強襲訓練報告 sideN
「おいっなんだよこれは、なんなんだよ」
指令室にトワとソノダの2人を集め先ほどまで行われていた強襲訓練についての映像を見ながら叫ぶ。
「これはその」
「これナカイが」
「強襲班は新兵器である大型パイルキャノンで全滅、防衛側はたった1機による襲撃で全滅。訓練にならないぞ」
映像ではたった1機のarmyに翻弄され撃破されていく映像だ。学生は遊ばれるように撃破されていき最後には肩に新兵器であるパイルキャノンを背負った機体が撃破されることで作戦は終わった。戦績としては強襲側の勝利なのだろうが、訓練としては最低だった。
「なら手ださせなきゃよかったじゃん」
「学生どうしてやらせても、この戦績以上の変化は出ないだろ。つーか上の指示とはいえ成績ごとに班分けさせんなよ。まぁ文句はいいとして少しは刺激を与えるために手を出させたのにお前が全滅させたら意味ないだろう」
「それは」
「ナカイが全力で行けって」
「全力で行っても限度があるだろう、限度が」
「すいません」
「お姉ちゃんこんな奴に謝る必要ないよ」
「あるよ、一応今は俺が上官」
「なによ万年少尉が」
「万年つっても少しの期間」
「言い間違えた永年少尉」
「戦死したからしかたないけどさぁ、と言うかなんであれ持ち出したのさ」
「キャノン、あれは」
「試験するように言われてるけど、まさか」
「そ、実戦試験、テストしてみたけど射程は広いんだけど、長距離と近距離での使い分けが難しいし、あれ以外の武装も積みにくいし、単独だと」
「今聞いてねぇよ、後でレポートあげとけよ」
「えぇ~」
そんなこんなで話を。
「ですがナイン騎士、今回の件の中でサイと呼ばれる学生に関してなのですが」
「サイか」
確か彼は第4小隊隊長であったはずだ。
「何かあったのか」
「いえ彼なのですが全力戦闘を望んでいたのですが」
「全力戦闘を、と言うかそれだけであんな戦闘を」
「はいなので、今はまだ駄目ですが彼は伸びるのでは」
「まぁそうかもしれないが、それは今は関係ないだろう」
「そうです、申し訳ありません」
「まぁわかったんならいいんだが、これからは手を抜くように」
「了解」
「りょうかい」
「後は下がっていいぞ」
そう言って話を終わらせ、2人を下がらせる。
「とは言ったが、手を抜いて訓練ってどうやってさせればいいんだよ」
問題はそれだった、手を抜いての訓練とはそもそもなんなんだろうか。どうやれば手を抜いて訓練できるんだろうか。というか。
「この報告書どうすればいいんだが」
今回の訓練の報告書や、フランカを預かっていることに対する不満なども来ており、今日も仕事だらけであった。




