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異変 sideN

今日2話目です

 たった1機のarmyが進む、メインカメラに光はなく、両手を動かす様子もない。

「一応隠密行動だがいるのかこれ」

 できる限りの可動部を減らすことで消音性を高め、メインカメラのアクティブカメラを使わない行動だ。アクティブカメラと言うのは、簡単に言えばこちらから赤外線などをだし、その反射を受け取ることでターゲットをロックオンしたり、距離を測ったりする。反対の意味としてはパシティブカメラがあり、こちらは外からの映像を取り込むだけだ。もっと簡単に言えばアクティブはメジャーを使った距離を測り、パシティブは目分量で距離を測るといったようなことだ。

『何が起こるかわからないので』

「そっちの様子は」

『いつも通り訓練中です』

「わかった」

 さらに付け足すとアクティブカメラを使用することでロックオンするのだが、赤外線を照射したことを受け取ると機体にアラームが鳴る。ついでに言うと訓練中もこのシステムを使って行う。さらに言うなら、スナイパー用の機体にはアクティブカメラよりパシティブカメラが優秀で、敵に情報を与えず倒すことを可能にしている。

「けどまあスナイパー機じゃないしな」

 何が言いたいかと言うと。

「歩きにくいんだよな」

 モニターに表示されている情報が少なく歩きにくいと言う事だ。モニターだけの映像では歩きにくく、自動制御もしにくい、何と言えばいいか片目をふさがれて、距離感が分からなくされたうえで歩いているようなものだろうか。

「レーダーに変化は」

『何も』

『ナイン騎士長異常は』

「ロワ何もないよ、訓練頑張ってくれ」

『了解』

 それだけを伝えると、機体を前に進める。

「んっ」

 違和感、いや異変。なんだかよくわからないものが支配し始める。その異変を避けるように横に飛ぶ。機体を止める違和感は解けない。まるで何かに付きまとわれているような感じがする。

「エム」

『異変なしですがどうかした』

「いやいい」

 気配を探るなんて無理だし、殺気を探ることもできない、こっちとらただの人なのだ。だが違和感は止まらない。アクティブカメラを作動させようと手が伸びる。

「いや」

 これはだめだ、あったところで何も変わらない。敵はスナイパーだろう、パシティブカメラだけなので射線が分からない。わかったところで1機で対応しなければならない、その前にロックオンされ即死だ。久々に戦場にいるような気がする。まぁ敵がいればとするならなのだが。

「気のせいか」

 そう言ってしまえばそれで終わりなのだが、違和感は抜けない。なんなんだこの感覚は。

『優秀な学生だな』

 そんな通信と共にジャミングが行われる。

『ナ…………………………………』

『悪いね学生さん』

 通信不能、援軍は呼べない。違和感に気づいてきてくれるかもしれないが。ジャミングの規模が分からないが小規模かつ短時間、ランダムでかけられているのなら通信機の故障と疑われることが考えられる。つまり助けに来てくれるのは5分5分だ。

『751どうしたんだ』

『754いや優秀そうな学生がいたのでな勧誘だ』

『ふっそうか、早くしろよ』

『わかっている』

 751、754多分コールサインだ、何かの作戦中なのか。それよりもそのコールサインの方が気になる。もともと使っていたコールサインなのだ。

『あそこの基地にいるのは、ほぼ学生だ、君も学生なのだろう。学生でも軍人であるからためらいなく撃つつもりだったが、君は優秀そうだ。こちらのスナイパーに気づき、死の恐怖に負けず隠れた。我々は君をスカウトしたいどうだろう』

 意味が分からないし、学生でもない。

『何も言わないがが続けさせてもらう、我々が君をスカウトしたいのは、あのナカイ名誉騎士の遺志を継ぎ、民を救うために立ち上がった、ナカイ騎士団なのだよ』

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