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今度はギルドマスターがデジャヴ

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「ふわぁ〜」大きな欠伸をしたシンジュは、固まった身体をグゥーーーと伸ばした。 

エメが寝た後、シンジュも椅子に座ったまま寝てしまったようだ。


エメの様子を確認するとまだすやすやと寝ていた。

裸にタオル2枚しかかけていないため、風邪を引いてしまわないか心配だったが、勝手に温度調整される部屋や岩盤機能があるベットのおかけで問題なさそうだ。


眠気が覚めたシンジュは起きるのを待つ間、飲み物を準備することにした。

そーっと部屋から退出しミニキッチンへ移動した。

お湯はケトルで沸かす。前世仕様のため物凄く便利だが、サロンにいたら怠けそうだと思った。

だが使えるものは使うのがシンジュである。

ちゃっかり自分の分も用意する。色んな種類のある飲み物の中からエメには、ローズヒップを出すことにした。

ポリフェノールが豊富なローズヒップは多くの女性のお客様に喜ばれていた。

ただこの世界にはないローズヒップティーは、前世同様に飲み慣れていない人が飲むと酸っぱいだけで飲めないかもしれない。

お手入れ後すぐに甘いものは良くないが、今回は特別に蜂蜜をティースプーン1杯をクルクルと混ぜ合わせよう。


お茶を準備していると優雅な音楽が1度も途切れずサロン内を流れているためシンジュもまた眠くなってしまった。

きっと今後来店されるお客様もエメのように寝てしまうだろうと考えた。

全部屋個室のためリラックスできるのはもちろんだが、この世界にはない豪華な鏡に、ベットや枕、家具などまで一級品だ。

宿屋のように扱われそうで面倒だ。

それに部屋の物が盗まれないか心配でもある。

来店するお客様には盗むような方はいないと思うが、何があるかわからない。世界は貧富の差があるから怖い。


防犯面が心配だな···



うん?あれ?またいつものように頭の中に声が聞こえてきた。


ーーーーーーーーーーーー

防犯面は心配ありません。各部屋に人が入るとすぐに施錠されます。施錠された部屋はみずほ様以外に入ることができません。

さらに部屋の中の物は外に持ち出し不可です。

もし部屋の中で犯罪行為が行われた場合は、すぐさま拘束され、貴方様が信頼しているギルドマスターと隊長のどちらかに強制送還されます。

そこで奉仕をしなければ拘束が解かれませんので防犯面はご安心ください。


家具を持ち上げるだけで犯罪行為とみなされるため、事前に注意が必要です。

また何かありましたらいつでも質問ください。 システムより。

ーーーーーーーーーーーー




うん、もう何も驚かない。

突然聞こえる声はどうでもいいや。きっとこれからも聞こえるのだろうし、天の声だと思って一緒に過ごすしかない。



それよりも防犯面は安全対策が取られているようで安堵した。エメと2人で経営していく予定だったため警備の者たちもわざわざ雇う必要なさそうだ。

そんな事を考えているとグゥ〜とお腹がなった。


そろそろエメを起こそうと時計を見てみると、針が12時を回っていた。もうとっくに昼が過ぎてるようだ。


···やばい朝ご飯忘れてた。とシンジュは焦り始めた。


ギルドマスターが帰ってきてら絶対に怒られる···ビクビクしながらも、少し外の様子を見ようと入口の扉から外を覗いてみるとデジャヴ。

エメと同じように鬼の顔をしたギルドマスターが立っていた。

 

透明なガラスでできた扉からは、額の青筋までよく見える。

ギルドマスターは扉に向かってドンドンドンと叩いているようだが、その音は全く聞こえない。


これはいいかもしれない。

この中にいれば誰にも邪魔されずに自分もお客様も過ごせる。

1人になりたい時はエステサロンで寝ようかな。うん、そうしよう。

だだその前に目の前の問題を片付けないといけない···


頭に角が見えるギルドマスターは怖い。

···よし頑張れ自分と気合を入れて扉を開けると案の定「お前何やってんだ!!!」と怒鳴られた···


ガミガミガミガミガミガミと怒るからエメが起きたようで、半裸のまま扉までやってきた。


······


あぁ、、、これも絶対怒られる。

誰か助けて···



どれくらい怒られたのかな···かなり時間が経つとやっと怒りが静まったようで「これが何か説明しろ」と言われたので、室内に案内した。

スリッパの履き替えに驚いて、体温計に驚いて、受付の椅子に驚いて、静止をしてしまった。


ギルドマスターが入口から動かない。

やっと動き出すと案の定質問攻めが始まった。

「これはなんだ?」

「これは靴べらです。靴を履く時に使います」

「あれはなんだ?」

「あれはペンですね。筆ペンと違って使いやすいですよ。」

「これは?」

「これはクリアファイルですね。用紙をしまいます。」

「なんだこの飲み物は」

「エメに準備した飲み物です」

···


かれこれ2時間質問攻めをされ、受付から動くことができない。喋りすぎて喉が渇いた···


途中で半裸のエメはとろけきった顔でニヤニヤし、「また寝るね」と言って部屋に戻った。


これはいつまで続くのかな?お腹すいた···

読んでくださりありがとうございます!

次回は14日になります。

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