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水色のベルと緑色のベル  作者: 朱井笑美


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 春になり神殿入りした聖女候補達が侍女を伴いマリベルに挨拶にやって来た。候補達も侍女達も初々しく目をキラキラさせていて、当時の自分達もこうだったのかなと何気なく横を見るとパパチームになったアドリアン様のお姿が。

 

 「また聖女候補の護衛を担当されるのですね」と目で伝え微笑むと、アドリアン様の目が何かを訴えている。「そうじゃない」って言ってる?どういうこと?と思って、その隣を見たらラント様がいた!

 彼女達のキラキラしたお目々はラント様をご覧になっていたのね。OH! NO!


 それから毎晩ラント様がマリベルの部屋にやって来る。私が覚悟を決めた途端、多くないですか?女神様?

もう皆もその事を知っいて、眠らされることもなく何も言わず、ラント様を私の部屋に通してる。

 

 それにラント様はジワリジワリからグイグイに進化し始めた。アドリアン様が「マリベルの引退も近いからラストスパートだな」と私の部屋で笑ってお茶を飲んでいる。

 あなた達、聖女候補の護衛でしょっ!何でここでお茶飲んでるの?!って、ココットさん!毎回お茶出すの止めて!


 マリベルは毎日微妙に精神がヘロヘロだ。

我が子爵家の女子達は恋愛体質なのに、どうしてマリベルにだけ免疫が無いのか?悩んでも仕方がないことだが。

 それにラント様のお気持ちは…嬉しい。ラント様のような“変わり者”がいなければ、マリベルは神官の道を選び、生涯独身でもいいと思っただろう。


 「変わり者って誰がですか?」あれ?声に出てました?ココットさん。

 「聖女様は引退間近ですから、ラント様も焦っておいでなのですわ」

 「そうそう強敵は沢山おいでなのですから。今のところ有利なのは昔からのお知り合いであるということと、職場が同じで会う機会が多いという2点だけですもの」

 「でも、その2つだけでも他の方からしたら喉から手が出る程、欲しいものではありません?」

 「本来は。でも奥手の聖女様相手には、ラント様も接点が足りないとお思いなのですわ」

 「まあ、それは一理ありますわ」

 「ラント様を袖になさるのは聖女様くらいですわね」

侍女達は好きに喋ってる。

袖にとかしてませんから。ただラント様を前にして、どうしたらいいのか分からなくなるのです。


 また夜になる。ラント様、今日もおいでになるかしら?侍女達の言葉を思い出して、自分のヘタレ具合に涙ぐむ。

 その時「マリベルっ、何があった?何で泣いてる?」ラント様がおいでになった。

 まさか「あなたの事で泣いてます」なんて言えない。しかし、そう思うと益々涙が出る。

 ラント様がマリベルの頬を両手で包む。ぎゃあ!顔が近いです。それに私、今、鼻水も垂れてます。

 「びないでぐだじゃい!(見ないでください)」マリベルは必死で顔を逸らそうとするけど逃げられない。

 こっちは「地獄〜」って思っているのに「マリベル、可愛いな」ってラント様、目がおかしい!

 こんな顔見られたくなくて「ラントじゃま、はなびじゅぅ」と言ったら「あ!ああゴメン」ってハンカチで拭いて下さる。

 いや「拭け」って言ったんじゃないし。でもそうも取れるか。もうよく分かんない。

 私は思い切ってラント様の胸に飛び込んでみた。顔を隠すのに丁度いいし。

 あ!ラント様、固まった。普段マリベルを翻弄しているのだ。いい気味だと思っていると

 ガバッと引き離され、また引き寄せられ、そのまま口付けされた。って気付くまで停止してた。

 どんだけ経った?

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