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脱出戦5 sideN

 自走砲、簡単にいってしまえばただただ榴弾と呼ばれる爆発する砲弾を遠くに飛ばすための筒と移動するためのキャタピラを組み合わせただけの兵器だ。knight、いや量産機であるarmyでさえ直撃さえしなければやられることはなく、近づけばそもそも装甲すら持たない自走砲に勝ち目はない。そう勝ち目がないのだ。

「地形を変える気かよ」

『ポイント指定』

『了解お姉ちゃん』

『フッよく反撃するな、だかな』

 俺1人殺すためにどれだけの兵が集められたのだろうか、榴弾が文字通り雨、むしろどしゃ降り、いやそれ以上かもしれない。多分はたから見れば局地豪雨ぐらい、の勢いで降り注ぐ。降り注いでいて、一般兵である俺なんて避ける、いや生きるだけでも手一杯なのに他の12人はこの中でも戦闘を行うつもりのようだ。

「なんなんだよこれ」

『751回避方法転送します』

『えっなにナイン回避するだけで手一杯なの』

「手一杯だよ」

 そう叫ぶので手一杯だ、と言うか本当になんなんだろうかこんな中で戦えるメンバーは。そんなことを思っていると敵機が突入してくる、砲弾の雨はやまないのに。

「変態かよ」

 マントつきではないその敵機の攻撃を避ける。交差は一瞬、止まって戦う余裕はない。止まれば砲弾が直撃する。そうしたら後はなぶり殺しか蒸し焼きだ。だが見逃してやるつもりもなく射撃管制システムを信じパイルガンを撃つ。

『ちっ騎士の癖に射撃武器など』

「くそっ、756敵自走砲は」

 ソノダに呼び掛ける。

『お姉ちゃんが送ってくれたポイントには全弾叩き込んでる』

「752」

『すいません、敵4機に囲まれてしまっています。マントつきはなし』

『お姉ちゃんポイント』

『今送ります』

 マップに新たな光点が動き回る。

『っ』

 その光点がソノダが砲弾を放つと時間差をおいて消える。

「曲射で狙い撃てるのか」

『あいつらですら時間稼ぎにしかならんか』

「いやいやいやいやいや」

『ならば私が直々に』

 砲弾を、敵機を避ける。避け続ける。榴弾の爆発が機体を焦がす。だが直撃はまだない。

『マントつきがそちらに』

『これで最後、お姉ちゃん』

『手を下してやろうか、ナインーーーーーーーー』

「うっせぇぇぇぇ」

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