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プロローグ 《1》
嘗て──革命を企てた黒装束の一団が存在した。
彼らは黎明義勇と呼ばれ、革命を先導していた男は、首を刎ねられて公に処刑される事となる。
彼が残した遺志は紡がれる事もなく、悪名だけが世間に伝えられ、真実は未だに闇の中。
悪は正義に屈し、世界は星の加護の下──均衡と秩序によって平和が保たれ続けている。
そして、世界政府に組していた霊星術師達は天師の称号を授かり、星騎士と名乗るようになった。
世界各国で戦争の英雄として彼らは称賛され、今では世界を統治する程の強大な組織にまで成り上がっている。
時は経ち──新たな世代が芽吹くと再び、悪意は人々の心を蝕み……運命の歯車が少しずつ回り始めていた。
革命の小さな火種は着実に……燻り出している。