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プロローグ 《2》
教団から逃亡したレイス、パトリシアの2人は蛙のランドールと出逢い──孤児院に身を隠す為、帰路へと着く。
それぞれが生きる意味を模索しながらも、他愛のない日常を送り、暮らし慣れていた孤児院も今では惨劇の爪痕が刻まれたまま。傷心したレイスの心には余りにも寂しさだけが引っかかっていた。
失踪したザック、ナルバ、ジュリアの3人に修道女アマンダの行方を探す為、教団に残ったレジナルドとユアの2人。
アレクは最終試験に落ちて教団から立ち去り、資格を放棄したフロドも又──教団を飛び出してしまう。
バラバラになりつつある5人は互いに思いを寄せながらも、運命の歯車によって少しずつその関係性は歪んでゆく。
それぞれが違う道を歩み始め、その先で新たな出逢いが待ち侘びている事も知らず……歯車は静かに回り始めていた……。




