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第7話 挨拶回り

 仮眠を摂った後ぐっすり寝ているスミレを起こさずに部屋から出るとシャクヤクの居る部屋へと向かう。


「マックスか、どうだったスミレの部屋は。」


「どうって言われてもな、なんでスミレと相部屋なんだ?」


「アタシ達の中で一番のヘタレだから問題無いと判断しただけさ。 それにマックスは見境なく女を襲うようなケダモノってわけじゃないだろう?」


「ま、それはそうだな。 ところで前のリーダーはどうしたんだ?」


「サザンカ姉さんはスキルを奪われて以来、血の滲む努力をしてね。 花の乙女団をアタシに託して修行の旅に出てそれっきりだね、もしかしたら今頃名前を変えて世界で活躍してるかもね。」


「そっか。」


「他に質問は無いかい?」


「強いて言うなら俺は何をすれば良いんだ?」


「特に何もしなくて良いさ、マックスが居るだけでパーティーの士気が上がるし何より皆良い所を見せようと躍起になるかもしれないね。」


 シャクヤクは椅子から立ち上がると俺の後ろに周り込み腰の辺りに両腕を回すと耳元に息を吹きかける。


「ふー、良い匂いがするだろう? 本当は直ぐにでもマックスと愛を育みたいところだがアタシはリーダーだからね、今はこれくらいで勘弁してくれよな。」


 ぎゅっと腰に回した腕で強く締めあげられるとシャクヤクの豊満な柔らかい胸を背中に感じながら俺は優しくシャクヤクの頭を撫でる。


「そんなん気にする必要あるか? 好きなら好きで良いじゃないか、誰もそんな事で怒らないだろ。」


「相変わらず優しいな君は、こんなアタシにも他と変わらず接してくれて。 これはご褒美だ、ちゅ。」


 シャクヤクは次に俺の目の前に来ると顔を両手で触り軽くキスをした。


「いや、だったら済まなかった謝るよ。」


「嫌なわけ無いだろ?、シャクヤク程の美人なお姉さんとなら何度でも男ならキスしたいと思うけどな。」


「そ、そうか? これから他のメンバーにも挨拶回りに行くのだろう?」


「そうだが?」


「さっきの事はアタシとマックスだけの秘密だぞ、良いな?」


「分かった、二人だけの秘密だな。」


(アタシとした事が、幾らなんでも大胆過ぎたな。 まあこれもマックスが魅力的な人物だからしょうがないか。)


 俺は次にツバキの部屋へと入ると何やら天井に足の指先だけでぶら下がり更にその状態でスクワットをするツバキの姿を見て熱心に身体を鍛えているのに驚く。


「お、マックスじゃん! あと数回で終わるから待ってな!」


 ツバキの服装はスカートを穿いており黄緑色のパンツがじんわりと汗を吸っているのが完全に目に入っているがツバキは構わずスクワットを続け目標回数を達成したのかくるりと回転し床へと着地する。


「いやぁ、やっぱ鍛錬は欠かせねえな! ほら見てくれよ、こんなに汗搔いちまったぜ!!」


「そうだな、なんかこの部屋やけに汗臭くないか?」


「何言ってんだよマックスだって好きだろ? 汗臭い女!」


「いや、さっき風呂から上がったばかりじゃなかったか? もう一度入って来たらどうだ?」


「えー、やだよ面倒くさい……そうだマックスも一緒に入るってんなら良いぜ?」


「はいはい、後でな。」


「よっしゃあっ! 言質取ったからな約束だぜ?」


 ツバキの部屋から出ると先程まで誰かの気配を感じていたが周囲を見回しても誰も居らず不思議に思いながらも次にラベンダの部屋へと赴く。


「ラベンダ居るか?」


「マックス様、今開けますね。」


 ラベンダは難しい表情を浮かべながら部屋から出て来る。


「なんだかパッとしない顔だな、何かあったのか?」


「マンイーターの件で少し妙に思えてならないのですよ。」


「妙って?」


「本来なら生物的進化として服だけ溶かすなんて意味の無いことするのは有り得ないんです。」


「けどそれで三人共助かったんだから良くないか?」


「それはそうですけど、何かしら人為的なモノを感じましてね。」


「よく分かんねえけど、そんな気にする事じゃないと思うが考えすぎるのも良くないぞ?」


「そうですね、分からない事を無理に調べる必要はありませんね。 これからシャクヤク団長の所にも報告に行きますがマックス様も来られますか?」


「いや、俺はさっき挨拶しに行ったから大丈夫だ。」


「そうですか、では。」


 ラベンダがシャクヤクの部屋へと向かって行くのを見ながら次にヒマワリの部屋へと向かう。


「はーい、そろそろ来る頃と思ってましたよマックスさん。」


「おう、自己紹介は済ませているが一応な。」


「マックスさんのおかげで四人共無事で済みました、本当に有難う御座いました。」


 ヒマワリは感謝の言葉を述べペコリと頭を下げる。


「当然の事をしただけさ、あの魔物相手じゃ勝つのは無理そうだったしな。」


「ところで、もう皆さんとの挨拶回りは済みましたか?」


「いや、まだボタンとマリーゴールドのとこがまだだな。」


「ふふ、律儀なんですね。 私はそろそろ夕食の準備をしますので楽しみにしててくださいね。」


 ヒマワリはキッチンへと移動し、俺はマリーゴールドの部屋へと向かう。


「マリーゴールド居るか?」


 声をかけても返事が無く部屋には留守のようだ、そこへニヤついた表情のボタンが現れる。


「さっきのツバキチとの会話聴かせてもらったっすよ!」


「ボタンか、マリーゴールド知らないか?」


「さあ? 買い出しにでも行ってるんじゃないっすかね、 そんな事よりヒマっちが料理してる間に風呂入るっすよ。」


「おい引っ張るなよ、何なんだ急に?」


「既にツバキチもスタンバらせてるっすからマッキーにサービスするっすよ!」


「マッキーて俺のことか?」


「他に誰が居るっすか、今ならスケベがラッキーなことになるんす! 更に僕みたいな可愛い女の子と一緒にお風呂に入れる特典付きっすよ? さ、早く早く〜♪」


 俺はボタンに手を引かれ風呂場へと到着すると籠の中にはマリーゴールドとツバキの服が入っており、ボタンの方を見ると恥ずかし気も無く服を脱ぎ捨て鼻息を荒くしていた。


「さあ、男にとっては禁断の世界! 秘密の花園へご案内っす!!」

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