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 昼食後、聖女候補と侍女に別れて今後の説明を受ける前に、聖騎士様方のご紹介があった。聖騎士様は聖女候補1名に対して毎日1名護衛として付いてくれる。

 もちろん侍女には付かない。8人の聖騎士様方がローテーションで付いて下さるそうで、今日は最初の6名が紹介された。


 聖騎士様も近衛や王宮の騎士団、貴族の騎士団に所属する騎士様も元は同じ騎士学校を卒業された方だ。なので就職先の違いと言ってしまえばそれまでだ。

 ちなみに子爵家の騎士様は侯爵家から派遣して頂いているのと、領地から募った兵士だ。侯爵家の騎士もなかなかのステイタスだとは思うけど、さすがに神殿の聖騎士団は国で1番難関の就職先で、超エリート集団と言っても過言ではない。

 毎年、採用が1桁台なのだ。そして聖女様や大神官様方を護衛するとあって、とても信心深く、見た目もスマートで清廉な方が多い。

 そんな方々が神殿の真っ白な騎士服を着てらっしゃるのだ。

それはそれは見るだけで眼福というのも頷ける。聖騎士様は結婚もできる。なんと6人のうち4人は既婚者だった。


 なぜ分かったのかというと、聖騎士様は人気過ぎて貴族名鑑のような絵姿集のような名鑑がある。毎年、最新刊が出て簡単なプロフィールも紹介されている。

 人気の聖騎士様の結婚ともなれば、新聞にも記事が出ることもあるのだ。聖女候補の一部と侍女達に失意の空気が広がる。やはり聖騎士様狙いもあったのね。


 聖女教育がスタートしてココット様と私達ペアはとても順調だったのだが、わずか2週間程で問題が起こった。どうも侯爵令嬢のお1人の侍女が平民だったのが問題だったようだ。平民の侍女は貴族のしかも高位貴族の生活もマナーも全く知らないのだし想像もできないのは仕方がないことなのだが、侯爵令嬢の聖女候補であるビアンカ様は大層なご立腹ぶりで神殿側に文句を言ったのだ。


 本来ならばビアンカ様も平民の侍女に寄り添ってお互いに歩み寄るべきなのだが、きっと、そこも聖女候補として見られるところのはずだけど、どうも、そういうレベルではなく、お互いの価値観が違ってしまっているらしい。

「これでも2週間頑張ったのよ!」と完璧スマイルを剥がして怒っている様子は「確かに侯爵令嬢と平民だもんなぁ」とマリベルも気持ちが分からなくもない。


 そこで侍女の改変が行われたのだ。実はよくあることなんだと神官様が仰る。もちろん言い出したビアンカ様には減点付きだ。しかし納得がいかない。

 なんとマリベルがビアンカ様の侍女にされてしまったのだ。

しかも、ただの交換ではなく公爵令嬢のソフィーナ様付きの侍女の

男爵令嬢ユリアさんがココット様の侍女に、ビアンカ様付きだった平民侍女のアンナさんは、なんと公爵令嬢のソフィーナ様付きの侍女になったのだ。

 ビアンカ様が持て余したアンナさんを、更に高位貴族のソフィーナ様に付けるの?皆が驚く中、ソフィーナ様は鉄壁の笑顔で了承されておられた。私も含めて今後一体どうなることやら。


 あれからまた1週間が過ぎた。とりあえず何事もなく平穏に過ぎている。私とビアンカ様も上手くやっている。ビアンカ様曰くアンナさんは、平民とか以前の問題で、やはり聖騎士様目当てで気持ちが前面に出てしまったらしく、特に既婚と未婚の聖騎士様への対応が激しく違ったそうだ。


 しかも聖騎士様を追っかけたり、その間ビアンカ様の補佐をサボったりと、聞いてると、そりゃビアンカ様じゃなくても怒るわと思った。感情の制御を学ばない平民の侍女だからとビアンカ様も最初は優しく指摘していたそうだが、アンナさんは「貴族というだけで聖女候補になれていいですね」と反論したそうだ。アンナさんのご実家もココット様に匹敵するお金持ちらしい。

 

 やはり多額の寄付金組か。女神様、私はお金はありませんが、

 その分信仰心はたっぷりありますよ。



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