表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
災害予知犬 パリパリ  作者: 夕陽沈
5/11

別離と新たな危険

山に近づいて来た。まだ明るいんだけど、もうすぐに暗くなる。


子どもたちだとまだそこら辺の感覚分かんないだろうな。

まだ明るいからまだ大丈夫、あともうちょっと・・・って思ってるうちにすぐ暗くなる。


まだ子どもたちの不安な気持ち感じる。まだこの山にいるはずだ。


信二を感じる・・・。

「大丈夫。お前ら。俺を信じろ!」

「だから言ったんだよ! やっぱり不安になったから止めようって言ったのに」

泉はやっぱり直前で反対したんだな。

だいたい岳士は信二にしたがって、明季は泉にしたがうから、たいてい信二と泉の対立になる。

もう皆150メートル以上の、山城の所いるみたいだ。


信二の後に、他の3人が付いてって歩いてるみたいだけど、完全に道迷ってんなぁ。

信二は不安になりながらも、表面強気に振る舞ってる。

他の3人ももちろん不安。

これらの不安がおらに伝わって来たのか。


信二の強情なリーダーっぷりが判断を迷わせたな。

あ〜どんどん動かないで欲しい。

待ってろ! ギアチェンジだ!

ダッシュで走るぜ!


だんだん暗くなってきてる。


信二!

(やべ〜道分かんなくなった)

信二の心の声が聞こえる。

「あれ? 信二泣きべそかいてない?」

うわ〜泉余計なことを。

「ば、ばかやろー ! かくわけねぇだろっ」

でも何か目をこすってる。信二の不安な様子が見えてくる。

信二、ますます意地張んなきゃいいけど。


ようやく山城入り口あたりに着いた。

もうすっかり真っ暗。

あの子たちはどこまで行ったか・・・。


お〜い、信二たちぃー!

「ワンワン! ワンワン!」


険しい山道だってへっちゃらさ。

丈咲に訓練されてるから、ひょいひょいと障害物避けてどんどん登ってくぜ!


泉の怒り頂点に達したか。

「いい加減にしろ!辺り何にも見えないじゃん!」

「怖い・・・怖いよ〜」

明季、鼻水垂らして泣きじゃくってる。

「帰れなくなっちゃったよ〜」

岳士、うわ〜んと泣き出す。

つられて明季も鼻すすりながら泣きじゃくる。

ゴホッゴホッって咳もしてる。

「明季、大丈夫だよ。私が守ってあげるから」

泉、明季をおんぶして・・・。

あれ、信二と岳士から離れてく。

「じゃあな」

おいおい、泉と明季離れちゃったよ。


最悪のパターン。

残された信二と岳士、へたりこんでる。

岳士はうわ〜んとますます泣きじゃくる。

「うわ〜ん! お母ちゃ〜ん」

あれ、信二も泣いちゃった。

本当は弱虫だったのか。

泉と離れたことで、張りつめてたもんがプチッと切れちゃったか?

もう意地張る必要ないもんな。


泉、明季をおんぶして、例の銃型ライトを照らしながら、ゆっくり山下ってる。

「あいつらくたばってろ。明季、安心しろ。すぐお家帰るからな」

おいおい、夜の山道真っ暗だからちょー危ない!

頼むから二人とも戻ってくれ〜。


ん? 泉と明季の近くに何か嫌〜な感じ。

あれは! ツキノワグマ!

どんどん泉たちに近づいてく。


クマへの対処法、知らないだろうなぁ・・・。

泉と明季が危ない!

急げ! パリパリ号!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ