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騎士 sideN

『応答せよ』

 そう通信が入ったのは基地に帰還し、訓練の一時中止を命令した後だ。

「はっ」

『ナインか』

『私もおりますクレア騎士』

『ライラ』

 そう言って通信を入れてきたのは7人の騎士、全員女性なのだが腕は1級品のエース集団かつ部隊長だ。第1騎士クレア、第2騎士ライラ、第3騎士ベラ、第4騎士アーリー、第5騎士マリー、第6騎士マリア、第7騎士カミラであり、さらにそこに第8騎士ナカイ、第9騎士ナインと続く。今回は音声だけだ。

『報告は』

『はっ、本土防衛担当のベラです、本日未明ナカイ騎士団を名乗る戦闘集団が襲撃私とアーリーとで迎撃を行い、防衛に成功しましたが追撃は不可能です』

『アーリーです、追加の発言をしても』

『許可する』

『敵の装備は旧帝国、旧共和国、そして我々王国のarmyが混成部隊を組んでいました。また敵の練度もまちまちですが数は多くいます』

『次に旧国境担当の、マリーですが負傷のため代理としてケネットが発言させていただきます。国境付近では大多数の部隊を確認戦闘を行ったのですが、敵出現した場所が国内部も含め、全方位より襲撃されました』

『マリアの方もですか』

『はい』

『私の方にも来ました』

『あたいの方にも来たぜ』

「私の方にも来ました」

 つまりは一斉に襲われたのだ、しかも数の差は大きくかつ騎士を倒せるほど練度が高い。

『一つ聞きたいのですがナイン、貴方関与は』

「しておりません」

『クレア騎士、この者は』

『あいつはしねぇよ』

『ですが顔も見たことないものを』

『しませんね』

『新人は黙っていなさい』

『言っておきますがナインが加わったことで私新人では』

『新人は新人よ』

『そう、そんなことよりもシルビア女王は』

『それが王城にはいないのです』

 そんな話の中通信室にシルビア女王が入ってくる。

「ナインどうなっているのじゃ」

「騎士が襲われております」

「騎士が、みな無事かや」

「マリー第5騎士が負傷しましたが、みな無事です」

「マリーが、のうナインどうすればいいのかや」

「えっと」

 本音を言うと王城に戻ってほしいのだが。

『ですがマージメイド長がついておられるので無事かと』

「妾を探しているのかや」

『シルビア女王陛下』

 急にシルビア女王が通信を入れる。

『ナイン、女王陛下はそこに』

「ええ、まぁ」

『そうか、無事なのだな』

「無事ですね」

『アーリー輸送機は』

『無理です、奴ら滑走路を中心破壊していったので』

『ならほかの基地に』

「のうのうナイン、クレアたちは何を話しているのじゃ」

「なにって、シルビア女王の安全を守ろうとしているのです」

「ここは安全じゃないのじゃ」

「今は安全ですが、敵の規模は不明、兵力は私も含めパイロット3人に、後方要員は2人。結構危険です」

「けど敵は妾がここにいるのは知らないのじゃろう」

 そうつぶやいたかと思うと、シルビア女王がマイクをとる。

「クレア第1騎士よ聞いておるのじゃ」

『なんでしょう、只今より輸送機を』

「妾、いやシルビア女王の位置が分からないのなら信頼されていないナイン騎士のもとにいた方が安全なのじゃ」

『それは』

「じゃからのう妾はフランカとしてそこにいるのじゃ」

『フランカ…』

「妾の偽名なのじゃ、以上敵に情報が漏れないようにここに輸送機ならびに兵員を派遣するのを禁止するのじゃ、通信終了」

 そう言って通信機の電源が落ちる。

「ナイン、シルビア女王より勅命を下すのじゃ」

「はっ」

 これは断れない

「この戦いが終わるまで、この場にて妾を守るのじゃ、そのためにここにある全てのものの使用を許可するのじゃ」

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