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水色のベルと緑色のベル  作者: 朱井笑美


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エリオット談です。2話予定です。

誤字脱字報告ありがとうございます。

 筆頭侯爵家から婿入りし、小侯爵となったエリオットは少し想定外の結果に驚いている。

 でもそれは良い方の誤算だ。

 元々、自分の補佐官だった伯爵家次男の事は、自分の後任として外交官になっても大丈夫だろうと能力を認めていた。

 多少、女性関係が華やかであっても羽目は外さないし、簡単に気を許さない用心深さもあって信頼していた。

 だから、ララベルを任せても大丈夫だろうと思っていた。ただ彼がララのことを本気で好きになるには、まだ彼女は若いし物足りない存在であるだろうなとは思っていた。


 しかし、まさか彼が本気になるとは。

 やはり“緑色のベル”だからなのだろうか?


 まあ実際、自分が狙った相手もララより年下であったのだ。

 人の事を言えないな。


 エリオットが一番、驚いたのはララベルの能力と適応力の高さだった。

 ララベルは他の兄妹達と違って苦手なものを避け、逃げる癖があった。しかし結婚後、短期間で身に付けた語学や教養には目を見張るものがある。

 そしてララが一番、兄妹の中で柔軟で対人関係に秀でていた。


 今回、南の隣国でいち早く、あちらの貴族に馴染み、溶け込んで我が国の王女の婚姻に結び付けたのはララの功績が大きい。

 しかも、あちらの王女もララベルを気に入って離さないのだ。


 子爵家の5人兄妹は元々、容姿以外も非凡な兄妹であった。

 それは父が自分達と同じ教師を送り込んだ事だけではないと感じていた。

 長男のベルトルトは学院の成績も常に5本の指の中に入り、一度学んだ事は直ぐ身に付ける器用さがあり、王太子も彼を重宝していた。

 マリベルは言うまでもないが、3番目のベルナルドは兄の息子の補佐の為に引き取られたはずだが、いつの間にか優秀な教師陣を付けられ侯爵となった兄の補佐官になっている。

 彼は学院に入学しなかったが、18歳で南に嫁いだ王女とは一つ違いだ。もし学院で2人が出会っていたら王女は南に嫁いだか分からないなとエリオットは思う。


 元第一王子はマリベルに早いうちから執心しているし、第三王子はリリベルを側近にしたと聞いている。

 つまり兄妹と接触の無かった王女を除き、王家の子女全員が子爵家子女に魅了されたと言っていいだろう。

 自分も次兄も彼らとは従姉妹で良かったなと正直思う。彼らを赤ん坊の頃から見ているから、ほぼ兄妹や家族として捉えているが、そうでなければ…うん。もう考えるのはよそう。


 とりあえずは自分の事だな。

 妻は妊娠が判ったばかりだ。次兄のところはまだしも、ルトに先を越されるとは思わなかったな。

 まあ自分の結婚が遅かったんだけど。


 外務大臣のご令嬢は、ちょっと気の強そうな感じの可愛いご令嬢だった。

 初めて会った時、きっと良い関係を築けそうだと思ったが、彼女は自分を気に入ってくれるだろうか?

 かなり年上だしオジサンは嫌だとか言われないかな?

と初めて女性に対して自分がどう思われるか気を回したなと思い返した。


 大臣の後妻は、どう出るか?と色々考えたが、驚くほど恭順し大人しかった。

 それはビアンカも驚くほどだった。

 恐らくビアンカの婚約者に僕が決まったと聞いて全てを察し、覚悟を決めた感じなのだろう。

 何か裏で画策している様子も無かった。

 ビアンカも後妻と戦うつもりでいたから拍子抜けしていたが、それは大臣も同じだった。

 しばらく様子を見ていたが、今も息子をしっかり教育し大人しくしている。


 ある日、ビアンカは覚悟を決めて、継母に歩み寄ったみたいだ。

 継母は、かつて王弟殿下の婚約者候補として声がかかっていたらしい。

 他にもライバルはいたが、時間をかけ殿下とも良い雰囲気になっていると感じていた時、殿下が聖女様に恋をしてしまったのだ。

いつもご覧頂きありがとうございます。

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