エメがシンジュのスキルを体験
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「シンジュサマ!!!!」
扉の前にエメが鬼の形相で立っていた···
シンジュはヒュッと喉がなった。びっくりしたため声が出なかった。
「聞いてる?シンジュ様!!!なにしてるの?」
「え、ええーっとスキルの確認をしてただけだよ。」
しどろもどろになりながらバカ正直に答えた。
「この扉ってきけんなやつでしょ?ギルドマスターにきんしされたよね?まものがいるやつだよね。」
「ち、がうよ。ま、魔物なんていません。これは私のスキルだよ。安心安全だから大丈夫!」
「じゃあなんでみんなのところでやらないの?ぼくがねたからスキルを開いたよね?ぼくは怒ってるよ。」
「ごめんね。この前ギルドマスターやエメが私のスキルを怖がっていたから内緒で試してた。」
「ぼくはね、竜化できるようになってシンジュ様の気配を追えるようになったよ。だからね?ぼくにバレるからね?」
竜化すごい···トイレとかもバレるのかな?どんな使い方ができるのか聞いておかないとまたエメを怒らせそう。
「そ、れはすごいね!!竜化っていろんな力があるのかな?」
「それは今度教える。それよりもシンジュ様!ぼくもスキルの中に入らせて!そうしないと泣いちゃうよ?いいの?あとギルドマスターに言っちゃうからね。シンジュ様がじっとせずに動いてるって伝えるよ。」
何でこんなに脅されているのだろうか···誰かさんに似てきた気がする。
まぁ別にエステサロンスキルは危険がなかったから案内してもいいけれど明日にしてほしいな〜
「いいよ。今日は遅いから明日にしよう?」
「ゃだ!今がいい。じゃないと安心できない。怒るよ?」
仕方がないか···
エメの手を引いてスキルに案内した。
部屋に入るとすぐにエメは興奮し叫んだ。
「こここれなに!!!」
「私のスキルのエステサロン召喚だよ。どんな事ができるか調べていたの!エメ君!靴を脱いでスリッパを履いてみて。」
エメはスリッパが何か分からなかったがシンジュの言ったことに素直に従って靴を脱いだ。
ベットの中で靴を脱ぐことはあっても、部屋の中で脱ぐことはないためドキドキした。それにスリッパのパタパタした音がおもしろいと思った。
いつの間にかエメは怒りからワクワクに気持ちが変化していた。
「じゃあエメ君はお客様第一号になってもらおうかな。まずは健康チェックします。」とシンジュは1つ1つ読み上げて体調を確認した。
最初はチェック式にして自分で読んでもらおうと思ったが、貴族くらいしか文字が読めないため全て読み上げることにした。
最後に体温を測ってみるとエメの体温がめちゃめちゃ高い···人間より高い体温に驚いた。
もしかすると種族によって体温が違うのかな?
体温について勉強はしたことなかったため分からない。
これはオープンするまでに要確認が必要だと考えた。
「ねぇ、シンジュ様それなに?」
「これは身体の熱を測るよ。」
「熱ってなーに?」
「熱は身体を動かすために必要な力だよ。ただ体調を崩すと身体は悪いものを外に出そうと熱を上げるよ。それを調べるための機械だよ。」と教えた。
あれ?そういやギルドマスターが体調を崩した時、隊長やエメには話が通じなかった。
もしかしたら他の種族は『熱』を知らないのかもしれない。
人間は熱を測るけれど、他の種族は熱を測らないのかな?
そもそもあまり体調が悪くならないのかな?
「これはなに?」とエメの興味は違うところに移ったようだ。また1つ1つ説明し、次に部屋の中に案内した。
「ここでお手入れをするよ。来てくれたお客様を癒やしたり、綺麗にしたり、かっこよくする部屋だよ。」
「ぼくも体験したい。」
子供は無理じゃないかな?出来るのかな···すると今度は頭の中に『子供に体験させても大丈夫!!ただし効果は期待しないで。効果が出るのは15歳以上になります。』と聞こえた。
もうこの声は無視するとして子供が体験できるなら安心だね。
脱毛はどうなのかな?!
『脱毛は子供の場合、毛が無くなるスピードが遅いです。成長期は難しいよ。あと獣人やドワーフの毛はツルピカには厳しいよ。毛量がね?分かるでしょう?』と聞こえた。
確かに前世も子供は遅かったもんね。
それに獣人とドワーフは異世界でも無理なんだ···私もツルピカ獣人は見たくないからいいのかな。
「ねぇ、シンジュ様さっきから無視ばっかり。」
「あ、ごめんごめん。マッサージを体験してみる?」と伝えると「うん」と元気な声で返事をしたので一度部屋から出た。
まずエメには衣装を脱いでもらった。部屋に備え付けてあった紙パンツに着替えてもらうようにお願いをした。
部屋にはガウンも備え付けてあるから着替えは大丈夫そうかな?そういや貴族って1人で着替えできないよね···メイドも個室に入れないといけないな。
あとは、う〜ん裸になるのは大丈夫かな?
貴族って確か足を他人に見せのが禁止だったような···
めんどくさい。そこまで気を使う必要はないかな?
無理なら来なければいいもんね。
エメと2人でエステサロンを経営するならお客様を選ばせてもらおう。
「お〜い。シンジュ様、できた!けどよく分からない」
いつの間にか着替えが終わったようだ。
確認するために部屋に入るとしっかりトランクスタイプの紙パンツを履いていた。
ところどころ鱗が見える。昔は痩せてたけど生肉付きが良くなっていて安堵した。
「それでいいよ。ベットの上に寝てくれる?!」と声をかけて寝台に寝かせて上からふかふかのタオルを掛けて、最後にベットの高さを調整した。
自動でベットを調整できるようだ。手動だとぐるぐると手を回してる間に疲れそうだったからよかった。
次はいよいよお手入れである。どういう仕組みか分からないが、機械を身体に当てるとほぐれるみたいだ。エメに機械を当てるとどんどん身体が解れていくのが目視で分かった。
また機械を使う時に通常はクリームが必要だが、異世界仕様はクリームいらずで楽ちんだ。クリームを使わないため身体を拭く用のタオルを必要としない。
前世ではサロン業務の間に、タオルを何枚も洗濯するのは大変だった。洗濯機に入れる前にすべて手洗いをするのだが、それが手荒の原因になり、皮膚科に通ったこともある。
この作業が減るだけでずいぶん楽である。
かれこれ30分ほどお手入れを行っていると案の定エメは寝てしまった。
部屋もベットも温かいし、機械もポカポカだから眠くなる。
お客様も寝てしまいそうだ。その時間を加味して予約を取る必要があるなと思いながら、最後にエメの身体にハンドマッサージと、ボディークリームを塗布し終了。
気持ちよさそうに寝ているため、起きるまで待ってあげよう。
いつの間にかシンジュもうたた寝し、気づいたらお昼を過ぎているのだった。
次回は2月10日になります。
雪雪雪!!!昨日から今日にかけて雪が降り続いたため、積もりました。家の前が大変なことになってます。
雪の影響で寒い。窓から入る隙間風が寒すぎて暖房をつけて寝たので喉がガラガラです。
皆様も体調に気を付けてください。