第6話 夜の学校は怖いところです
なんとか宣言通りに更新することが出来ました。
今回は(今までも大してありませんでしたが……)コメディーが殆どありません!!(それはコメディー小説とは言えないのでは?)
作者のイメージとしましては、ホラーのつもりで書いてみました。
うまく怖い感じが出てるといいのですが………
さて、今回も前回同様真琴には酷い目にあってもらいます。
では、どうぞ!!
動物と言う生き物は須く、走る、飛ぶ、泳ぐといった行動をいきなり止める事など出来ない。
当然の事ながら、全力疾走している最中などもっての他で、止まる事など不可能なのである。
そして、またまた当然の事ながら、全力疾走をしている私が、目の前にガイコツがいると気が付いても止まれないわけで………
止まれないっということは、これまた当然のごとくーーー
ドンッ!! ガラガラ!! ドシャン!! ガラガラガラガラ………
ーーー正面衝突するわけで………
因みに、今の効果音を順に解説すると………
『ドンッ!!』←私とガイコツが正面衝突した音。
『ガラガラ!!』←私がぶつかった勢いでガイコツが壊れる音。
『ドシャン!!』←私が勢い余ってこける音。
『ガラガラガラガラ』←壊れてバラバラになった骨が私の上に降ってくる音。
以上のことを踏まえて、私は今、血の海ならぬ骨の海の中に居ます。
カタカタカタカタ
こけた私のちょうど頭のすぐ横から、乾いた何かと何かを打ち鳴らしているような音が聞こえる。
見るとそこには、先ほど走って来る私を見て笑っていたガイコツの髑髏が、しっかりと私を見据え、アゴを打ち鳴らして笑っている。
「……あっ……あっ……」
一度転んでしまったら、腰が抜けてしまい、立ち上がることも、ヒカリに助けを求めることも出来なくなってしまった。
それでも、何とか座るような体勢をとりながら、後ずさろうと試みてみる。しかし、それも膝が笑ってしまい上手く出来ない。
ガシッ!!
何かが私の左足首を掴んだ。
見るとそこには、人の骨の手が、私の足を掴んでいる。
横にある髑髏が更に激しく高らかに、アゴを打ち鳴らす。
「……イヤ……イヤ………」
自分でも不甲斐無い位に弱々しい声しか出てこない。
ギギギギギギ………カシャン……
ドアの所に立っていた“ソレ”が、私の方向へ、一歩踏み出してきた。
カタカタカタカタ………
横の髑髏がアゴを打ち鳴らし、掴んでいる私の左足首にも力を込めてくる。
私は段々何が何だか分からなくなってきた。
いっそこのまま気絶して楽になりたい……
体はもう座っていられないほど、グラグラとしてきた。感覚はとうに消え去り、恐怖も感じない。更に目の前は段々と真っ暗になっていき、異様に眠たくなってきた………
あれ?………この感じ………前に何処かで………
途端に脳裏に蘇ってくる記憶。
不思議な白い霧……怒りのオーラを放つ、同じ制服を着た少女と思われる後ろ姿……その少女の唱えた呪文らしきものによって、吹っ飛ぶ男の人………優しい笑顔……
シャリーン
鈴の音が私の脳内に響き渡る………
……鈴の音………そうか……あの女の子は………
プルルルルル………プルルルルル………
私は突然の音で、ハッとした。
辺りを見渡すと、さっきまで居たはずの妖怪みたいな者とガイコツは跡形も無く消え去っていた。
プルルルルル………プルルルルル………
どうやら、この音は私のポケットから聞こえてくるようだ。
ポケットを探ると私のケータイが出てきた。
『着信中 神寺 光』
見るとディスプレイには、ヒカリの名前が………
画面を見た私は段々と腹が立ってきた。
ヒカリのヤツめぇ〜〜!! 私がどれだけ怖い思いをしたと思っているのよ!! 絶っ対に許さないんだからぁ〜〜!!
私は未だにけたたましく鳴っている自分のケータイを取ると、電話越しに思わず怒鳴った。
「ヒカリ!! あなた一体何処ほっつき歩いてんのよ!! 早く戻ってらっしゃい!!」
『………あたし、メリーさん………』
その声を聞いた瞬間、私は血の気が引いていくのが分かった。
「ヒ、ヒカリ? ……じょ、冗談は…よ、よしてよ……ね?」
『………あたし、メリーさん………今…貴女の後ろに居るの?……』
引っ込んだはずの冷や汗が再び噴出してきた。
私はケータイを持ったまま恐怖の余り固まってしまった。
後ろから、誰かの視線を感じる………
う、後ろに居るのは………誰?
私は、ゴクンッ、と唾を飲み込んだ。冷や汗が顔をつたってアゴの辺りへ降りてきて、落ちる。
覚悟を決め、ケータイを耳に当てたまま一気に後ろを振り返る………
そこには真っ暗な廊下に教室、上へと上がるための階段が私の視界の中に飛び込んできた。
しかし、何処を見ても誰も居なかった。
『………あたし、メリーさん………』
耳に当てたケータイから更に声が聞こえてくる。
『…………今………貴女の真上に居るの…………ウフフフ………』
最後の笑い声は、ケータイの声と一緒に私の真上から聞こえてきた。
そして、突然私の目の前に細い髪の毛のようなものが降りてきた。
ゆっくりと顔を上げる。
そこには―――
「………あたし、メリーさん………やっと、見つけてくれたね………」
―――女の子が逆さ吊りの状態で手をだらんと下に垂らし、私を上から見下げる形で見下ろしている。
私はあらゆる思考が停止してしまい何も考える事が出来なくなってしまった。
「………どうしたの………」
そう言うとその少女――メリーさんはうっすらと薄気味悪い笑みを浮かべた………
そして次の瞬間、ゆっくりとその女の子のクビが180度回転した。
ガタンッ!!
私は恐怖の余りケータイを取り落としてしまった。
身動きはおろかまばたきすら出来ない。
目線をメリーさんから外せない。
息は詰まり、体中から冷や汗が流れ、体が小刻みに震えているのが自分でも分かる。
私のそんな姿を見てメリーさんは満足したのか、薄気味悪い笑みを更に深めて、口は耳のすぐ横まで裂け、大口を開けて、ニマッ、と笑った。
「イヤァァァァァァァァァァァアアアアアアア!!!!」
私は力の限り叫ぶと、メリーさんから視線を外し、その場にうずくまった。
ここまで読んでいただき有り難う御座います!!
どうですか?少しは怖く仕上がっていますでしょうか?
感想・評価お待ちしています!!どんな些細な事でも構いません!!是非とも読んだ感想を作者に教えて下さい!!ほんとにもう、信じられないくらいやる気が上がります。
それでは改めまして、ここまで読んでいただき有り難う御座いました!!
次回は久々にヒカリが登場します。
宜しければ、次の話も読んでください!!