鍛冶場って?
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「お前ら鍛冶場ってどんな仕事か知ってか?」
うーん、剣などの武器を作ることかな?他に何しているのか分からないや。前世でも全く関わりがなかったかな〜。言葉は分かるがいまいちよく分からない。
双子も隣で考えているようだが答えが出なさそうだ。
ただ1人エメだけは思いついたことを発した。
「けんちゅくる」とエメが答えた。
「おう!正解だ。小僧は偉いな。他の大人は悩んでるふりか?脳は使わねぇと腐るぞ?それはまあ良いや。それよりも鍛冶場と言ったら剣は欠かせねぇな。剣というよりも武器全般を俺達は作るぞ。」
···はい、考えてるふりです···よく分からないもん。あえてスルーし、やっぱり武器を作るのか。カンカンと叩いているイメージだ。
うんうんと頷きながらシンジュもエメも聞いていた。
それに気を良くした隊長の父親が、
「だがそれだけじゃないぞ。武器も作るが鍋などの日用品も作る。それに農具なども作るぞ。人それぞれ得意分野がある。俺は武器が得意だ。特に魔力をまとった魔剣だな。息子は鍋の取っ手作り···クスクスッウヒヒヒッウホホホッ」
隊長の父親···笑い方が気持ち悪いけど大丈夫かな?
それよりも隊長!!!ものすごく笑われてるよ???
確かに鍋の取っ手が得意って···意味不明。もっと他にあるだろう!!!まぁここは魔剣について聞く・褒めるを意識しようっと。
「それはすごい!魔剣って難しいって聞きました。」
「あぁ難しいぞ。人それぞれやり方があるが俺の場合は剣に砕いた魔石を練り込む。他には剣に魔石を埋め込んだり、剣を魔力で覆ったりする。魔石を砕いて使う際は、配合を1%でも間違えるとパーだから難しいぜぇ。」
へぇーー魔石って色んな使い方ができるんだ。
それに人によって作り方が違うって面白いな。剣の威力は作り方によって違うのかな?そこが知りたい。
あと祖国もスキルばかりに力を入れるのではなく、魔石に力を入れればよかったのに。
···それより魔石って何?
魔石そもそも分からない。
後で聞こう。他の武器しか作れないのかな?
「それはすごいね。武器以外は作るの?」
「もちろん俺も作るぞ。それで言うと酒を作る魔道具なんかも作る。今は作れませんじゃ話になんねぇからな。まあ基本は作りたくねぇから、俺の弟子に任せてる。んじゃやってみっか。」
というと全員の前に金属を置いた。
「この金属をそこにある道具で叩いてみろ。そして自分の限界まで薄く伸ばせ。色んなものを混ぜて武器を作れ。本来は金属を見つけることから始めるが、それは無理だろうから薄く伸ばす練習から始めろ。これが出来ねぇと先に進めねぇ。」
と言われてカンカンドンドンと伸ばし始めた。
しかしシンジュは1回叩くだけでなぜか温めていないのにもかかわらず溶けてしまった。
「嬢ちゃん軽く叩いてみろ」
そう言われて次の金属も優しくカンカンと叩いたが溶けた。
「んじゃあこれでやってみろ」とどんどん色んな物を渡されて叩いてみたが全て面白いように溶けた···
「何で溶けるのかな?」
「うーん、嬢ちゃんは魔法で薄くしてみろ。」
魔法で?それならイメージできるかも。薄いって1mmくらいに伸ばすイメージすると···はいできました。
「お前極端すぎるぞ。怖いな。これ何mmだ?嬢ちゃんは昨日も思ったがイメージで作る方がいいかもしれんな。ただ混ぜ合わせる工程ができないから、鍛冶場は無理だろうな。まぁイメージできれば魔法で現物ができるからいいのか?」
確かにイメージすれば何でもできる。わざわざ鍛冶場で作らなくてもいいのかな?でも私しか使えないから意味ないもんな。結局は鍛冶師、鍛冶場で作ってもらわないと行けない。
ろ過装置を作れって言われても出来ない。魔法でろ過装置···うん、やっぱりできない。
「難しいね。イメージはできるけど、作れない物もある。」
「それなら嬢ちゃんがイメージして小僧に作ってもらえばいいんじゃねぇか?小僧は鍛冶場の才能あるみたいだぞ。ありゃ100年に1人の逸材だな」と言われてエメを見ると汗を垂らしながらガンガンと打っていた。
手元には何枚もキレイに伸ばされた金属がある。まさかエメに鍛冶場の才能があるとは思わなかった。
その後エメは声をかけられるまでカンカンドンドンと打つ続けキレイに伸ばされた金属が10枚ほど出来た。
「小僧がこれから俺の弟子になれ。そんでそこの嬢ちゃんのやりたい夢を叶えろ。」と言われて胸を張ってエメは「うん」と答えた。
いつの間にかエメが鍛冶職人を目指すことになった。
シンジュは楽しみにしていた鍛冶があまりにできなさすぎてショックを受け、双子の兄弟も溶けはしなかったが散々だった。
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次回は25日になります!
1週間が長かった。GWでゆっくりしすぎて5月病に!(笑)