表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/143

16.冒険者ギルドへ失礼します

読んでくださりありがとうございます!

いいね、ブックマークが増えて嬉しいです!

誤字脱字の報告もありがとうございます!たくさんあり申し訳ありません。


少し長めです!

カランカランッ


冒険者ギルドへ踏み入れると、まだ昼間ということもあってそれほど人が居なかった。思わずキョロキョロと辺りを見回すといろんな種族がいた。シンジュはさすが冒険者ギルドだと思った。ここに来るまで多くの種族を見たが···見た目は人間のようでも足が鶏のような物から、二足歩行の狼のような者まで色んな種族がいると実感し、今まで自分が如何にに小さな世界で生きていたのかを知らされた。



ただ物凄く視線が刺さる・・・

エメの手をギュッと握り、人が並んでいるカウンターに向かって歩きだした。

初めて来たため何も分からなかったが、とりあえず並んでみることした。しかしあれ?急に前にいた2.3人がサッといなくなった。どうしたのだろうか?トイレ?不思議に思ったがすぐに順番が回って来た。


受付のお姉さんがニコニコしながら

「こんにちは。君たち本日はご依頼かな?」


あぁ〜私達は依頼だと思われてるのか···そりゃそうだよね。

こんな見た目の冒険者は周りを見渡しても誰も居ない。

庶民の服を着た女性とボロボロの服を着た子供だもん、、、勘違いされても仕方がないと思った。


「冒険者登録に来ました。あとこの子は身分証明の登録に来ました。」


すると受付のお姉さんの反応は口をポカーンと開けて固まった。予想はしていたけどそんなに大げさに驚かなくても、、、プロの受付ならそれなりの対応をお願いしたかった。

貴族は表情を隠すのが当たり前だった。私の場合は父親に「表情を出すな。気持ち悪い。」と怒られたことがあったな〜嫌なことを思い出した。



それから中々立ち直れないお姉さんにもう1度声をかけようと思ったところ突然後ろからゴツンッッッとお姉さんが男の人に頭を殴られた。

「イタイ」涙を流しながら訴えるお姉さん···

何だかバチバチッと周りには火花が散ったような気がする。


「お前何をやっている?早く登録してやれ。そして冒険者の説明をしろ。そこのお嬢さん冒険者は遊びじゃないぞ?覚悟はあるのか?登録だけはしてやる。遊びで来るなら帰れ。」


シンジュはいきなり怒鳴られてビクッと震え身構えた。

怒鳴った男の人を見上げると鋭い眼光でこちらを上から見下ろしていた。

シンジュは祖国の者から怒鳴られることが多々あったため『怒られること』に慣れていたが、獣人の怒鳴り声は比べ物にならないくらい怖かった。



1度スーハーと深呼吸し、震える身体を無理やり落ち着かせシンジュは考えた。

まずこの怒鳴っている人は誰なのか?しかも勝手に決めつけて怒鳴ってうるさい···前世にこんな上司いたのを思い出した。

結局間違いだったとしても謝らず、お前が勘違いさせたのが悪いとかなんとか・・・最低な上司に似てる。


どこの冒険者ギルドもこんな感じなのかな??

この男の人もそうだけれど冒険者ギルドにいる人達が、街の人に比べて視線や態度が怖い。皆嫌な目つきで見てきた···

ぐるぐると頭の中で考えていると思わずハァァーと大きなため息が出た。隣にいるエメの様子を見ると物凄く怒っていた。そんな姿を見て冷静さを取り戻し、エメの肩をポンポンと叩いて「ありがとう」と伝える。


うるさい男の人の話は無視し、「登録お願います。」とお姉さんに伝えた。


受付のお姉さんが私と男を交互で見てるけどそれも無視した。

お姉さん!!そもそも貴方の対応が遅かったから、この男が出てきて面倒くさいパターンになっているのに···早くギルドを出たい。

イライラが伝わったのかやっと動き出したお姉さんが、

「ではこちらの様子に名前のご記入お願いします。あと得意な魔法や特技はありますか?もしあるようでしたら下記に記入ください。」


「この子の分も私が書いても大丈夫ですか?」


「もちろん大丈夫ですただこちらの石板はご本人が触ってください。」


まず自分の分を記入して、特技などは書かない。それからエメの分を記入し2人で石板に触れた。

まずはシンジュが触れるとピカッと光った石板からカードが出てきた。同じくエメも石板を触ると出てきた。


「そちらのカードはギルドカードとなります。身分証にお使いください。

ギルドカードは身分証の他、ランク、討伐記録が表示されます。依頼を受けた時は必ず受付にお持ちください。」


ふ〜ん。

ギルドカードって名前を書いただけで年齢や種族、ギルドランクなどが出るようだ。どのような機能になっているのか?気になるけれど、先に質問しなければ。


「この表示は表示不可にできるの?」


「はい。勿論出来ます。」



へぇー!!!


「ちなみに質問!表示不可にした状態で、私の情報って鑑定魔法持ちとかは見れるの?」


「はい。身体を触れることさえ出来れば、鑑定魔法持ちは見ることができます。ただ貴方より魔力量が劣っている鑑定者は見ることが出来ません。」


じゃあ私の場合は大丈夫か。

あとは注意事項として、

・ギルドカードを無くすと再発行にはお金がかかること

・冒険者同士の暴力行為による罰金、処罰 

・依頼未達成の場合、違約金発生等


「分かりました。ありがとうございます。ちなみに買取はここでいいですか?」


「はい。ここで大丈夫です。」

じゃあここで要らない魔物たちを買い取ってもらってお金にしてもらおう。


何がいたかな···えーっとバッタもどき、トンボもどき、ハチもどき、アリもどきをテーブルにポンポンポンッとまずは

全部で20〜30匹かな?


もどきって言ってるのは似ているから。名前が分からない···あっ!魔物を回収するときこそ鑑定魔法が使えればよかった。そうすれば強い魔物だけ回収できたのに···後悔しても仕方ないけれど、虫の巨大化って本当に気持ち悪い···


そもそも結界魔法を使っている時に勝手にぶつかってきた虫の魔物を『役に立つかもしれない』と思って収納していただけだった。

手で触れないとアイテムボックスが発動されなかったため、全ての魔物を触って回収したが、、、バッタもどきは口から紫色の液体を出し····思わず吐きそうになった。


前世のバッタも口から液体を出していたけれど、それの比ではない···間違って液体を触ってしまった時は強烈な臭いとネバネバがトリモチのようで悲惨な目にあった。


とても苦労して収納した魔物がお金になるなら『ラッキー!!』と頑張った自分へ心のなかで涙した。


1つずつとポンポンッと置いていくと···あれもう置く場所がない?


「もう置けないのですが、、、?」


また唖然としている受付のお姉さん···

すると何故かさっき怒鳴っていた男の人が声をかけてきた。

「あぁぁ、あっちに解体場があるから案内する。着いてこい。あとどれくらい持ってる?」


「あと半分。」

とりあえず答えて着いて行くことにした。

何としても気持ち悪い虫の魔物を買い取ってほしかった。

いくらアイテムボックス内は触れ合わないと言っても、洋服や食べ物と同じアイテムボックスに入っているのが許せなかった。


「エメ君行こう?」

あれ?エメ君も驚いてる???


あぁそうか。こんなに虫の魔物を持ってる女は中々いないよね。トラウマにさせてごめんなさい。


男の人の後ろを着いて行くと解体場はギルドの奥にあるようだった。近付くにつれてガリガリガリ、ガザゴソ

ギギギギ、ゴゴゴゴゴゴ、、、ノコギリか何かで解体してる音が騒がしい。



「おい!お前ら魔物を持ってきたぞ。集まれ!!!」


急に大きな声を出され、シンジュは咄嗟に耳を押えたが間に合わず、耳がイタイ···思わず鼓膜が破れたか耳を触って確認をした。『よかった。耳は問題なく聞こえる』と安心し、

隣を見るとエメが苦悶の表情を浮かべていた。



「エメ君大丈夫??」

辛うじて頷いてくれたけれど、とても辛そうだった。



シンジュは怒り心頭だった。

この男は周りを見れないのかな??早く売って帰ろう!!

そしてもう絶対にこのギルドには来ないと誓った。



「ここに出してくれ」

すぐにシンジュは、ポンポンッポンポンポンポンッポンポン


これと、あとこれ、、、

はい全て気持ち悪い虫の魔物たちを出し切りました。やりきった!!!これで気持ち悪い虫を処理できてお金が入る···思わず泣きそうになった。



シーン


うん?周りが何も反応しない?

解体のおじさんどうしたのかな?止まってるよ!早く持っていて。


ようやく動き出した男の人が

「解体はどうする?皮などは取っておくか?」


皮?あー防具に使えるのな。

とりあえず必要になったらまた狩ればいいや。


「いえ、全部どうぞ。金額はいくらになりますか?」

早く金額を教えてほしい。

エメ君も飽きてきてる、、、そりゃまだ8歳の子供だもんね。


「ちょっと待ってくれ。急いで査定をする。明日では駄目か?」


明日?面倒くさい。

「今日中に無理ならできる分だけで大丈夫です。それ以外は持ち帰ります。」


「持ち帰る??いや、それは待ってくれ。急いで鑑定させる。ここで待つか?」


「はい待ちます。」と言った途端、おじさんたちの動きが変わった。早くして終わらせてほしい。


それから暫く時間がかかるようだったので、解体場で待たせてもらった。最初の1時間は査定と解体をしているおじさんたちを眺めていたが飽きてしまった。あまりにも暇すぎたので、待っている間にこのうざい男の人がを鑑定することにした。



(鑑定) 


名前 ランドール

種族 トラ族

家族 両親ともにトラ族(弟が双子)

年齢 205歳

身長 2m10cm

ギルドランク S

体調 ストレス過多 眼精疲労

魔力 100

スキル 爪から毒液


備考 単独で行動するのが好きだが、無理矢理ギルドマスターにされ、不眠不休によりストレス過多、眼精疲労となる。

口調はキツイが音は優しい。



ふ〜ん。とりあえずエメ君に情報共有を行った。




「ねぇねぇエメ君!!音は優しいって書いてあるけど、これは嘘だよね?これが本当だったらサイコパス?DV男?」


「うん。サイコパスやDV男は分からないけれど、ぼくね、いつも怒鳴れていたから···この男の人が怖かった。」


あぁ、、、また私は配慮にかけていた。虐待されていたら怒鳴られることもあるよね。今後の資金と魔物のことでいっぱいいっぱいだった。もっとエメに寄り添えるように今後色々なことを話さなければならないと思った。


「今回はここのギルドに寄ったけれど、今後買取してもらう時は違うギルドにいこう。」


「うん。ぼく、今度はがんばる。もうこわくない。」

怒鳴られて怖かったが次こそ僕が役立つところを見せなければと新たに決意したエメだった。



頷いてくれてよかった。この男のせいでトラウマになったら大変なことだった。


それから中々査定が終わらず、、、時間がチクタクチクタクと過ぎていった。エメは急な環境変化の影響で疲れて椅子に持たれかかって寝てしまった··シンジュも退屈な状況に眠ろうとした時、遠くの方から走ってくる音が聞こえた。


タッタッタ

「お〜い。遅いから迎えに来たぞ!終わったか?」

隊長さんだ!!!!!


あれ?どのくらい時間経ったのかな?

えっ4時間半??私達悪くないよね·····(涙)


「隊長さん、査定が終わらないよ。」

疲れや苛立ち、、、もう帰りたい···涙がポロリと一粒落ちる。


するとバキッと目が開いた隊長が「俺が言ってきてやるよ?」と走っていた。


お願いします!!と心のなかで叫ぶ。もう限界が来ていた。


暫くするとあの男と一緒に隊長が戻ってきた!!

あの男、そうそうギルドマスターだった···さっきよりやばい雰囲気で怖い。


「査定を終わらせて来たぞ。お金はどうする?全部もらうか?貯金するか?」

ウキウキとスキップしながら戻ってきた隊長からお金を見せられた。

いくらあるか数えると思わず「おぉ〜」と声が出た。

あの虫こんなに高かったの?金貨50枚か!

自分でも持てるからな〜うーん金貨10枚貯金しよう!


「じゃこれだけ貯金で。」

気をつけて持ちまーす!!


やっと色々終わって、隊長と一緒に外に出た。屋台のおじさんのところによって隊長さんが5本買って、私達2本奢ってもらった···隊長さんからも「あそこの串焼きは1番ウマイ」とお墨付きをいただいた。


これから隊長さんのお家へ。

ドワーフだから岩の中かな?(笑)疲れたけれどそれよりも楽しみだなあ!!!

次回は一部自己紹介、出てきた魔物やお金の価格について説明をします!今日中に載せます!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ