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第6話 相部屋

 花の乙女団ギルドハウスにてツバキ、スミレ、ラベンダはマンイーターの消化液を洗い流す為に風呂場でシャワーを浴びていた。


「あーもう最悪!」


「何そんな怒ってんだ?」


「スミレさんの気持ちは分かりますよ、マックスさんに裸見られたのですから。」


「別に良いじゃん減るもんじゃあるまいし。」


「ツバキはもう少し恥じらいを持ちなさいよ!」


「恥じらいねえ、何時かはマックスとズッコンバッコンの仲になるのに恥じらいなんて要らねえだろ?」


「な、ななな、何言ってるのよ! ズッコンバッコンて、そう言うのは互いに許可した上で!」


 ズッコンバッコンという台詞にスミレは過剰に反応し顔が真っ赤になりグルグルと目を回して手振身振りであたふたする。


「ツバキさんの言うズッコンバッコンと言うのはマックスさんと魔物討伐するって意味ですよ、スミレさん何を勘違いされているのですか?」


「わ、分かってるわよそんな事! べべ、別にマックスさんとエッチな事とか考える訳無いし変なこと言わないでよ!! もう私は上がるから!!」


 スミレは風呂場から出て行きツバキとラベンダの二人になる。


「やっぱスミレはからかいがいがあるなケケケケ。」


「あんまりからかうものではありませんよツバキさん。 それにこの国は一夫多妻制ではありませんし、皆さんには負けませんから。」

 

「お、宣戦布告か? ワラシだって負けないぜ。」


 先に風呂から上がったスミレはバスタオルを身体に巻き何時も通りに冷蔵庫の中から牛乳を取り出しコップに注ぐと飲みながら居間へと向かう。


「よ、その様子だと大丈夫そうだな。」


 俺は居間で寛いでいるところに来たスミレを見て問題無さそうな事に安心する。


「な、なななっ!? 何で居るのよ!!」


 スミレは俺を見ながら自分の恰好に恥ずかしがり顔を赤くすると手に持ったコップを落としパリンと割ってしまい中に入っていた牛乳が床を濡らし後退ると滑って後ろ向きに転倒しようとしたところを咄嗟に俺が支える。


「危ない! 大丈夫か?」


「へ、きゃあああああ!?」


 足を滑らせた際にバスタオルが剥がれスミレの裸が顕となり、直ぐに胸を隠し涙目になっている。


「今は動くな、破片の無い場所まで移動させてやるからな。」


「ひゃ、ひゃい!」


 お姫様抱っこをした状態で少し離れた場所まで移動し降ろすとスミレは慌ただしく走り去って行く。


「あら〜、スミレっち何時もの調子でバスタオル姿をを晒しちゃったっすね〜。」


「危ないから破片片付けるか。」


「それでしたら私が片付けますからマックスさんは寛いでいてくださいね。」


 俺がコップの破片を片付けようとするとマリーゴールドが既に塵取りと雑巾を手にしており準備していた。


「じゃあ頼む。」


「お? 今すっげえ勢いでスミレが走って行ったけど何かあったのか?」


「あら、マックス様ではありませんか。 なるほどそう言う事ですね。」


「今日から私達、花の乙女団のパーティーになりましたよ。 シャクヤクさんの許可も出てますし皆さん仲良くしましょうね。」


 ヒマワリがツバキとラベンダへ俺が花の乙女団に加入した事を伝える。


「はぁはぁはぁ、見られた……また見られたああああ!!」

(あんな事なら、ちゃんとした服着ておくんだった! これじゃ私エッチな子だと思われたよね絶対!!)


 スミレはギルドハウスの自分の部屋へと入りマックスに裸を二回も見られた事を嘆く。


「…………」

(二人きりだったらマックスとズッコンバッコンの関係になれたのかな? て何考えてるのよ私! あーもうツバキが変なこと言うから!!)


「入るぞ?」


「え、マックス!? ちょっと待って今開けるから!!」


 スミレは部屋を開けると顔を覗かせ上目遣いで俺を見る。


「な、何か用?」


「シャクヤクから部屋が無いからスミレと同じ部屋を使ってくれって言われてな。」


「私と同じ部屋!? ま、待って! 今散らかってるから!!」


「そんなふうには見えないけどな、安心してくれ何もしないから。」


「そう言う問題じゃ!」

(駄目、中に入って来る!! 部屋の中にはマックスを象った人形有るのに見られたら変な子だと思われちゃう!!)


 全力でドアを閉めようとするスミレの部屋へと俺は半ば強引に入ると女の子らしい香りが漂い、部屋を見渡すと俺の姿をした二頭身くらいの人形があちこちに飾られていた。


(終わった……。)


「何だ人形好きなのか。」


「わ、悪い?」


「いや、別に悪くは無いな全部俺みたいな姿をしてるが気にする物でも無いしな。」


「そう。」

(あれ? 私、気持ち悪がられてない?)


「そう心配しなくてもスミレを気持ち悪くは思わないから安心しろ。」


「ホントに?」


 俺はスミレの頭を撫でると安心したのか、先程まで慌てふためいていたのが落ち着き俯き顔を赤くする。


「さて、俺は少し寝るが床で寝た方が良いよな?」


「あ、ベッドで良いわよ私も疲れたから少し休みたいし。」

(これって、マックス私のこと好きってことよね? 皆には悪いけどマックスと寝かせてもらおっと。)


「どうかしたか?」


「ううん何でも無いわ。」


 一緒のベッドで二人で寝ることにしスミレは俺の手を握り見つめて来るが目を瞑り睡眠を摂る。


(今私マックスと寝てる、つまりエッチなことしてるってことだよね。 男の人と一緒に寝ると子供が出来るって聴いたことあるし、お腹に新しい命を感じるわ♡)


 スミレは何か勘違いしておりマックスに添い寝しているだけで子供が出来ると思っているようだ。

 この勘違いに気付くのは、まだ先のお話。

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