初陣4 sideN
「はぁ」
給料に関してのことを、今日撃破に成功したフェザーにし終わった後ため息をつく。
「ナイン騎士どうしましたか」
「いや給料とか遺書とか本当どうなるんだろうなぁって」
そうなのだ、給料はまだしも遺書が問題だ。遺書の受け取り手がいない。いやいるにはいるがさすがに遺書が2通になるのはある意味すごいことだろうし、そもそも死んでいる者から2通目が届くなんてありえなさすぎるし。と言うか1通目の遺書だってナカイの名がこれだけ売れれば。
「あれそう言えば遺書に何書いてたっけ」
ふと不安になる、ナカイの生涯、いや生きてるのだが、が本となり、映画となり、どちらも人気を博し、革命軍の旗印としても使われるほどの有名人が残した、遺書だ。
「内容公開されるとか…………うわぁ」
「どうしましたかナイン騎士」
「いやちょっとした、いやかなり絶望的なこと思い出して、でロワは何でここに」
「はっ、それがフランカ臨時総司令からナイン騎士を呼び出すように頼まれまして」
「いや、なにその肩書き」
いや、まぁ、中身を考えればそれ以上の肩書になるし、別に授ける側の人なので問題はないのだろうが違和感しかない。外面だけ考えれば最短での総司令任命であり、階級を駆け上がり具合でも世界一だろう。
「シルビア女王に授かったらしく、正式なものだそうです。ですが事情を知らぬ者には適用しない階級でもあるそうです」
「……………はぁわかった今いく場所は」
「それが」
「ここなのじゃ」
そう言って扉が開かれる、そこにいるのは話題に上がっていたフランカ臨時総司令と御付のメイドマーヤさんだ。
「ナインこの部屋を明け渡すのじゃ」
「いや、別にかまいませんが」
そういう事らしい、まぁこっちは現場指揮官なだけの騎士であるのに対し向こうは妙な肩書をしているが一応正式な手続きをしたうえで、すべての騎士の上に立つ総司令だ。もっとも今の今まではこの肩書に該当する存在はなくシルビア女王陛下が担当しており、細やかなところは騎士たちの相談によって成り立っていたのでいなかったが、ここにきて必要と判断したのだろう。たぶん。そんなことを考えながら資料をまとめる、いやそもそも。
「ならばこの基地運営も任せてよろしいでしょうか臨時総司令殿」
「はへぇなのじゃ」
「いえ事務方がいなく私が担当者だったので引き継ぎを」
「そういう事ですフランカさん、総司令になったところで仕事がなくなることはないです」
「総司令は勉強が嫌で………わかりました、後で掃除来るのでこの部屋にあるものすべて引き渡します、よろしくお願いしますねフランカ臨時総司令」
嫌味たっぷりに言ってやる、普通にやったら問題だろうが、今はこれくらいはいいだろう。
「ううっごめんなさいなのじゃ、手伝ってくださいなのじゃ」
「ロワ手伝って、はぁ、じゃ仕事しましょか」




