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宿屋の料理長初めのかあちゃんの出産(閉話)

料理長の奥さんの出産について載せます。

血の表現などが出てくるので苦手な方は飛ばして下さい。

次回は11月6日です!

「かあちゃんもうそろそろ寝ろ。」と心配な声をかけたのは料理長(旦那)である。



「言われなくても分かってるわよ。本当にアンタはうるさいわねぇ。だから見習い君にも子供達にも嫌われるのよ?」といかにも迷惑そうに返事を返したのは女将(妻)だ。



「うっせぇーー皆に好かれてるに決まってんだろ。こんなかっけードワーフはいねえぞ?」


「アンタ本当に脳の検査した方がいいと思うわ。ハァ~私はフライドポテトが食べたかったわ、、、ハァ〜油で揚がった芋なんて最高なのにハァ〜ぁあ?ああああ?」

なななに、、、息を吐いた時に何か漏れた??と慌てた女将が立ち上がるとソファが真っ赤に染まっていた···

「え、破水?」

どどどどどしましょう、産婆さんかしら、鉱山かしら···えーっとどうしましょう···と破水したことにパニックを起こした女将がアタフタしていると異変に気付いた料理長が側に駆けつけ「かあちゃんどうした?」と声をかけたが赤く染まった衣服を見て「かかかかかかあちゃーーーーーん何があった?????ししししぬんか、、、うわあぁぁーーーーん」と突然の状況にパニックを起こし女将を放置して泣き叫んだ。



女将はそんな料理長の情けない姿を見て気持ちが冷静になり産婆のところへ向かう準備を始めた。

産婆から事前に言われていた必要な物リストを見ながら、産着、肌着、ショーツなどを準備しているとズキズキと痛みが強まった。

「前もって準備してけばよかった」と後悔しながら、バックに詰め込んだ。


未だに泣き叫んでいる料理長を無視し、玄関へ向かおうとドンドンドンッ「大丈夫??何かあったの???」と外から声がした。慌てて扉を開けると、仲良しなパンダの獣人が額に汗をかき焦った様子で立っていた。


「どうしたの??」とズキズキ痛むお腹を押さえながら聞いた。


「それはこっちのセリフよ!!貴方の声が私の家まで聞こえるもんだから、慌てて駆けつけたわよ。」


「そんな遠くまで聞こえた?悪かったわね。」

パンダ獣人の家まで2キロ離れていた···



「それでどうしたのよ???旦那さんが引っ付いてるわよ??」


「これは無視していいわよ。私破水しちゃってこれから産婆のところへ向かおうとしてたのよ!」


「え?あの産婆は今里帰りしてるわよ?昨日会ったら息子が結婚するから1度帰るって言ってたはずよ??」


「どどどどうすればいいの···」途端にパニックを起こした。ウロウロする度にポタポタと流れ落ち、それを見たパンダの獣人が急遽背中に背負いながら友達の熊獣人の家に連れて行った。


ドンドンドンッ「あたしよ!!!ねーーー開けて!!!」


ドスンッドスンッ「どうしたのよ?こんな明け方にぐわぁーー」と欠伸しながら答えたのはなんと隊長の母親だった。


「女将が破水しちゃって、、、しかも産婆がいないから貴方に取り上げてもらおうと思って!!!」

隊長の母親は過去にパンダ獣人の息子を取り上げていた。


「は?」と声を上げた熊獣人は2人の様子を見て緊急だとわかったため、まず家のベットに案内すると自分の旦那と息子を叩き起こし出産の準備に備えた。


その間料理長は泣いているだけで全く役に立たなかった。

「かあちゃん、死なないでくれ。お願いだーーー」と叫んではわんわんギャーギャーと泣き叫び、女将の陣痛が狭まってくると自分が出産するかのように青ざめた顔をした。すると痛い痛いと泣き出し、あまりにもうるさい料理長に「アンタ、うるさいわーーー!!!こっちのほうが痛くて泣きたいに決まってんだよ!!静かにしろ!!!」と女将が怒鳴りつけ部屋から追い出した。


追い出された料理長は初めて怒鳴られたことにショックを受けて暫く唖然としていたが、「イタイ、イタイ、イタィィィ」と出産間近になり痛みで叫び声を出した女将の声を聞き、「かあちゃん、かあちゃん」とつられて料理長が泣き叫び···それが1時間後「オギャァ、オギャァ」とやっと赤子が生まれた。



赤子は料理長そっくりの男の子だった。



部屋への入室が許可された料理長は赤子を見る涙し、女将を見て涙した。しかし止まらない涙と鼻水が赤子に飛び散り、その様子を見た女将に「不潔だ、帰れ!!!」と怒られて、それから1週間赤子に会うのを禁止されたのだった。



出産の次の日、料理長は見習いから「料理長!やっぱり役立たずだったらしいですね?」と言われた。


「は?そんなわけねぇだろ。俺はかあちゃんのために必死に頑張ったぞ。」と自信満々に答えた。

俺はかあちゃんのために必死に泣き続けたのに何言ってんだ?コイツは相変わらずバカな見習いだなぁと思っていた。



「今ですね、街では料理長のポンコツダメ男ぶりの話で持ちきりですよ?泣き叫んで何もしない不潔な男って聞いちゃいました。ちなみに何日風呂に入っていないのか教えてほしいです。」


「はあ?????誰がそんな噂流したんだ!!!風呂は2週間だぞ。それがなんだあ?ドワーフなら普通だろ。」


「料理長まじですか?赤子は汚いものを触ると危険ですよ?てか俺にも近づかないで下さい。臭すぎ···料理人として自覚がないなら帰って下さい。俺はあの子供達に料理学びますから!」と言われた料理長は本当に厨房を追い出され、泣きながら妻子がいない家に帰るのだった。



「うわぁーーーーんかあちゃーーーーん」と泣き叫ぶ様子が、これから鉱山都市の名物となるのだった。

いいね、ブックマークありがとうございます!


次回は11月6日になります!

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