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水色のベルと緑色のベル  作者: 朱井笑美


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 聖女候補の護衛騎士が決まった。爺2人、パパ4人、独身2人うち1人婚約者あり←俺。何かの意図を感じる人選だ。まあ始めから彼女達には聖騎士と恋愛なんてしてる暇はないぞと釘を刺しておくのだろう。

 実際に聖女の試練は過酷を極めるのだそうだ。特に1年を過ぎた辺りから魔法の実技が始まる。彼女らは寝る間も惜しむか、毎日倒れるように眠るだろう。

 だけど侍女達は違う。彼女達の仕事は聖女候補の生活のサポートだ。いくら王城侍女並みの地位をチラつかせても神殿は娯楽が無い。やり甲斐だけでは楽しみがないと辞めていくのだ。

 そこで2年目に新人もしくは新たな独身者の聖騎士の投入だ。パパ達も先代の聖女様の侍女ともれなく結婚している。まあ聖騎士も実は出会いが多い訳ではない。女性の聖騎士は全体の3%だし神官は結婚しない。

 地方神殿に行っても信仰の対象のように崇められることの方が多い。遠巻きにキャアキャア言われても「もうちょっとこっちへおいで」って心の中では思っている。

でもそれを行為に出すことは、この真っ白い制服が許さない。


 ちなみに聖騎士の貴族出身はそんなに多くはない。平民と半々くらいだが高位貴族となると全体の5%くらいだ。聖騎士は女神様への強い信仰心と普段の生活も清廉潔白を求められ制約も多い。酒は飲めるが賭博は禁止。特に制服着用時の言動は規律が厳しく、貴族の舞踏会や娼館、街への私用での買い物は私服着用が原則だ。

 制服着用はあくまで公務のみだ。だから高位貴族には案外不人気だ。高位貴族は近衛騎士や王国騎士団に入る方が出世も早い。

 でも世間の人気は聖騎士名鑑も出るほど聖騎士が圧倒的にナンバーワンだ。何気に神殿公認のファンクラブもある。それで矜持を納めている。

話が逸れたな。


 聖女候補達と聖騎士達の顔合わせがあった。聖女候補達の後ろには各侍女も立っている。俺は候補者達に挨拶しながら侍女にも目を走らせる。いた!マリベル嬢だ。その容姿で直ぐに判った。

 彼女は髪を一つに纏め引っ詰めているが、その雰囲気からは、ただの侍女ではないオーラを放っていて、侍女の制服を着ているのになぜか目立っていた。

天使と妖精のハーフか。俺は納得した。


 それから座学の教育が始まり、しばらく経った頃からおかしな現象が始まった。座学講義の後、ソフィーナ嬢を中心として自主勉強会をやっているのは分かるのだが、その講師役がなぜかマリベル嬢なのだ。おーいマリベル嬢は侍女だろう?

それは実技魔法に入っても続くとはこの時の俺はまだ知らなかった。


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