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 王妃様は嫁がれて5年経っても懐妊の様子がなかったため、当時の王太子殿下だった陛下は周囲に無理矢理、側妃を持たされたそうだ。

 王太子夫妻は相思相愛だったが、周囲の重圧に当時の王妃様は病気がちになり陛下は側妃様と子を儲ける判断をしたそうだ。


 側妃様は直ぐに懐妊し無事に王子をご出産された。周囲も安心した矢先、王妃様の懐妊が発覚し王太子殿下がお産まれになったそうだ。

 その後も王妃様は次々にお子を懐妊され今では3人の子持ちになられた。


 そもそも王妃様は隣国から15歳で嫁がれて来たのだ。王弟もいるし、まだ若過ぎると、陛下は王妃様が懐妊しないように気を付けていたらしいとは後の話。

 その後、王妃様のお子様達は立派に成長され、側妃様と第一王子殿下は身を引いて、元聖女だった陛下の大叔母がいる離宮にお移りになった。


 それから王太子殿下が国王に即位されたのをきっかけに、陛下は王妃様のお産みになった第二王子殿下を王太子として立太子されたそうだ。

 側妃様と王妃様は良好な関係を築かれ、殿下同士も交流があり仲が良かったそうだ。


 第一王子殿下は早い頃から騎士を目指すことを決め、騎士学校に進み、この度、ご卒業と共に春から聖騎士になることが決まったのだ。というのはソフィーナ様も今、お聞きになったばかりだそう。


「王子殿下が聖騎士としての仕事と生活に慣れるまでの面倒は私が見る予定なのですよ。この神殿にいる聖騎士で年の近い貴族出身は私だけなので」今日のソフィーナ様の護衛担当で、先程、ライオット様を追い出したばかりのアドリアン様が仰った。


 確か聖女候補の護衛でもう1人の独身聖騎士様は平民でしたね。

そして残りの6人中2人はお孫さんがいるお年、残りの4人はパパさん達だ。

 さすがに王族の世話を平民に任せることはできないだろうけど、聖騎士様の高齢化は大丈夫なのだろうか?マリベルが要らない心配をしているところに、ソフィーナ様が「ライオット様のお従兄弟のアドリアン様なら安心ですね」と仰った。


 その時マリベルとソフィーナ様の目がバチッと合う。もしや同意をお求めですか?

 否定はしないが同意もできない。なんせマリベルはライオット様の安心部分を見たことがない。ただアドリアン様なら安心だろうという意味だったら同意だ。

「その、マリベルはライオット様と…「ただの従兄弟です!」とマリベルはソフィーナ様のお言葉に即返答を重ねる。「そうなのね」何だか安心したようにソフィーナ様が仰った。


 もしかして、もしかしてなのですか?ソフィーナ様。

自分の主人をそっち退けで、マリベルに過保護全開のおかしなライオット様を見てもお気持ちは揺らがないのですか?


「ビアンカ様、ソフィーナ様は、もしかするとライオット様をお慕いされていらっしゃるのでしょうか?」とマリベルは入浴後のビアンカ様の寝支度を整えながら、昼間のソフィーナ様のご様子を思い出していた。

「そうかもしれないわね。アイリーン様の方がご存知かもしれないけど、あまり詮索するのも良くないわ」「そうですね」とマリベルも引き下がるが何かお手伝いできればいいのだけどと思う。


 週一の連絡をソフィーナ様にお任せするとか。いやいや違うな。

しっかり者のソフィーナ様にライオット様を引き取って頂きたいものだと思いを馳せるが、ふと気付く。あれ?でも今1番聖女に近いのはソフィーナ様だ。

 さすがにライオット様をあと10年もお待たせすることはできないか。

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