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水色のベルと緑色のベル  作者: 朱井笑美


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 大神殿には午後を迎えた頃から聖女候補の実家から迎えの馬車が到着し始めた。聖女候補の皆様は特に理由が無ければ、もう今日からご実家に帰って行かれる。皆様、2年振りのご実家だ。

 侍女もこれからはお休みの日に買い物や、人と会ったり、近ければ実家に帰ったりもできる。


 一番最初にビアンカ様のお迎えが到着したと聞いて、見送りのために皆と神殿の裏門に出る。驚いたのはビアンカ様にはエリオット様がお迎えにいらしたことだ。

 見送りに出たマリベルに「やあマリィ、聖女就任おめでとう。ハハッ。また固まってるね。可愛い」と言いながらエリオット様はビアンカ様を馬車までエスコートする。


「ごめんねマリベル。本当はもっと早く言いたかったんだけど、聖女が決まるまでは言えなくて」

 

 ビアンカ様が何か仰りたいご様子を見せてらしたのは、この事だったのですね。

 マリベルは「ビアンカ様、またお手紙下さい!」と言って、慌ただしく去って行くビアンカ様の馬車が見えなくなるまで手を振る。

 

 横でソフィーナ様が寂しそうにビアンカ様の馬車を見送ってらっしゃる。

 マリベルはソフィーナ様が、ただビアンカ様がいなくなった事を寂しがっているだけではないのだろうと、そっとソフィーナ様に寄り添った。が、続いて現れた公爵家の馬車からライオット様が降りてきたのには再度仰天した。

 

 ソフィーナ様は口に両手を当てて目を見開いている。

「遅くなって悪かったな。ん?マリィ、聖女頑張れよ。何かあったらお兄様を頼れよ!」と言いながらソフィーナ様をエスコートして去って行った。

 ソフィーナ様が泣きながら「マリベルっ手紙書くからね」って言っていた気がする…。


 2人の見送りをしたアイリーン様が「ふふっ。ソフィーナ様は知らなかったようね。別にサプライズとかではなく、単にライオット卿は脳筋でエリオット様のように根回しができなかったんでしょうね」って言っていたが、あなた様はご存知だったのですか?

 

 そうしてアイリーン様にもお迎えが来て「マリベルっ次に会う時は私のこと、お義姉様と呼んでよね」と意味深なことを言って去って行かれた。 

 ライオット様やエリオット様の類ではないよな?と考えたが分からなかったので諦めた。


 そしてココット様は、なんと私の侍女になった。「だってマリベルが聖女になったから侍女が足りなくなるでしょ」って。なんと頼もしい!マリベルは泣きながら喜んでココット様に抱きついた。

 

 多分、ここ2日間で、生きてきた16年分の涙の量を抜いた気がする。明日から聖女様の引き継ぎを受け、1ヶ月後には聖女として始動する。

マリベルの新しい生活が始まるのだ。


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