新兵 sideS
「…………………………………意味が分からないことかもしれないが、追加の兵員だ」
警備の任務が終わった、次の日全員集められナイン騎士がまた俺らの前に立ち、話をしている。話をしているのだが仮面の上からわかるほどに汗をかいている。と言うか俺たちも汗をかいている。むしろ背筋が伸び、体中が固くなっている。
「新兵のフランカだ彼女には指揮官過程の訓練を行ってもらう」
そういって紹介されたのは、シルビア女王、いやフランカ様だ。
「あ、あの」
アンドレアスが声を出す。
「どうしたアンドレアス、新兵に関しての質問は受け付けないぞ」
「あっはい」
だが、黙る。と言うより黙らせられる。
「意味が分からないかもしれないが、訓練に戻ってくれ」
そうして解散した、そのシ、フランカはナイン騎士についていくように室内に戻って行った。クラスメイト達も意味が分からないという顔をしながら戻っていく。俺は一応自由時間ではあったが、訓練するためにシュミレーターの方に歩いていく。着いてきたのはアンドレアスだけだった。
「はあぁなんなんだよ」
「なにがだよ」
「女王陛下が来るかふつう」
「そうだよな、来るわけないよな」
普通来るわけがない。来るとしても王女時代からの騎士団である第1から第7までならわかるのだが、新設されたこの第9騎士団に来るわけがない。と言うよりどの騎士団に来るとしても護衛がついているはずだった。そんなことを考えているうちにシュミレーターのもとへとたどり着く。
「まあいいとして戦闘訓練って言っても何するんだいつも通り」
「ああナカイ戦記モードで頼む」
ほかのシュミレーターは知らないがこの国のシュミレーターにはナカイの戦闘をすべて再現できるモードが存在している。習ったところによるととあるルートより情報を入手して再現したらしいのだが、1番彼のことに迫った本より深いところまで再現しており、難易度が高いが、ナカイファンとしてはやるべきであった。
『よしじゃあやるが、初めからでいいよな』
「ああ」
シュミレーターの中はほぼ実機と同じように作られており、モニターを起動し、シートにベルトで体を固定する。
『機体はいいとして、武装はパイルガンとヒートスティックでいいか』
「ああ」
『よしじゃあ行くぞ』
そう言うとモニターが切り替わる、どこかの市街地だ。
『751上だ』
このシュミレーター中は自機を751と呼ばれることになる。
「了解」
シュミレーター訓練を開始した。