最終決戦4 sideS
エースではなく、学生と言うことを実感する。ナカイ騎士たちはこの敵の中を躊躇わず切り進むなか、俺たち2人は数に押され、ただただ流されていくだけであった。
「くそっ数が違いすぎる」
『サイ更に追加だ』
「今何機だよアンドレアス」
『えっと』
「聞きたくない、フェザーは」
『数が多くて』
無線では無駄に陽気な音楽がかかるなか俺たちは必死に戦、いや逃げ回っていた。
『学生、足止めないでよ死んだら私が怒られるじゃない』
「足を止めるなと言われましてもっ」
ロノさんは足を止めるなと言うのだが、そうすると射撃は当たりにくくなるし、格闘戦は一太刀で仕留められないので速度が落ちる。そこのところはどうしたらいいのかと聞くと。
『さぁ経験かな』
「今どうにかなるかっ」
『数がまた』
『おい死ぬんじゃないぞ』
『友軍到着降下並び砲撃支援させていきます』
空から味方や砲弾が落ちてくる。それで敵の動きが鈍ると言うのだが、違いがわからない。むしろ味方の砲撃で死にそうだ。
『ああっもう下がってなさい、邪魔なのよ邪魔』
どこにいるのかわからないロノさんがそう言う、言われることは正しい、耐えるので必死でなにもできていない、だがどうやれば後退出来るのだろうか。
『後退ルートはえっと』
『出します』
『サイこっあっ』
フェザーの声が途切れる。フェザー機の方を見る、彼女の機体は腕を切り落とされ武器はもうなく。
「フェザーっ」
まだ追撃を食らい今度は足を。ダメだダメだダメだ。時間が遅く感じる、自分のことは気にせずフェザー機を狙う機体を。ダメだ弾切れだ、その事を認識するのと同時にパイルガンを捨て、飛び出した。