表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生幼女は前世に極めた錬金術で、家族のQOLを爆上げします!  作者: 青空あかな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/45

第13話:機織り機

「行ってきま~す」

「行ってらっしゃい、スモーリー。はい、これお弁当ね」

「お父たま、行ってらっしゃい」

〔気ぃつけてな~〕


 リリスが生まれてから数日後、彼女はすっかりコモン家の一員になっていた。


「じゃあ、私は洗濯物干してくるから、ルーたちは遊んでおいで」

〔ルー、ドングリ集めに行かん?〕

「えぇ~、またぁ?」

〔ええやん、ええやん〕


 ちょろちょろしながら森へ向かうリリスを追いかける。

 森は家のすぐ裏手にあって、少し踏み入るだけで木々が鬱蒼うっそうと茂っていた。


「もはや毎日の日課だね」

〔ドングリ集めは楽しいで~〕


 リリスは暇さえあればドングリを集めたがる。

 どうやら、たくさんあると落ち着くらしい。


「そのうち、山からドングリ無くなっちゃうかもよ」

〔そしたら、ルーが錬金術でドングリの木ぃ増やせばええやんかぁ〕

「んな無茶な」


 リリスと一緒にドングリを拾う。

 まぁ、なんだかんだ言って楽しいけどね。

 なんだか童心に帰る気がするし。

 あっ、今は身体も子どもか。

 ボンヘイドングリの実は、細長い形の物が多い。

 葉っぱの隙間に入り込んでいることもあるから、その辺りも良く探さないと。


〔いやぁ、今日も大漁や。ほんまに、この山にはドングリがぎょーさんあるわ。ルー、持ってて〕

「はい」


 リリスは体が小っちゃいので、いくらか集めると渡しにくる。

 ドングリを受け取り、母が造ってくれた小さな赤いポシェットにしまう。

 チョークとこの鞄とが、私の必需品になっていた。


〔毎日ドングリに囲まれた生活なんて、ゴーレム冥利に尽きるってもんやね〕


 そこはリスじゃないのかな……と思ったけど、まぁ楽しいならいいや。

 ふと地面を見たら、不思議な実が落ちていた。


「あっ、なんか珍しいドングリあった」

〔なんやて〕

「ほらこれ」


 実を拾い上げる。

 丸々太ったドングリ。

 細長い物が多いのに、これはなぜか丸くなっている。

 大きさもリリスの顔、半分くらいはありそうだ。

 成長しすぎたのかな。

 

〔……っ!〕

「ど、どうしたのリリス」


 喜ぶかと思ったけど、リリスは固まって動かない。

 もしかして、形にもこだわるとか?

 ドングリならなんでもいいわけでもないのか。

 そう考えていたら、リリスは震える手でドングリを受け取った。


〔……で、でかしたで、ルー! こらぁ滅多に見かけへん、超レア物のドングリや!〕


 リリスは、ぱああっ! と目を輝かせてドングリを掲げる。

 誇らしいほどに清々しい表情だ。

 な、なんだ、感動しているだけだったのか。


「あ、ありがとう、そんなに喜んでくれて」

〔こんなレア物、おいそれとは食べられへん! 特別な日ぃまで大切にしもうとくわ! だから、それまで持っててルー〕

「はい」


 ということで、丸ドングリもポシェットにしまう。

 ポシェットがいっぱいになってきたところで、ドングリ集めは終了となった。

 家に帰って母のお手伝いをしよう。


〔おかんにも見してやらんとな~。ルーのおかげで二つとあれへんドングリが見つかったわ~〕

「家事の邪魔しちゃダメだからね」

〔わかってるっちゅうねん〕


 わかってると言いつつ、リリスは昨日もずっとドングリの山を見せびらかしていた。

 まったくもう、ほんとにわかってるのかな。

 そして、家に近づくにつれ、ギッコ、ギッコ……という何かを引くような音が聞こえてきた。


〔んん? なんや聞こえるなぁ〕

「ああ、あれは機織り機の音」

〔機織り機ぃ?〕

「お母たまが織物を作っているの」


 ポカンとするリリスを肩に乗せ家に入る。

 部屋の片隅では、母がギッコギッコと機織り機を動かしていた。

 私たちを見ると、手を止めず器用に首だけ回してこちらを見る。


「お帰りなさい、二人とも。ドングリ集めは楽しかった?」

「お母たま、ただいま。楽しかったよ。ポシェットがパンパンになった」

〔帰ったでー。へぇ~、これが機織り機っちゅうんか~〕


 真っ先にリリスは機織り機の木枠に乗っかった。

 一定のリズムで右に左に移動するシャトル(糸をつけてシュッ……と滑らすヤツ)を、それはそれは興味津々に目で追っている。



<ブランニュー帝国製機織り機・第二世代>:ランクC(D)。一人用の機織り機、足踏み式。安心安全のブランニュー帝国製。安価かつシンプルな造り。操作しやすく故障しにくい。現在の最新鋭は第四世代なので、これは結構な旧式となる。



「リリスちゃん、そこにいては危ないわ」

〔わかったで~かんにんな。……それにしても立派な機織り機でんなぁ〕


 私の肩に舞い戻ったリリスが感心した様子で呟く。

 この機織り機はコモン家において最高峰のCランク。

 どうしてそんなに高価な物が家にあるかと言うと……。


「これは私がスモーリーと結婚するときに、お父さんたちが買ってくれたの」


 そう、母の嫁入り道具なのだ。

 私が生まれたときには、すでに部屋の片隅にあった気がする。

 なので、少なくとも5年はこの家にあるということだ。

 

〔はぁ~っ! そら大事なものでんなぁ。そんで今は何作ってるん?〕

「ランチョンマットよ」

「〔……かわいい(かわええ)〕」


 母は手を止めて、織っている布を見せてくれた。

 爽やかな白地にブルーの雨粒模様。 

 自分でも使いたくなっちゃう。

 この機織り機でコースターやハンカチなどを作って売るのが、コモン家収入の2割を占めていた(残り1割はたまに母が作る料理の販売)。


「新しく考えてみた模様なんだけど、どうかしら?」

「すごいかわいいよ、お母たま!」

〔大人気間違いなしやで!〕

「二人がそう言ってくれるんなら安心ね。じゃあ、この調子で仕上げちゃいましょう」


 母はギッコギッコと機織り機を動かす。

 リズムよく布が織られていたけど、少ししたらシャトルが引っかかってしまった。


〔おっ? 止まってもうたで〕

「最近、すぐに引っかかっちゃうのよ。やぁねぇ、もう壊れかけなのかしら」


 機織り機をいじると、またシャトルが動き出す、

 そして、しばらくすると引っかかる。


「あっ、まただわ。だましだまし使っていたけど、いよいよ限界かも」

〔これじゃあ仕事にならんといて〕


 第二世代となっては、さすがに古すぎるのだ。

 ランクだって今はCだけど、もうじきDに下がってしまうだろう。


〔新しいの買わへんの?〕

「最新の機織り機は高いからねぇ。ルーちゃんが稼いでくれたお金は、貯蓄にも回しておきたいし……」


 新型には魔力供給装置がついており、半自動で布を織ってくれるらしい。

 その分、高価なので買える人は限られている。

 機織り機は壊れかけだけど新しいのは買えない。

 ……よし。


「お母たま、私が錬金術でグレードアップする」


 だから、私が何とかするのだ。

お忙しい中読んでいただき本当にありがとうございます

少しでも面白いと思っていただけたら、ぜひ評価とブックマークをお願いします!


評価は下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけたら本当に嬉しいです!

ブックマークもポチッと押せば超簡単にできます。


どうぞ応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ