滑走路 sideN
「でだ」
「まだ5人ですね」
「優秀なのか、手を抜いてるのか」
『すいません、ナイン騎士』
『お姉ちゃんが誤ることないよ、逃げるあいつらとこんな命令だしたナインが悪いんだよ』
手を抜いてるわけはなさそうなので、たぶん優秀なのだろう。
「おいおい、まあけど優秀なら優秀でいいか」
『ですがなぜ滑走路に』
「追加物資として俺のknightが来るらしい」
要するに専用機だ。一般パイロットが搭乗するarmyより性能がよく、カスタムもしやすいのだが、生産性と整備性を度外視した高性能機だ。
「けど遅いな」
「そうですね」
『もう少し頑張ってきます、902出ます』
『あっ待ってよお姉ちゃん』
そう言って補給に戻った2人は出撃していった。と言っても歩いて正門からでていっただけだが。
「はぁ、遅いなぁ」
「そうだよね、はぁあせっかく早く仕事終わらせたのに」
「さすが戦車好き」
「かっこいいですよねぇあれ、騎士仕様のknightだと関節部のパーツはもちろんのこと、装甲1枚1枚手作業で作り組立、通常のarmyの10倍以上のコストがかかってるんですよね」
「むだだよな」
「それにknightだけは接近使用武器はチェーンソーじゃなくてこれまた手作業品の剣ですからね」
「普通にチェーンソーかヒートスティックのほうが使いやすい」
「夢がないよね、ナインは」
「夢で生きられるなら、最高なんだけどね」
『輸送機そろそろみたいっすよ』
「了解、管制します」
チバが管制を始めるのを横目に、滑走路から離れ着陸できるように場所を作る。空に黒い点が1つ、それがだんだんと大きくなる。輸送機だ。
「やっと来たか」
滑走路に着陸する。うしろが開き、寝かせられた白い機体が1機に武器が大量に積まれていた。
「ナイン騎士ですね」
「ああ」
「持ってきました、あなた様のknightと希望された武器です」
中に入る。
「knightはどちらかといえば射撃寄りのカスタムで、お持ちした武器は大型キャノンが2門にパイルガンが10丁です、こちらにサインを」
「わかった」
渡されたクリップボードにナインとサインをする。
「ありがとうございます」
「ナイン運んでおくっす」
「頼んだ」
いつの間にか、中に入っていたサトウに運ぶよう頼むと、すぐに輸送機から機体と武器を積んだキャリアーが下りてくる。そしてそれが格納庫に運ばれると同じくらいに輸送機が飛び立っていった。
「後は待つだけか」