これが真相⁉
「ところで、なんで玲夢ちゃんは黒のところにきたの?」
唐突にリリスが聞いた。
「え?」
「あ!それ私も思った!」
「確かスカートめくられたんだよね?」
冬華さんがエプロンを畳ながら更に聞く。
「え?えっとあれは事故…だったんですよね?たまたま頭かこうと思ったら手が当たっちゃっただけなんですよね?」
みんなの目線が思い思いに俺にあつまった。
まだその話すんのかよ?
玲夢は普通になぜ?リスが小首を傾げたみたいな顔。リリスはなにそれ?みたいな顔。冬華さんはというと、
うわっー。みたいに若干引いていた。
「それより会議しよか、会議!でないと夜になっちまう。」
「もう夜よ」
一歩下がった冬華さんは言った。さっきのやさしかった冬華さんはどこへやら、まぁでも俺はやっぱり悪魔だ。ちょっと嫌われているほうが気分がいい。
なんて思ってみた。
「あ!私そろそろバイトだから!」
時刻は8時。バイトは確か7時からだから…
あぁ…気が重い。俺が次に行ったときグチグチ言われるに違いない。
俺とリリスは同じ所でバイトしている。同じ 悪飲み家という飲み屋で働いている。
「リリスちゃん今からバイトって?もしかして朝まで?というか何のバイトしてるの?」
冬華さんが恐る恐るリリスに聞いた。
「飲み屋よ!」
「え!えぇ?」
「男のヒトがイッパイくる…とか?」
「そうね。確かに男ばっかりね」
「えっと、一体どんなお仕事してるの?」
「コップつんで【遊んで】たり?」
「叔父さんたちとはなしたり、叔父さんたちと【ゲームとか】やったりかな?」
「え?あ、そうなの?」
「いっぱい叔父さんたちが来たときはみんなで【ゲーム】やったりして楽しいよ!今度冬華も来なよ!叔父さんたちすんごく【将棋とか麻雀とか】強くて私いつも参っちゃうもん!私まだ初心者だから【チーとかポンとかロンとか】鳴いて頑張ってるんだけどね。ダメね叔父さんたちにはきかないわ!もっと強いの出してくるもの!」
「つ?強い?えっとあの…」
暫く下をむいた。
「え?え!ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼」
いやあんたらどういうリアクションのしかただよ!って突っ込みをいれたくなった。
二人とも顔を真っ赤にして手をパタパタとして動揺していた。
こいつら絶対勘違いしている。面白い。ざまぁみろ!リリス!
「お前早く行けよ!叔父さんら待たせんなよ!つかお前は鳴くからダメなんだよ!たまには鳴かずに【揃えて】出してみ?」
ギロリッ!と目がこちらにむいた。
「黒くんちょっと!」
俺は腕を捕まれ、居間をでて、廊下を抜け、外に連れてかれた。