小さな存在でした
発光石に導かれるまま、進むとすぐに周囲が通路から、発光石の露出した岩壁の洞窟に変わっている事に気づいた。
「アリス、ここはお城の敷地なのかな」
「うーん…なんとも言えません。そうだとも言えるし、違うとも言える。そんな場所ですね」
そっかー。出てはいないけどお城とは言えないって感じかな?
すごい地下にいたりするのかな。
周囲が青く発光しているような洞窟を進んでいく。
足元の岩が平らに整えられていて、歩きやすいのは良かった。
「発光石の中を歩いてるみたいだね」
「そうですね、ここは……特別な場所です」
アリスがそっと指差したのは、先にある青く大きな発光石の塊。どうやら行き止まりについたらしい。大きな発光石を中心とした開けた場所についた。
「すごい……なんて綺麗な場所なの」
中心の発光石が淡く光っている。
周囲の壁や高くなった天井も光を放ち、洞窟全体がキラキラと輝いている。
厳かとも言える風景に圧倒されながらも、中央の大きな発光石へと向かうと、その下に古びた石板が置かれていた。
【導きの石-ラファニア-】
ラファニアって誰だろう?
この大きな石、発光石の種類だろうか。
『……そこにいるのはだれ?』
……!
ぽわりと一瞬強く光ったと思ったら声が聞こえた。聞こえた…というより感じた?頭に直接入ってくるみたいな。
「……ライラ、あなたは誰?」
『ラファニア、わたしは導きの石ラファニア。ここで貴女達のような人間を待っている』
「ご主人様……?」
アリスが、ぎゅっと手を握り私に首を傾げてくる。たぶん、ラファニアの声が聞こえていないのだろう。
「ラファニア、何故私達を待っていたのですか?」
『……力を与える為、道を示すため、運命を正しく導くため。私は【勇者】を導く者』
勇者を導く……?
話が壮大になってきた、というかさっぱりついていけなくなってきたぞ。魔王城に人間がいたから勇者だと思って呼んだのかな。村娘だけども。
「そ、そうですか。では私達をここに呼んだのはラファニアですか?」
『そう。ここには貴女達しか入れない』
アリスもいるけど、見えてないのかな。
隣に視線を向けると、何となく事態を把握したのか、空気を読んだのか静かに発光石を眺めている。
「私はここで何をしたらいいのですか?」
『ライラは何を望みますか』
「ここから出たいです」
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「ライラ様!!!!!」
目の前がピカッと激しく光ったと思ったら、貴賓室に戻ってきていた。そしてキース様発見。
「キース様ただいま戻りました」
「おかえりなさい。ってどこへ行かれていたのですか?!!!!突然消えられてしまったので、どこかへ飛ばされたのかと…」
「飛ばされていたのだ。とりあえず魔王のところへ向かうぞ」
アリスが手を繋いだまま歩き出す。また飛ばされても一緒に行けるようにってことかな。
1番達に隠し通路を探しに行かせておりますので、呼び戻しますね。とどこかへ合図を送っているキース様を横目にアリスに引っ張られるまま扉へと向かう。
「あ、お待ちください。魔法陣で直接向かいましょう。こちらです」
一階大広間の控え室の1つに案内される。
そしてそのまま、またピカッと光った床に驚いている間に魔王様の執務室の扉の前に立っていた。
初の魔法陣体験は実感のないまま終わったらしい。なんかこう、呪文唱えたりとか貢物置いたりとかしないのね。
さて、魔王様にお出かけの報告かな。




