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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

幸せの循環

作者: kaHo

「ぺんちゃん……ペンちゃんいなくなっちゃやだ! やだよー」

あのときは、亡くなるってこういう事を言うんだってなんとなく思った。

まだ、小さな小さな手で愛猫のぺんちゃんの亡骸を庭に埋めた。

あれから、12年。

私はぺんちゃんのお墓にいつものように、たまにだがぺんちゃんが好きだったおやつを置く。

「行ってきます!」

そう言うと、私は高校に向かう。

私は雨宮理央あまみやりお

黒髪のボブで映画鑑賞が大好きなどこにでもいる高校生だ。

今日から新学期になるので、私は高校2年生になる。

電車を乗り継ぎながら行くのだ。

今日は座れた。

何だか1日が良い気がしてならない。

そんな次の駅。

杖をついたお婆さんが優先座席に座ろうとするが、ガラの悪い高校生が先に座ってしまった。

おろおろしているお婆さん。

折角気分がいいのに、台無しだ。

「お婆さん、席良ければどうぞ」

と、私が言うと、

「いいのかい?」

と返事が来る。

「私がそうしたいので」

そう私が言うと、お婆さんはお礼を言いながら席に座る。

お婆さんとは他愛ない話で盛り上がるが、

「お嬢さん、これもらってね」

と、飴を数個頂いた。

とても嬉しかった。

学校に着くと、友達に挨拶しまた他愛ない話題で盛り上がる。

「おはよゔ」

と、友達の一人の結由ゆゆがが言う。

「おはよう、結由今日は調子悪そうだね? 大丈夫?」

そう私が言うと、

「大丈夫、ただ風邪気味で喉がね」

と、苦笑いする結由。

私はさっきもらった飴を渡した。

結由はありがとうと喜んでいた。

昼休み。

「そういえば理央ざ、あの映画見た? 私彼氏と行ったんだけど良かったよ」

と、結由が言う。

私は、

「いいなー、私なんだかんだで行けそうにないや」

そう言うと、

「なら、このキーホルダーあげる。ざっきの飴のお礼」

そう結由は言いながら、私に映画に関係するキーホルダーをくれた。

内心いいのかなと思いながらも、素直に受け取ることに。

学校が終わり、家に着くとお母さんが開口一番に、

「今日、ショッピングモール行くんだけど理央行く?」

と言われた。

今日は何もないので付いていくことに。

高校生だから、オシャレには気を使う。

ドッキングワンピースの清楚な服を選び、髪をとき直す。

カバンには、今日結由からくれたキーホルダーを付ける。

ショッピングモールに付けば、お母さんは何か狙いがあるのだろう。

人混みの店に一直線。

まぁ、その間に近くの映画館を見る。

新しく映画をしており、チラシだけもらうことに。

その時、

「やだー! これほしい!」

と、駄々をこねる少年が一人。

「無理に決まってるでしょ! 観ないともらえないんだから諦めなさい」

と叱る少年の母親らしき女性。

よく見ると、少年が欲しがっているのは結由からもらったものだ。

結由、そんな大事なのをくれたのかと思うと複雑な気持ちになった。

すると、少年は私の方を指差し、

「あー、あのお姉さんキーホルダー持ってる!」

と、騒ぎ立てる。

「こら、人のものを貰おうとしたらだめよ!」

と、母親は宥めるが一向に駄々をこねる少年。

可哀想になり、また結由には申し訳ない気持ちがあるが結由は許してくれるよね。

「このキーホルダー、差し上げましょうか?」

と私が声をかける。

母親の方からは、お礼の代わりに近くの美味しいクッキーと福引券を頂いた。

そんな事をしていると、お母さんは喜々として笑顔で私のもとに。

きっと欲しいのを買えたのだろう。

帰りに福引券があるので、福引を引くことにした。

カランカラン、という音とともに男性が、

「おめでとうございます、2等当選しました」

と私に言う。

何だか信じられない。

ここのショッピングモールで使える5千円分を頂いた。

嬉しいのは嬉しいのだが。

何だか申し訳ない。

その5千円分の一部で、ぺんちゃんのおやつを買うことにした。

家につくと、ぺんちゃんにおやつを置く。

置きながら、今日の出来事を話す。

ぺんちゃんにおやつを置くと何だか良いことが起きるのは何故だろう?

疑問に思いながらも、今日は何だか気分がいい。

結由には、申し訳ないから今度事情を話し一緒にカフェでも行こうかな。


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