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水色のベルと緑色のベル  作者: 朱井笑美


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ララベルと伯爵次男とのお話です。5話程の予定です。

 「補佐官様、今日届いたお手紙です」

 「どうもありがとう」俺は領事館に勤めるこの国の侍従から手紙の束を受け取って礼を言う。

 そして早速、俺のデスクで手紙を選り分けるのだが、やはり今日も侯爵令息で俺の上司、外交官殿宛てのファンレターがほとんどだ。時々俺のもあるけど。


 しかし、また王女殿下のお手紙もある。あの方も懲りないな。外交官殿は全くその気がないのだが、社交辞令を真に受けているんじゃなかろうか?さすがに王女殿下からの手紙には返事が要る。返事が要るもの以外は全てゴミ箱行きだ。


 学院時代は俺もかなりモテていたが、さすがに外交官殿には敵わない。まあ筆頭侯爵家の令息だしな。

 だが彼の社交はかなり学ぶべきものがある。俺は上司の事をあらゆる面で真剣に尊敬しているし、俺も早く外交官になりたいから、彼から色んな事を吸収させて貰っている。


 手紙を選り分けていると、俺の実家からの手紙があった。

 「何だろうか?誰か結婚か?いや不幸とか?」内容を確認すると、

 「至急、帰国し学院の臨時講師に着任せよ。そしてある子爵令嬢を誘惑し退学に追い込め」とあった。

 しかも公爵家の命令であると。


 俺は選り分けた手紙を持って上司の元に行く。そして王女殿下から手紙が来ていた事と、他のファンレターは廃棄、それ以外の手紙はここにと報告する。


 上司は「ありがとう」と言い、王女殿下の返信はいつもの代筆を指示し、それ以外の手紙を受け取って席で確認し始める。

 俺は彼の空いたカップに新たなお茶を注ぎ、実家からの手紙の内容を報告する。今は忙しい時期ではないが、どこかで一度帰国しないといけないだろう。


 上司は「子爵令嬢の誘惑か〜」と言い「成功したら何かあるのか?」と聞いてきた。俺は、「男爵位です」と言った。

 上司はちょっと驚き、「令嬢の誘惑にそこまで?」と言った。俺もそう思ったが、だから余計にやらねばならないだろう。


 「そっか。なら早めに帰らないとだね。いいよ、今は忙しくないし」と彼はそう言った。

 俺は「では準備をして来月の頭ぐらいに」と言って、それで許可も降りていたのだが、2日後に上司に直ぐに呼び出され、明日、帰国するよう言われた。

 何でも上司の父君である侯爵から俺を即刻帰国させるよう手紙が来たのだと言う。


 なぜ全く関係なさそうな筆頭侯爵家から?と疑問に思っていたら、俺の上司が、

 「相手の子爵令嬢は、僕の従姉妹だ。できれば君に本気になってもらえるといいが、そうでなかったら、こっちに連れて来てくれ。こちらで保護するから」とそう言った。


 彼の従姉妹だから侯爵家が動いたのか?

 俺は公爵家と筆頭侯爵家がぶつかり合わないといいがと心配になったが、上司は、

 「君は余計な心配はしなくていいよ。彼女の事だけを考えてくれる?」と言って俺を送り出した。

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