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第1話:「ロン、国士無双13面待ち」
「ロン、国士無双13面待ち」
この勝負もらった――!
私の名前はシノ。
今、このよく訳のわからない地下の麻雀施設で、なぜか趣味の悪いフリフリのゴスロリ衣装なんて着せられながら、麻雀を打たされている。
「フフフ、よく見てみなお嬢ちゃん」
向かいの席に座る男が、嫌らしい笑みを浮かべながら私の捨て牌を指さした。
「え?」
促されるまま自分の河に目を向けて、私の血の気が一気に引いた。
さっきまで確実に「南家が捨てた2萬」だったはずの牌が、いつの間にか「1萬」にすり替わっている。
つまり国士無双13面待ちの当たり牌、これでは完全にフリテンだ。
アガリなんて成立するわけがない。
「そう、見事なフリテンだ。お前の負けだよ」
男の嘲笑と、周囲のVIP客たちの冷ややかな視線が突き刺さる。
……いったい、いつの間に?
誰も触っていないはずの刹那、牌が勝手に書き換わった。
これがグロウ・グローバル・グループ(GGG)という組織のやり方か。
納得いかない、ふざけたイカサマだ。
だが、この最悪な結末に至るまでの経緯を語るには、もう少しだけ時間を巻き戻さなければならない。 すべては、あの退屈で平和すぎる日常の裏側から、静かに始まっていたのだ――。




