも通り早朝に起きたシンジュは朝食を探しに周辺を散策した。

すると思わず目の前を2度見した。また例のベリーがたくさん実っていた。何でだろう?本当に幻?と思ったがシンジュの「勝手に自己解決する」方法で「たまたま運がいい」と決めつけてサクッとベリーを収穫したのだった。


実際にはシンジュの魔力が身体から溢れていたせいだった。

以前は結界維持のために大量の魔力を日々使っていたが、今はほぼ使っていないため余ったものが身体から溢れていた。

その魔力に惹かれた幻の実が勝手に実っていただけだった。

今後条件が揃えばシンジュがいるだけで幻の実が実ることになる。


そんなことを知る由もしないシンジュはこれから先も幻の実を見て『ラッキー』と拾い続けることになる。



それからある程度収穫したシンジュは拠点の場所まで戻ると朝食の支度に取り掛かった。

大量に譲ってもらったミルクと小麦、さらに砂糖(祖国から取ってきたもの)を鍋の中で固めに混ぜ合わせた。その混ぜ合わせた種を1度葉っぱの上に取り出した。

鍋を洗浄してからバターを入れ再び種を鍋に戻し両面をじっくりと焼いた。

最後に出来上がったものにバターとベリーを添えて『簡易ホットケーキ』を作った。

卵もベーキングパウダーも入っていないためパサパサで固めのパンケーキだが、バターとベリーを添えれば異世界初のお洒落パンケーキの完成だ。

この世界にはパンケーキなんてそもそもない。

パンと呼べないパンがあるだけだ。


カチカチパンが主流でスープに浸さなければ食べれないほど硬い。貴族のパンなら製粉された小麦を使用しているため白くまだ食べれないこともないが、庶民が食べるパンは黒パンと呼ばれライ麦で作られているため酸っぱい。毎日焼くことが出来ない庶民は周りの家と共同釜でパンを1週間分まとめ焼きを行う。

それによって日に日に硬くなりそのままでは食べることができない。なぜ知ってるのか?というとシンジュはどちらのパンも食べていたからだ。

学院の食堂では白パンを食べ、家では黒パンを食べていた。


これからは自分達が食べるパンは美味しいものが食べたいな〜と思ったがパン種ってどう作るのだろうか?と考えていたら、ご飯の匂いでエメが起きてきた。


エメは初めて食べる料理に目を丸くしていたが、ベリーをたっぷり乗せて美味しそうに食べていた。


「あまーい!これなに?」

エメは初めて食べるフルーツと違った甘さに驚いた。


「これは砂糖っていう甘い調味料を使ってるよ!この調味料を使えばお菓子が作れるよ!!」


「おかし?」


「甘い食べ物だよ。今度作ろうか?」


「うん。いっしょにつくる!!!!!」

エメはお菓子ってなんだろう?新しい食べ物にワクワクした。



シンジュは目を輝かせながらヨダレをたらすエメを見て、最初はクッキーを作るかな?と次作るものを考えるのだった。


それから1枚では足りないだろうと予想したシンジュによって、事前に焼かれていたよってベリー入りパンケーキを5枚ほど食べた。



その後食べ終わるとすぐに体調を確認した。

ベリーを食べているので痛みはないようだが、他に症状がないか細く聞き取りをした。

医者がいないため何かあった時に対応するのはシンジュである。子供の体調は変わりやすいと前世で聞いたことがあった。早めに異変を見つけてすぐに対策できるように真剣に体調チェックをするのだった。


あちこち身体を確認していると鱗に艶が出ているような気がする?

「エメ君昨日より鱗が光ってるよ!」


「ほんとう?ぼくにはわかんにゃい。けどうろこがムズムズする。」


「もしかしたら鱗が生え変わるのかな?それとも生えるのかな?ムズムズしてもかいちゃだめだよ!」



「うん。だいじょうぶだよ!」


鱗の艶はきっと食事が摂れるようになったことで輝き出したのかな?とシンジュは思った。自分自身の髪や爪も食事を摂るようになって艶やハリが出てきていた。

エメの成長が楽しみだな〜とシンジュは思った。


問題なく朝の体調確認を終えた2人は散策を行った。湖に沿いながら左回りに歩いた。


昨日と同じように湖は水の色が違うようだった。生えている植物も様々なようでシンジュが知っていたのは蓮の花だけで、それ以外は知らない植物だった。



(鑑定)

名前 蓮の花

生息地 水辺

食用 可

特徴 花、実、茎全て食べることができる

それぞれ乾燥させポーションの材料に使うとポーションが最上級になる



エメにも情報を共有し、この世界はポーション頼りなことを思い出した。

医療技術がとても低く、ポーションまたは回復魔法が使える者に診てもらうことになる。


ポーションの働きは怪我を治すがメインである。ただエナジードリンクのように疲れた時に飲むと疲労軽減効果もある。


回復魔法は怪我や病気の治療、延命治療のために使われる。

ただ上級回復魔法を使える者は神殿に多く在籍しており高額であるため民は中々治療を受けるのが難しい。


ただし街にも神殿で働きたくない者がチラホラと個人で診療所のような場所を開いており、神殿でお金が払うのが難しい者や神殿でも治らない病気の者が通うことがある。


神殿よりも回復魔法の質は落ちるが、民間療法と言われる薬草などを使った治療を行うため、根本的に治したい者は街の医者に行くのが良いと言われている。


例えば 神殿では表面上のニキビや痕はキレイになくせるがまた時間が経つと出てくる。なぜなら神殿では表面だけをキレイにするだけだからだ。しかし町医者ではすぐには治らないが根気強く薬草治療をすることで吹き出物自体が出なくなる。


シンジュは今後ポーションが作れるならば、それで稼ぐのもいいな〜と思い始めた。

やりたいことがいっぱい出てきた!!!


「シンジュ様?」とエメにポンポンと腕を叩かれた。

うわぁぁ、また1人の世界に入っていた···「ごめんね。ポーション作りをしてみたいな?って思ってた。目の前に集中するね。」


「うん。ポーションってなにかわからない。こんどおちぇて?」


「もちろん。目の前にある蓮という植物は食べられるけど今度収穫するね。」


「うん。わかった。」

シンジュ様大丈夫かな?ぼーっとして考えてることが多い···僕のことかな?心配になった。


エメは心配していたがシンジュはただ1人の世界に入って色んなことを考えているだけだった。1人で過ごした時間が長かったため周りのことを忘れがちである。




蓮は収穫しなかった。湖の危険性や深さが分からなかったからだ。もっと簡単に採れる植物を見つけることにした。

鑑定魔法を使いながら2人で湖を外れどんどん奥へ進んでいくと······地面に不自然に穴が開いていた。さらに穴の周りは結界で保護されていた。

『へ?』何?蟹?大蛇??それとも巨大な魔物?と思ったがよくよく考えてみると結界があるということは、明らかに知能がある生き物が隠れていることが分かった。



「エメ君この穴の周りに結界があるのが分かる?この穴の下に結界が使える生物が住んでいるみたい。私ならこの程度の結界は簡単に破れる···何がいるか確かめたいから破っても良い?危機が迫ったら空を飛ぶよ?」


「ぅん、ちょっとこわいけど気になる。だからいいよ。」

物凄く怖かったけどシンジュ様を守ろうと思った。



「よしじゃあ行くね!エメ君は後ろに下がっててね。」


うんと返事をしたのを聞き結界を破る。シンジュの魔力を目の前の結界に流すと、それに反発してバリバリと壊れていった。


それからすぐにその場から離れて、穴から自分達が見えない位置に隠れたのだった。

次回は11月7日です!よろしくお願いいたします!!

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