第14話 風を纏い、敵を打ち払え
勉強って大切ですね。
一応とは言え小説を書かせて頂いている身。やはり、調べごとは大事です。曖昧だと大変な事になる。
今回の話を書いていて思いました(大した内容ではないですが)
よし、ちゃんと調べよう!
でも、まっ、こんな事感じても、これっぽっちも学校の勉強をする気にはならないんですがね(笑)
日本はよく“神の国”と呼ばれ、日本民族がつくられてから現代まで、私たち日本人は『八百万の神』という数々の神々を祭ってきました。
日本の神々の内、皆さんの知る最も有名な神を挙げるのならば、まず第一に日本列島をつくった伊奘諾尊と三柱の尊い子供たちではないでしょうか。三柱とはつまり、太陽神の天照大神、月の神の月読尊、そして、海の神の素戔嗚尊のことです。また他の神の名前を挙げるならば、素戔嗚尊の妻である奇稲田姫が一番有名なのではないでしょうか。
もちろん、その他にも沢山の神々が居られます。しかし、日本の神道には他の国にはいない神々がいます。
山には山の神、川には川の神。鹿には鹿の神、そして、風には風の神。それこそ、沢山の神々がこの日本には居られます。そして、私たち日本人はそんな神々を祭ってきました。
私は右腕に風を纏ったまま、勢いよく駆け出した。
目の前にいる女の人は、見下したような笑みを浮かべ、腰に手をやったままその場から動く気配さえしない。
私はそれを見ると軽く口元を歪める。そして、走ったまま今まで横に水平に保っていた右腕を体に巻きつけるようにに持ってくると、
「ハッ!」
という掛け声とともに右腕を勢いよく横に薙ぐ。
すると、シュッ、という鋭い音が聞こえ、まるで刃のような無数の風が、あの女の人の下へと一直線に飛んでいく。
「ふっ、何をするかと思えば」
その無数の刃と化した風に怯むことなく女の人は両手を前に突き出す。
「所詮はただの子供だましよ」
そう言うと、突き出した両手の平から、無数の白く妖しい糸が飛び出す。
その糸は、私の放った風をいとも簡単に捉えると、相殺していく。
そして、遂に全ての風の刃が捉えられてしまった。
だが、私は足を止めない。ひたすらにただ前を見て、私が風の神に頼んで生み出した風の刃と相殺してばらばらとなった、きらきらと月の光を受け輝いている糸の間を走り抜ける。
「愚かな、虫けらめ」
女の人はそう呟くと、さらに両の手の平から糸を生み出し、私目掛け放つ。
私はそれに負けじと同じように風の刃を生み出していく。
相殺できる糸は相殺させ、それが出来ないものは足に霊力をため、その力を使って左右に上にと縦横無尽に動いて交わす。
細く、切れ切れになった無数の糸が、ひらひらと空気に漂っている。
「ハッ!」
女の人から放たれた、私を捕まえようとせんばかりの無数の糸の束を交わすべく、私は空に舞い上がる。
「あまい」
どうやら先ほどの糸の束は囮だったようだ。
そう言った女の人は両手を近づけると今までの糸とは比べ物にならないくらいの糸の束を放ってきた。
足りない!
私はそう素早く判断すると、手の平を前に腕を突き出すと、風の神様の風を両腕に纏うと、高らかに唱える。
『罪と言う罪は在らじ祓え給い清め給う』
その直後、無数の糸の束とぶつかる。
だが、その全てを払い散らして地面に舞い降りる。
「ほぉ。なかなかやるではないか、虫けら。見直したぞ」
顔を上げ前を見る。
女の人との距離はまだ少しある。
「それはどうも有り難うございます」
私は女の人から目を離すことなく言い返す。
それを聞くと女の人は何とも言えぬ、不気味な笑みを浮かべる。
「だが、もう少ししっかりとしていてくれれば、なお楽しめたというもの。実に惜しいな」
私はその妙に含んだ言い方に思わず眉を細める。
「それは一体、どう言う意味ですか?」
「言ったとおりの意味よ」
不機嫌そうな私を見て、女の人はさらに笑みを深める。
これは何かあります。けれど、私が先手を打てば良いだけのこと。何があるのかは知りませんが、攻撃の隙を与えなければ、所詮は宝の持ち腐れ。そんなへまはもうしません。
「無駄話はここまでですよ」
私が睨みを聞かせながら言うと、女の人は何も答えず、私を見てただただ笑っていた。
私はそれを見ると、足に霊力を再び溜める。
「行きます」
それを合図に一気に足に溜めた霊力を爆発させる。
たちまち私は物凄い速さで女の人の下へと向かう。
女の人はそんな私を見てもその場から動かず余裕の笑みを浮かべている。
「またそれか。芸のない奴よ」
そんな事を言いながら、女の人はやはり動かない。
かかりましたね。その余裕が命取りですよ。
私は堪えきれずに口元を歪める。
今の私には風の神様が付いているんですよ。
右足が渡り廊下に着く。
その瞬間、私は足を中心に全身に風を纏う。
そして、その風を使いさらに速度を上げ女の人に近づく。
「なに!」
女の人が焦ったような声を出す。
もう遅いですよ。
女の人との距離はもう目と鼻先。
「おのれ!」
女の人は右手の爪を突然伸ばし、若干後ろに体を仰け反らしつつ、私の顔目掛け右手を伸ばす。
私はそれを確認すると、少し強引に体を左へ屈める。
シュ!
女の人の鋭い爪が私の右頬を赤い小川を作りながら掠める。
そして、私は左に屈んだ状態で風の神様の力を借り、素早く体を右回りに回転させる。
「はぁぁぁあああ――」
回転したまま、右腕に再び風を纏い、初め駆け出したときのように右腕が体に巻きつくように構える。
「――ハッ!!」
その掛け声とともに、風を伴った右腕を女の人の脇腹へ向け、思いっきり薙ぐ。
「ガッ!」
右腕が女の人の脇腹に見事当たり、横へ吹き飛ばす。
しかし、私はただ吹き飛ばすだけでなく、更なる攻撃を加えるべく、風の神様の力も借りて女の人を追う形で飛ぶ。
「虫けら風情があまり調子にのるでない」
そう言うと、女の人は私が殴りつけた右の脇腹を押さえつつ、左足で強引に吹き飛んでいた体を止める。
そして、さらに攻撃を与えるべく来た私を見ると、再び笑みを浮かべ、今度はその鋭い爪を私の胴体目掛け薙ぐ。
ザシュ!!
私の服は裂かれ、五本の線が入る。
女の人の爪はどうやら私の体自体にも届いたようで、服の間から赤い鮮血が飛び跳ね、鋭い痛みが私の体を貫く。
「くっ」
その痛みに思わず顔を歪めるも、直ぐに顔を引き締める。
そして、予定通り風の神の様の力を借りつつ、右足を床に着け、体の動きを止める。
私を中心に外に溢れ出した霊力が、まるで霧のような白い煙となって辺りに噴出す。
「なっ!」
女の人の顔が笑みから驚愕の表情へと変わる。
「ヒカリ!!」
遠くの方から真琴さんの声が聞こえる。
私は両手の平を前の女の人の腹部にクロスさせて当てると、いつぞや始めて真琴さんと会ったときに使った術を唱える。
『高天原の主神、天照大神よ 我に今此の時、その大いなる力を貸し与えたまえ 我が目の前にいる敵から我を護る盾となり、敵を討つ刃となれ』
その術に答えるかのように、私から溢れ白い霧となった霊力が私を中心に勢いよく渦巻き、一瞬まばゆい光が女の人の腹部に当てている両手の手の平から放たれる。
ドゴォォォオオオン!!
その光を最後に女の人は暗い渡り廊下の向こうへと吹き飛んでいった。
沈黙。
相変わらず、渡り廊下の窓には雲ひとつなく光り輝く満月が映し出され、その光が辺りをうすぼんやりと照らしている。全てのものは息を潜め、沈黙が辺りを支配している。
ふと辺りを見回せば、辺りには私たちによって細々にされた無数の輝く糸たち。
その糸たちは窓から漏れた月光に照らされ、美しく、幻想的にきらきらと光り、それでいてどこか妖しげな光りを放っていた。
いつもいつも読んで下さり有り難うございます!!
さて、今回は前回のようにならないため一気にヒカリの説明に入ります。
【神寺光(かみでらひかり】
年齢:15歳
性別:(生物学上は)男性
身長:163センチ
容姿:かなりの女顔で童顔。一目どころか、ずっと一緒にいても本人が自分の性別を言わなければ、誰も男だとは気がつかないほどの、どこからどう見ても美少女にしか見えない顔をしている。
その他:実家はその“道”ではかなり有名なところで、その家の次期跡取り。幼少の頃から他の一族の力を遥かに凌ぐ力を持ち、その力は歴代でも最高ランク。
他の一族同様、“呪い”を受けこの世に生を受けたはずだが、その影響をあまり受けずに生まれたもよう。その呪いの名は【女爾生呪】
自分の生い立ちのせいで、友を持った事がなく、家でも他の一族の大半に“忌み子”と呼ばれ、常に孤独だった。そのため、ヒカリにとって真琴とは始めて出来た友であり、何が何でも護り抜きたい存在である。
また、表にはけっして出さないが、“自分自身”にかなりのコンプレックスを持っている。
とりあえず、以上!!
やばい。書き出したら止まらない。まだまだ書きたい事はたくさんありますがこの辺にしておきます。
性格は真琴のときと同様、とりあえずあんな感じということで(汗)
ああ、そう言えば。ヒカリという名前の表記の仕方についてはどう思われますか?
最初は【光】一文字にしていたんですけど、(自分が)読みにくいかな、と思いこのように【ヒカリ】とカタカナ表記にしました。
もしも、カタカナ表記の方が読みにくいと言われる方がおられましたのならば、最初の【光】に直そうと考えているんですがどうでしょうか?
もし、どなたからも何もなければ、このまま【ヒカリ】にしようと思っています。
あっ、あともう一点。
実はこの話を書き始めていたときから、ずっと気になっていたことがありまして。
それはヒカリの呪いの名前です。
名前の中の【爾】という漢字、意味を間違えてないでしょうか?
一応、電子辞書で調べて“だけ”という限定の意味があったようなので採用したんですが、もしもこれが『間違っている』もしくは『もっと相応しい漢字がある』といった場合があれば教えてくださると、大変ありがたいです。出来ればよろしくお願いします。
また長くなってしまった……
まっ、いっか←
それでは今回はこの辺で失礼します。
それにしても、もっと人物説明をしたいなぁ……