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格差恋情  作者: 桜華
10/16

対策会議-導入-

「ばれやすいのは、どこかな」

「学校は完全にアウト、でしょ。正直、生徒会室も危ないと思うわ。まあ、毎回生徒会室の出入をチェックするぐらいになると、ストーカー入っているから、なにしてもダメな気はするけど」

「うーん、宏樹と玲香にたまにいてもらうかな」

「宏樹って?」

「ああ、里中のこと。名前知らなかったの?」

「うん、玲香はいつも名字で呼んでるし。初めて知った。みんなで勉強する日を作る?」

「玲香が勉強?あいつ、一般入試?」

「うん」

「その割にはあまり勉強してないな…」

「……まあ、優先順位の高い他の用事があるみたいだし。あ、私はまっとうな受験生ですから」

「知ってる。最近サッカーの練習見に来ないよね」

「あ~、玲香が後藤君と別れちゃったからねぇ」

「…ついでだったんだ」

「あ、いや、そういうわけでもなかったんだけど・・・。でも一人で行く勇気は、ない…ごめんなさい」

「……部活もNGか…、玲香の次の彼氏に期待だな」

「次のって…」

「じゃあお昼は?どこか誰も来なそうなところ…」

「櫂くんが教室で食べなくなったら、学校中の女子が探すと思う。正直その捜査網から逃れることのできる場所はないと思うよ」

「……」

「登下校もダメだね。まあ、もともと自転車と電車だしね」

「……土日のデートは、」

「誰にも見つからないスポットで現地待ち合わせ以外にはないかなぁ。結構みんな行動範囲広いしね。あんまり出歩かないから、どこで会ったらいいかわからないなぁ。王道デートスポットは他のカップルの目撃情報、玲香から聞くしね」

「…考えとく」

「・・・大丈夫?こうしてみると結構制約多くて、面倒になっちゃうんじゃない?」

「いや、大丈夫。他からチャチャ入るほうがよっぽどキツイ状態になりそうな気がするし」

「そっかぁ。それもそうだね」

「まあ、いろいろ状況見て、対応していけばいいと思ってるんだけど」

「そうだね、どうなるか全然わかんないもんね」

「うん、まあお付き合いをスタートするってことが一番肝心だから」

「・・・ありがと」

「ううん、こちらこそ、これからよろしくね」

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