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結果的に公爵令息はマレシアナの罠にハマるまでもなく、ララベルの妊娠と退学にショックを覚え、自宅に引き籠りになっていた。学院も卒業できないだろう。すでに殿下の側近も外されている。
そんな時に、この男は一体、何の用だと言うのか?しかも娘と息子、両方の件だと言う。公爵はもうソフィーナに縋るしかない。ソフィーナは聖女の第一候補であるはずだ。
何も問題はないはずなのに!公爵は内心、激しい動揺に襲われながらも余裕のある表情を取り繕う。
ベルオットは「今日は公爵に良い話を持って来てやった。だから心配するな。お宅の令息は今、使いものにならないんだろう?まあ将来は分からないが、最悪、令息が一生屋敷に引き篭っていても大丈夫な話だ」と自信満々に言う。
公爵はベルオットの唯ならぬ雰囲気に冷や汗が出る。
「いっ一体何を…」「お宅の令嬢とうちの次男との婚姻だ。うちの次男を入婿にやる。喜べ、次男はいずれ近衛騎士団、団長になるぞ。お前の好きな権力だろう?後継の問題も解決だ」有無を言わさない提案だった。
しかし「まっ待て侯爵!うちの娘は聖女候補だ。聖女になれば、これから8年は結婚できないぞ!」さすがに侯爵家の次男が待てる年月ではないだろうと公爵は考える。
侯爵は、軽く考える素振りを見せて答える。
「ふむ。最短で来年の夏には挙式が執り行えると思うが?」
公爵は今度は表情を取り繕えずに、驚愕で目を見開く。
「!!っ、まっまさか聖女はもう決まったのか?!」さすがに公爵もバカではない。
筆頭侯爵家当主ベルオットは獲物の仕留めにかかる。
「だとしたら、この婚姻を受け入れるか?もちろん神殿の公式発表までは他言無用が条件だが」
公爵は脳内で素早く計算するが、もう考えるまでもないだろう。これ以上の条件は出てくるはずもなかった。
公爵は「受け入れよう」と、額の汗を腕でぬぐいながら、契約書に署名と公爵家の紋章を押印をした。
ここにライオットとソフィーナの婚約が内々に決定した。次は侯爵家だ。




