ギルドマスターの予想は当たる
いいね、ブックマークありがとうございます!
「何か嫌な予感がするなぁ。」
「そうですか?今日はカラッと晴れて雨の心配はなさそうですね。」
「いや、フェル、これは雨じゃねぇ。何だか胸騒ぎがすんだよ。ライオスは感じねぇか?」
「分からん。俺がさっき捕まえたから安心しろよ。まさかS級の魔物がこんなところにいるとはな。」
「それは私も思いました。確かここでマンティコアも捕まえたのでしょう?」
「あぁあの小僧たちが捕まえたが、この辺りはS級魔物なんていなかったはずなんだが···」
「何かあるのかもしれませんね。先程もゴーガイルが3体でしたもんね。穴に住んでる者達も避難させましょうか?」
「そういやあの場所はお前らが作ったのか。避難させたほうが良いかもしれないな。B.A級しかいなかったのにS級は無理だと思うぞ。」
「分かりました。このあと避難させましょう。どこに避難しましょうか?」
「市場付近に空き家が数件あるからそこに住まわせるしかないだろうな。ドワーフ連中は嫌がるかもしれないが、引きこもっていれば大丈夫だろ。」
「分かりました。空き家は格安でお願いしますね。」
「お前は、本当にちゃっかりしてんな。」
「貴方に言われたくありませんよ。こんな会話をしながらA級の魔物をバンバン狩るなんておかしいですからね。現役に復帰したらどうです?」
「俺は復帰してぇが、お前らが俺にギルドマスターを押し付けたんだろうよ。フェルでもライオスでもどちらでも良いから代われよ。」
「いやです(だ)」
「チッ···おまえら本当にクソだな。」
ギルドマスター、フェルにライオスは一緒に行動しながら食材を探していた。その中でS級魔物やA級魔物がバンバンと現れることに何かしらの異変を感じていたが、今日はとりあえず狩りを優先していた。
数え切れないくらい魔物を狩り、ひと息つこうとしていたところ今度は魔物とは違う異変を感じ、周囲を警戒した。
「ん???何かこちらに向かってる気配がしませんか?」
「あぁなんかへんだ。」
「警戒してください。」
すると突然ピカッと辺り一帯が光り、3人とも目を伏せた。
しばらくすると光が収まり、ゆっくりと目を開けると目の前にエメとたくさんの妖精の姿に3人は困惑した。
「いた!!!!ギルドマスター!!!たすけて。」
エメの大きな声で我に返った面々は、「助けて」という言葉に反応した。
「小僧何があった?」
「シンジュ様がわるものをやっつけにいった。ぼくはギルドマスターをよんでくるように言われた。たすけて。」
「どこにいるか教えてくれるか?相手はどんなやつだ?」
「場所は妖精さんが教えてくれるよ。わるい人は、わるい人だよ。」
「よく分からねぇが悪い人なんだな?んじゃあ妖精さんに連れて行ってもらえるように頼んでくれないか?」
「分かった。」
エメは元気に返事をすると、妖精さんにシンジュ様がいる場所に連れて行ってもらうようにお願いしたが、妖精たちは頭をブルブルと左右に振って拒否した。
そんな様子にエメも含めて4人は驚いたが、エメが説得し始めた。
「え?何でダメなの?ぼくが妖精さん達を守るから危険はないよ。早くぼくはシンジュ様をたすけたい。」とエメは訴えたが、それでも妖精達の反応は変わらない。
そんな妖精達の様子にエメは泣き出してしまった。自分が行かなければシンジュ様は無事だったのにと···
妖精を無視して助けに行きたいが、妖精がガッチリと捕まっているため身動きも取れない。
「ッグスン シンジュサ、ごめんなさい。ぼくのせいだァァァァァ。」
泣き叫んだ。
それを見てギルドマスターはオロオロとし、フェルもライオスも困ってしまった。
妖精が動かなければどうすることもできない。
それから数分、いや数十分経ち、泣き止まないエメを心配した妖精達が大慌てで動き回り、仕方なくエメのお願いを聞くことにしたようだ。
やっと妖精が動いてくれると分かったエメは元気を取り戻し、シンジュの元へ向かうのだった。
読んでくださりありがとうございます!
次回は22日になります!
暑いので思わずかき氷を買って食べました。しかも味がブルーハワイ···(笑)舌が真っ青に(笑)