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学生の戦争2

『くそった……………………』

 通信が消える、そしてサブモニターには横に味方のコックピット部分に突き刺さったパイルが。

『サイどうする』

「残ってる味方は」

『散り散り』

 追撃に出た、味方の数は7機そのほとんどが輸送トラックで送られてきた補充兵だ。だが。

『俺は逃げるぞ』

『はぁに………………』

 残り3機まで減ってしまっている、減った理由は簡単だ敵は戦闘体制を整えていたのだ。近づき攻撃可能な位置に入ると、射撃を受け元々いたリーダーらしき男ともう1人が死に混乱のうちにさらに2機消された。生き残っているのは。

『目の前』

「わかってる」

 ヒートスティックを抜く、だが敵の方が早い。

『右』

 その声と共に右に踏み込むと空いたスペースにパイルが飛ぶ、それを敵、いや黒いやつは切り払い処理するのだが隙ができ、ヒートスティックを構えることに成功する。

「敵機と戦闘開始」

 そう叫ぶが帰ってくる声はひとつだけだ。もう1人は返す余裕もないのか、それとも死んだかわからない。精神的に落ち着きたいので返す余裕もない方だと思っておく、慌てていて勝てる相手ではない。それくらい鋭くヒートスティックを振ってくる。たまに飛んでくるフェザーの支援も切り払い、避け、それでもなお距離を離すことはなく、むしろ押している。

「2対1で」

 そう2対1なのだ、こちらの方はいくら機体が不調でも数の上では勝っている。なのだがその差も感じさせないくらい圧倒的に敵は押してくる。

「くそっ」

 敵の攻撃が受け止めきれなくなる、ヒートスティックの消耗率も高い、こいつは熱した金属で切り裂く武器のために打ち合えないことはないのだが、ぶつかり合えばぶつかり合うほど元となる金属や熱を発生させる装置、それに持っている腕を損傷させ、どんどんと状態が悪くなっていく。だがそんな敵も戦闘を続ければ続けるほど焦りが見えてくる。それが見えたのは何度も打ち合っていたからかもしれないが、無理にでもコックピットを狙ってくるのだ。

『リロード』

「どれくらい」

『20秒』

 でなければ、援護がなくなった瞬間に死んでいたかもしれないのだがコックピットを狙ってくるとわかっているので。

「またかよ」

 防げる。

「はぁはぁはぁはぁ」

 だがコックピットを狙われる恐怖が体力を奪う、汗をかいているのがわかる。

『リロード完了』

「正確に狙ってくれ、もうもたない」

『了解』

 だが援護があっても、押し切れない。もはや俺と敵、どちらかの体力がつきて操作をミスった方が死ぬと言うところであってほしい。

「こんなところじゃ死ねない」

 そう呟きながらヒートスティックを振る、もはや勘だ。だが完璧に弾く、弾いている。だがそれでも体力は奪われ、機体の状態は悪くなっていく。だから避けられない。

『っだめ』

 コックピットまで伸びかけていたヒートスティックが脇にそれる。仕切り直しとなった。

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