第35話 死が二人を分かつまで
ふざけてるの?
目の前でヒカリが倒れ、女を倒した高揚感が一瞬にして消え去った。
「ヒカリ! ヒカリ、しっかりして!」
糸の切れた人形のように、ピクリとも動かなくなったヒカリを慌てて抱きかかえる。
その体から急速に熱が消え、冷えていく。慌てて胸に耳を当てるが、彼の内側から脈打つ音はなかった。
「くっ――」
じわりと涙が零れ始めた。
わかっていた。きっとこうなるだろうということは。最後にわたしがヒカリに尋ね、彼が押し黙った瞬間から。
体が震え、わたしはヒカリの冷たくなっていく体を強く抱きしめた。
漏れそうになる嗚咽を、唇を強く噛みしめて堪える。
逝かせない。
わたしをあなたの剣にさせといて、このまま逝かせるなんて絶対に許さない。
「獅子……狛犬……」
抱きしめていたヒカリの体から、少しだけ顔を離す。
「ヒカリをここに連れ戻す方法、教えなさい……」
二匹の獣が、わたしのすぐそばまでやって来て、立ち止まる。けれども、二匹とも黙したままだった。
「なんでもしてやるわよ」
わたしは顔を上げ、二匹を睨み上げる。
「ヒカリをこの世に引きずり戻せるなら、わたしの命だっていくらでも賭けてあげるわ」
「……」
二匹の獣は、透き通った揺れることのない水面のような瞳でわたしを見つめた。
「あるんでしょ? さっさと教えなさいよ」
「だとしてもだ。死者を呼び戻すのは、世の理に反しているとは思わないか?」
雄々しい一角を持つ狛犬が、静かに口を開いた。それに怯むことなくわたしも口を開く。
「だから何?」
「『だから何』って……。そりゃ嬢ちゃん、そりゃないわー。そりゃあれやで、文字通り神の如き所業やで?」
「我々は神ではない。我らはかつての主の命により、御魂と使命を授かった守護式神に過ぎない。端的に言えば、道具だ。そのような真似ができるわけがなかろう」
案の定、二匹の返答は色の良いものではなかった。
「別にあなたたちの手を直接借りなくたっていいわ」
しかし、今さらわたしにひるものはなかった。
「ヒカリの命は、私のこの手で取り戻す。たとえそれが神や悪魔の所業だとしても、わたしはなんでもやるわ。あなたたちはただやり方を教えてくれさえすればいいのよ」
それに、とわたしは二匹を眇める。
「あなたたちも、今ヒカリに死なれたら困るんじゃないの?」
「……」
二匹は再び押し黙って、わたしを静かに見つめていた。
化け物のいなくなった中庭に、夜風がそっと草木を揺らす。わたしたちは対峙したまま、ただ時だけ静かに流れた。
やがて、狛犬が凛々しい女性の声を、少しだけ弱めながら口を開いた。
「考えは、変わらないのか?」
それにわたしはにやりと口角を吊り上げる。
「当然でしょ」
「まったく。これだから人間はあかんのや」
獅子が白銀の毛並みを月夜に輝かせながら、可笑しげに体を揺すった。
「ええで。お嬢ちゃん。教えたるわ」
「……良かろう」
深いため息をつきながら、ついに狛犬が首を縦に振る。
「それで、わたしはどれだけ罪深いことをすればいいの?」
おどけて言ってみる。罪の意識どころか、恐怖すら微塵も感じていないわたしは、やはりもう人として堕ちてはならないところへ来てしまったのだろうか。
「なに、お前にとってはおそらく大したことではあるまい」
「でも、死者を蘇らすのは、世の理とやらに反しているのでしょ?」
「ああ、そうだ」
「――正真正銘、まさに真の意味での死者なら、やけどな」
狛犬のあとに付け加えられた、獅子の含みのある言葉にわたしは眉をひそめる。
「真の意味での死者?」
真意を掴みかねて、わたしは訊ねる。
「じゃあヒカリは死んでないの?」
「半分正しく、半分は間違いだ」
「どういうこと?」
狛犬が、わたしが抱きかかえるヒカリの亡骸を見やる。
「その身体に在った御魂はすでに昇華されている。その身体に在った御魂は、な」
「じゃあ、残りの御魂とやらはどこにあるのよ。どんな遠方でも危険な場所でもいいから、もったいぶらずにさっさと教えなさいよ」
二匹の遠回りな物言いに、わたしはだんだん苛立ちを隠せなくなってきた。
「残りの主の御魂の在り処は――お前の中だ」
告げられた狛犬の言葉の意味を掴めず、わたしはしばし呆然となる。
「わたしの、中?」
言われて胸に手を当てる。全然意味がわからなかった。
「せや」獅子が可笑しそうに笑いながら言う。「嬢ちゃんは覚えとらんかも知れへんけど、嬢ちゃんはこの夜に一度命を落としかけてるんで」
「え……」
さらりと衝撃的な事実を告げられ、わたしの思考が停止する。
「いつ……?」
「それは――」
「ひかりんが、まっこんにちゅーしてた時だよ」
狛犬の言葉を遮るように、ふいに幼い少女の声が重なった。
振り返り見ると、完全に忘れ去られてたお化けトリオ――その真ん中の少女、メリーさんこと通称雪ちゃんがいた。わたしに構わず雪ちゃんはおどけて「あ、そう言えば未遂だっけ」と続ける。
何を言われたのかわからず、しばし記憶を呼び起こす。
一晩だけで強烈で鮮烈な多すぎて、該当する記憶を呼び起こすだけで数十秒かかってしまった。
「あ」
そして思い出す。目を覚ましたら超絶至近距離にあった、ヒカリの顔を――ひいては、危うく超えかけた一線の幕間を。
かあっ、と顔が赤くなる。
「自分の命削るほどがんばって助けられた後の、ご褒美のちゅーの代わりにあげた二回のキックを忘れてたなんて……ひかりん可哀そう」
雪ちゃんがあからさまによよよに涙を拭う。
「まっ、そうさせたのはあたしらなんだけどねっ」
と嘘泣きから一変、口が裂けたと思うほどにたりと笑った。
しかし、わたしはそれどころではない。
赤くなってた顔が、見る見る青くなっていくのがわかる。
「命を、削って……?」
困惑と驚愕に、掠れた声しか出なかった。
「そだよ」
そんなわたしとは対称的に、まるで遊園地に向かっているかのような楽しげな口調で、雪ちゃんは私の独白に相槌を打った。
そのままの軽やかなステップで、わたしとヒカリのもとまでやってくる。
そして、無造作にヒカリの亡骸を踏みつけた。
「ひかりんもバカだよねー。一つしかない命の半分も他人にあげるなんてさ。おかげで万全の力発揮できなくて、それで死んでたら世話ないよねー」
亡骸となったヒカリに、雪ちゃんは容赦なく毒を吐く。それだけでは飽き足らず踏みつけてた足で、ぐりぐりと捩じり始めた。
死者に対する冒涜、以前に、ヒカリに対する侮蔑に、わたしの怒りが頂点に達する――はずだった。本来なら。
しかし、わたしはヒカリの亡骸を弄ぶ雪ちゃんに、罵声の一つも浴びせることができなかった。
「そうやって死んでも、何の意味もないってのにさ。ほんとバカ」
耳たぶまで割けた壮絶な笑み。
それすら凌駕する苛烈さを秘めた瞳。
そんな彼女の姿に、麻痺した思考とは別のところで、ある思考が過る。
雪ちゃんは、あまりに人間的すぎる。
悪戯好きだったり、わたしと妙に感傷的にケンカをしたり、かと思えば泣くほど笑い転げたり。
よく考えれば、彼女が自身を『メリーさん』と自称しているだけで、メリーさんらしき行為を行っただけで――わたしが想像していた『メリーさん』とは違ってる。
西洋人形のような容姿のせいで、何も疑わずに彼女を『メリーさん』と受け入れたけれども。
メリーさんの雪ちゃんは――いえ。
この雪という少女は(・・・・・・・・・)、元はただの女の子だったのでは(・・・・・・・・・・・・・・)?
そんな事を、ふと考えてしまった。
「まっ、別にいっか。死んだからって、特に何かあるわけでもないし。むしろこのままひかりんが地縛霊にでもなってくれた方が、あたしとしても嬉しいし?」
そう言って、雪ちゃんは足をヒカリの亡骸から降ろす。最初から最後まで、彼女の暴挙を見守ることしかできなかった。そんなわたしを余所に、雪ちゃんは「んでさぁ……」とわたしに視線を寄越す。
その顔は、先ほど苛烈すぎる笑みとは打って変わり、彼女らしい人の悪い、悪戯じみた笑みに代わっていた。
「あたしとしてはさ。ヒカリが半分の命を削ってまで現世に留めた、その命をどう使いたいのか、それがやっぱり気になるんだよね~」
「どう使うって……」
ころころと変わる雪ちゃんに戸惑いながら、わたしは口を開く。
「ヒカリを呼び戻せるのなら、なんでもするわ」
「あ、そう」
と雪ちゃんは悪戯っぽく笑い、あっけらかんと続ける。
「じゃあ死ねば?」
あまりにあっさりと言われたので、わたしは押し黙る。
そんなわたしを気に掛けるそぶりもなく、雪ちゃんはバックステップをしつつ離れる。
「さっきも言ったけど、別に死ぬのって大したことじゃないんだよね。みんな死んだら終りとか言ってるけど、死んでからも色々あるわけで。転生する奴や地縛霊になる奴、色々あるからさ。心中したカップルなんかは、むしろあらゆるしがらみか解放されて楽しく暮らしてたりするよ?」
くるくるとダンスを踊るように舞いながら、雪ちゃんは歌うように言った。蒼い月のスポットライトに当てられ、幻想的な舞台が出来上がる。
「それに生身よりも霊魂の方が、ずっとずっと呼び寄せやすいし、簡単なんでしょ?」
雪ちゃんが、静かに佇む二匹に問いかける。
「ああ」狛犬が口を開く。「彼岸の住人を此岸に呼ぶよりも、両方此岸に行ってしまった方が遥かに手っ取り早い」
「何せ同じ世界の住人やからな」
クククと笑い噛み殺しながら獅子も続ける。
「ほら、何の問題もないじゃん。むしろめんどくさいことしなくて済むし、まっこんも死んじゃえば?」
「わ、わたしは……」
震えながら、なんとか言葉をひねり出す。
「それじゃ、……意味、ないじゃない……」
「なんの?」
踊るのを止めて、雪ちゃんが真顔で静かにわたしを見つめる。月夜の影に、西洋人形のような少女がぼんやりと佇んでいた。
「死ぬことは大したことじゃないし、死んだから不幸ってわけでもない。むしろ、死んだおかげで、生きてた時よりもずっと幸せに暮らせてる人たちが、いっぱいいるんだよ? わざわざ向こうの住人をこっちに引き戻す手間もいらないし、良いこと尽くめじゃん。ねえ、何が都合が悪いの?」
「…………」
わたしは、なにも言えなかった。
だって、なにも不都合などないのだから。
今わたしが自決しても、全然問題なんてない。むしろ、なんでそうまでしてヒカリをこちらに呼び戻したいのか、そちらの方が疑問にすら思えてくる。
「あ、念のために言っておくけど、ひかりんを呼び戻すことに反対してるわけじゃないんだよ? 生き返ったら生き返ったで嬉しいし。そのためにまっこんが死んでも、あたしは別にそれを責めるつもりもないし。だってまっこんの命じゃん。どう使おうが勝手だし、あたしが口出しするのも変な話じゃん?」
たださぁ、と彼女は続ける。
「自分の命を尊重できない人が、よくもまぁ、人様の命を助けるなんて言えたもんだよね」
そう言って、雪ちゃんはにたりと人の悪そうな笑みを浮かべた。
わたしは、ただ押し黙っていた。
「明日を捨てた人間が、明日を無くした人間に明日を与える。変な話だよね。捨てるつもりの明日をもらった人間が、その明日を楽しく過ごせると思ってるの? まっこんはやっぱり重い女だねぇ~」
「…………」
わたしはそれ以上彼女を見ていられなくて、視線を降ろしてしまう。そこにはヒカリの生気のない顔しかなかった。
「まっ、さっきも言ったけど、あたしは好きにすればいいと思うよ? どっちにしろあたしにとっては変わらないし」
変わらず遊園地に向かうかのような軽やかさで、雪ちゃんは続ける。
「じゃ、わんちゃん達お話の邪魔してごめんね。ちゃっちゃとまっこんに、ひかりんを呼び戻す方法教えてあげちゃって」
「ああ」
「ククク」
狛犬が感情の起伏の感じられない口調で頷き、獅子はただ訳知り顔で笑っていた。
「先ほども言ったが、その亡骸にはすでに御魂はない。しかし、お前の御魂には主の御魂が残っている。だから、その御魂を主に戻し、なおかつ不足している御魂をお前が補充すればいい」
「早い話が、お嬢ちゃんの命の半分を渡しゃあいいって話や」
狛犬が口を開く。それを補足するように、笑いをかみ殺しながら獅子が続けた。
「もちろん弊害はある。本来一人分しかない御魂を分け合うのだ。二つの体で、一つの御魂を燃やすことになる」
「単純に言って、寿命が半分ずつになるってわけや。当然、他の人間よりも早く死ぬことになるわな」
「ちなみに、今のまっこんの寿命はいくつかわからないの?」
顔も上げれず二匹の話を聞いていると、雪ちゃんが二匹に晩御飯の献立を聞くかのように尋ねた。
「正確にはわからん。ただ、今の御魂の状態から推察は可能だ。それでも、その者がどう生きるかによって大きく変わってくる」
「おおっ、さっすがぁ~。で、大体いくつくらいなの?」
けたけた笑いながら雪ちゃんが尋ねる。それに獅子も笑いをかみ殺しながら答える。
「七十代っちゅー感じや。八十まで生きれるかどうかは、本人の頑張り次第って感じやろ」
「てことは、まっこんがひかりんを生き返らせても、大目に見積もっても四十歳になる前に二人とも死んじゃうんだね」
雪ちゃんがぽんと握り拳を、反対の手で作った皿の上に乗せる。
「ああ」
狛犬が淡々と肯定の意を示す。
「だってさ、まっこん」
軽やかな足取りでわたしの前に来ると、しゃがみ込んで雪ちゃんはにたりと笑った。
「どうするの?」
わたしは、すぐに口を開けなかった。
このままヒカリを生き返らせる意味。
さっき、その意味は雪ちゃんの手によって、完膚なきまでに壊された。無理して生きるよりも、むしろ死んでしまった方が遥かにメリットがあるのは嫌というほどわかった。
そして、例え生き返らせても、わたしたちは四十歳になる前に死んでしまうという未来。
このまま生き返らせるのが無意味だと分かり、その上わたしたちは、満足に人生を謳歌する前にこの世を去るらしい。
「わたしは……」
微かに開いた口から、言葉が漏れる。
ヒカリを生き返らせる意味、無意味さ。
生き返した代償に与えられる、命のタイムリミット。
その二つがグルグルと廻り、それでもわたしは、それらを飲み下した。
「わたしは――それでも、ヒカリを生き返らせるわ」
わたしは目の前の雪ちゃんの目を真っ直ぐに見た。
「へえ」
雪ちゃんがにたりと笑った。
「まっ、良いんじゃない?」
そう言って、雪ちゃんは立ち上がるなり、わたしたちからくるりと背を向ける。そのままさっさと距離を取り始めた。
それに呼応するかのように、月に雲がかかり、あたりが一気に暗くなる。
わたしは離れて行くその背に、言葉を投げる。
「わたしはヒカリを生き返らせる。生き返らせて、一緒に四十になる前に死ぬ」
「それに何の意味があるの?」
雪ちゃんがこちらを振り返らずに訊ねてくる。
「意味はこれから作る」
わたしはその背にただ言葉をぶつける。
「遠くない未来に死ぬのが怖いわけじゃない。でも、やっぱりわたしはヒカリに生きていて欲しいし、一緒にいて欲しい」
「未来なんて誰にもわからないんだよ。それに、今はそうやってアツアツでいられるかもしれないけどさ、ずっと一緒とは限らないじゃん。ひかりんもまっこんも、どっちかが相手を殺したいほど憎くなるかもしれないんだよ?」
「その時はその時よ。今この瞬間には関係ないわ」
「勝手だなぁ。あと、まっこんはそれで今は良いかもしれないけどさ、せっかく死んでたのに、勝手に生き返させらせたひかりんはどう思うと思ってんの?」
「勝手で結構。わたしを剣にしといて、勝手に逝った報いよ。知ったことじゃないわ」
「わーわがままー」
「それでも――」
わたしは言葉を切って、雪ちゃんの背中に向け、言い切る。
未来と、自分たちに向けて、言い切る。
「――それでも、わたしは、捨てた明日を生きるんじゃなくて、生きるために明日を二人で迎えたい。今、そう決めた」
雪ちゃんは何も言わなかった。
雲に隠されていた月が晴れ、わたしたちを青白く照らした。
雪ちゃんが振り返り、その視界にわたしたち二人を真っ直ぐ収めた。
それから、彼女らしく、人の悪い笑みでにたりと笑った。
「まっこんってば、ほんとに重い女だねぇ~。お化けよりも怖いよ?」
「もしかしたら、わたしはヤンデレの気があるのかもしれないわね」
「もしかしなくても、どっからどう見ても重度のヤンデレだね」
わたしと雪ちゃんは、どちらからともなく笑いあう。
「ありがとね、雪ちゃん」
「え、なんでお礼言われてるのか全然わかんなーい。あたしはあたしの言いたいことを言っただけだしぃ~」
そう言って雪ちゃんは月明かりの下でステップを踏み始める。
その幻想的な風景の彼女に、わたしは声をかける。
「言いたい放題言われついでに、一つお願いしていい?」
「内容にもよるけど、聞くだけ聞いてあげる~」
軽やかに踊りながら、雪ちゃんは気軽に返事を返してきた。
それに、わたしも負けないくらい、あっさりお願いを口にする。
「ちょっと、わたしの頬を本気でぶっ飛ばしてくれない?」
告げられたお願いに、雪ちゃんは大笑いしながら踊り続けた。
そして、踊りが終わると、スカートの端を摘み、優雅にお辞儀を一つ。
姿勢を戻すと、雪ちゃんは人の悪い笑みで、にたりと笑った。
「甘えんな♪」
その返事に、わたしは小さくため息を吐いた。
「それもそうね」
それからわたしも、彼女に負けないほど人の悪い笑みを浮かべた。
しばし雪ちゃんと笑い合った後、視線をずっと静観し続けていた二匹へ向き直る。
「さっ、待たせたわね。それじゃ、さっさとヒカリを生き返らせる方法教えなさいよ」
読んで頂き、ありがとうございます。
次話が、遅々と足掛け7年もかけて書いてきたこのお話の最終話になります。
更新は明日朝8時です。
最後までどうぞお楽しみください。