説教 sideN
「それであれはどういったことなんですかね、ナカイ特務少尉」
「いえそれはですね」
何も作戦を思いつけなかった、フランカを追い出し、仕事時間を泣く泣く手に入れてしまった俺は、なぜか説教を受けていた。
「聞き直すけどナカイ特務少尉」
「もう特務少尉ではないのですが」
「だまれ」
「はい」
仕事もほっぽりだし、正座させられ、上官から説教を受けている。
「それで特務少尉」
「死んだわけだし俺って今二階級特進して大尉なんじゃ」
「そうですか、軍法会議にかけられ、戦死ではなく、処刑という形でむしろ降格させられた曹長」
「ははっそれで何のご用でしょうかソノダ中尉」
そうソノダ中尉、またの名をロノに説教を受けてしまっている。
「私はとある筋からあなた方の戦いを知りました、でその中で大規模戦であった奇襲作戦中、あなたは、あなたは」
怒りで手が震えている。
「なんでお姉ちゃんのこと危険にさらしてんのよ、バカなの、ねえバカなのあんた」
「いえそれは」
「それになにあの戦い、お姉ちゃんと一緒に機体に乗り込んで、ずるいじゃない私にもやらせなさいよ」
「あの」
「いえあなたの言い訳は聞きませんよ、あなたが言っていいのは、私にお姉ちゃんと同じ機体に乗って戦っていいというだけです」
「それはその」
「何ナカイあなたばっかり独占してずるいじゃない、私なんてお姉ちゃんを遠くから援護してただけなのに、ねぇふざけないでよ」
「いや、うぐぅ」
胸ぐらをつかまれる、見た目は少女なのだが力は強い。
「ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな」
「うぐぅ、うぅぅぅ」
首が閉まり声が出ない。
「私にはお姉ちゃんしかいないんだ、だからそれを」
彼女はたしか、薬とかで強化したらしい強化人間らしい。らしいがつくのは詳細なんか知らされていないし、聞く気もない。それが依存の対象として選んだのはトワだ。詳細は省くが命の危機的状況から救われたかららしい。そっちも彼女から聞いていない。正直に言うと興味がない。そんなことを考えているうちに酸素が奪われ、めまいがしてくる。いや視界が暗くなっていく。軍隊に入った以上死ぬ危険は理解していたし、その危機にさらされてもいたが、こんなしょうもなさすぎる理由で死ぬとは、いや正式な志望理由の国家反逆罪での処刑もあり得ないが。
「隊長」
誰かが飛び込んでくる。
「お姉ちゃん」
「離しなさい」
「はい」
力が緩む、新鮮な空気を取り込んでいく。
「ぜはぁーぜはぁー」
「なにやってるんですか」
「けどお姉ちゃんこいつ」
「こいつってナカイ隊長を」
「けどけど」
ある程度落ち着くと、長身のお姉さんが少女を叱っている様子が見えた、顔は似ていないが。まあそれはいいとして。
「仕事に戻るか」




