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命の輝くこの星で  作者: 天敵サボり
入学式
3/17

出会いと再会





 今世界では1日に約20〜30件多い日には100件を超えるほど宇宙からの転移は起きている、この星に現れた生物はみなビーストと呼ばれ、それは災害に等しく人は常に怯えながら暮らしている。

 だが旧星週末点により人もさらなる進化を遂げた。



  初代星の人(スター)



 始まりの星人とも呼ばれる四人の男女の名称であり地球において初めてその身に自然を宿した超常生命体であり現代に生きる全ての星人(スター)の祖先である。

 彼らは人の身でありながら火や水、土や風などを完全に操り、その規模は想像を絶する物だったと言われている。その力は子に受け継がれ代々継承していき、今や総人口の約10000人に一人の割合まで増えていった。

 現代のビーストに対する一番の対処法は星人達による討伐が最も効率的であり、被害が少なく出来るとされている。

 たがもちろん皆が初代みたいな力を持つことはなく、強さも十人十色で方や焚き火程度の火しか生み出せず大した火力にならない星人もいれば方や、火山のエネルギーを超える力を有し森を焦土とかすほどの火力を出せる星人も存在する。

 星人は今や国力の指標でもあり、ビーストに対抗するための兵器でもあるので強ければ強いほどより優遇され重宝される。

 そのため国は星人の育成機関を作りより強くなるように最高の環境を提供している。

 そしてここ鳳王高校が日本最高峰の育成機関であり卒業すれば将来を約束される。

 故に星人であればこの高校を卒業し国が運営する対ビースト討伐機関に所属し結果を残す事を夢に見る。そうすれば文字どうりのスターとなれる。






 受験会場が見え、同時に全国から集まった大勢の受験生とそれを受け付ける人達が見え始める。大人数が集まれば多少遠くにいても会場の雰囲気が嫌でも伝わってくる。

 一度しかない焦りや最高峰の学び舎を受ける緊張、将来の不安といった感情が一カ所に集まり飲まれ増していく、そうして負のループになっていく。中には自信に満ちた者や他者を全く気にしない者も居るがごく一部でしかなく、その重たい空気が大勢の受験生の精神をすり減らしている、もちろん会場に向かう俺達も例外ではない。




「見えてきたね……」

「そうだな……」




 会場に近づくにつれて真面目と風兎の顔色が暗くなっなっていく、感情が表に出づらい風兎ですらだ。

俺も少し緊張はするがむしろちょうどいいぐらいだ、だが二人は違う明らかに会場の雰囲気に飲まれている、適度に強張るのはいい事だが、それがすぎればただの足枷になり失敗を産む、その失敗がさらなる緊張をそして人は堕ちていく。

 大勢の人がそんなくだらないことで実力を発揮できず後悔になる。それが実戦なら取り返しのつかない事態を招く。そんな思いは絶対にしてほしくない、特にこの2人には。





「少し顔が暗くなっなってないか?」

「そんな事ない……よ」

「あいにくとお前ほど余裕がないのでね」




 真面目は図星なのか更にうつむく、風兎は嫌味を言われたと勘違いしたのか少し苛立っているのが見える。

もちろん俺には怒らせるつもりも、下を向いてほしいとも思はない、これから先は多少の失敗が死につながることだってあるかもしれない、だからこそこんな困難はみんなで軽く乗り越えて楽しい学園生活を俺は送りたい。



「二人の隣に歩く男は誰だ?」

「??………氷織夏火(ひおりなつひ)?」

「急にどうした?」

「そうだ、俺こそが氷織夏火。同い年相手ならば負け知らずの、いずれ世界一になれる男だ!」



 

 俺の名前は氷織夏火。もちろん星人であり、先に紹介した親友2人も同様である。

 星人において最も重要な事は才能とそれに見合った努力であり、どんなに優れた家系で物凄い才能を持とうとも努力を怠れば大した力は得られない。逆に努力すれば才能がなかろうと強くなれる、故に才能に《見合った》努力が最も重要なのだ。

 そして俺は、同年代で見ても頭一つ抜けた才能とそれに見合う以上の努力をしてきたと自負している。故に強く、だが慢心はしない様にと適度な緊張が俺を更に強くする。



「そんなすごい男と肩を並べて一緒に努力し互いに研鑽しあい強くなった」

「………そうだけどそれでも一度も夏火に勝てなかった」

「たしかに同年代でお前より強い奴を俺は知らないけどお前は大丈夫でも俺たちはわからないだろ?」

「だから自分に自信を持てないときは俺を信じろ。俺は強い誰よりもそして俺が強いと思う2人が弱い訳がない」

「「………」」

「二人の前を歩く男が太鼓判を押すんだこれ以上ないほど自信が出るだろ?それでも不安なら自分を信じなくてもいい、ただお前らが信じる俺を信じろ!」



 俺は自分の強さに自信がある、そして二人ももちろん強い。この気持ちに嘘はない。何度追い抜かされると思い、そのたびに強くなろうとした事か。だから俺が強ければ強いほど二人は強い事になる、そしてこれは事実であり二人の強さの証明は俺が出来る。



「………プププ……アハハハハハまさか自分で自分の事を強いと言っちゃうんだ」

「よく恥ずかしげもなくそんな事言えるな、俺まで恥ずかしくなってきた」

「な……別にいいだろ!本当に思ってることなんだし!」

「でもたしかにお前の事は信じてるから、お前の事を信じる俺を信じてみるか!」

「そうね、勝てたことは無くても強いと言ってくれてるもんね!その言葉を信じてみるわ」




 

 どうやら入りすぎていた肩の力は適度に抜けてきたみたいだ。これで本番もきっといい結果を出せる事だろう。

 そんな会話をしながら、しばらく歩いているととうとう正門の前にたどり着いた。やはりすごい人だかりが出来ていて受付が多少混雑している。

 すると見知った顔がこちらに向かって歩いてくる。どうやら向こうが先に見つけてくれたらしくこちらに手を振っていた。




「あれ!?もしかして、さとくんとひーちゃんじゃない?」

「ホントだな、まさかあの二人もここを受けるとは」

「おーーーい!!久しぶり!!元気してた?」

「バレなかったら驚かせようとしたのにこっちに気づきやがった」

「久しぶりたなサトシ、ひな」



 当時まだ小学生の頃の同級生であり幼なじみとも言えるほど仲が良よかった、俺と風兎と真面目と合わせてよく5人で遊んでいて男のほうが今井 悟(いまい さとし)で年々ギャル化が進んでいる方が杏美 雛(あずみ ひな)、もちろん二人とも星人だがお世辞にも強いとは言えない、だが俺たち三人と比べたらの話であって同級生の中では優秀な方だったと記憶してるの。小学校卒業間近で2人とも引っ越しになり中学の三年間は疎遠になっていたがまさかここで再会出来るとは。



「久しぶりだな夏火、風兎、真面目!きっとお前たちもここを受けると思っていた」

「絶対に会いたいからってだいぶ早めに来て受付もせずに待ってたもんね!」

「可愛いな!お前!」

「さとくんらしいね」

「ばっっか、そうゆうのは言わないでおくもんだろ」

「それにしてもさとくんだいぶ大きくなったね!」

「そうなんよな〜ちょっと前まで私らより小さかったのにあれよあれよと抜かされたわ」



 友達との再会はやっぱり良いもんだな、約三年間の間が空いても全然変わらない………ことは無いな特に悟、デカくなりすぎだろ俺どころか風兎よりもでかいじゃないか、当時は女性陣よりも小さくってからかわれてたのに三年間で一体ないがあったのか。

 でも、これでお互いに緊張がほぐれてだいぶリラックスしてきている。きっと悟と雛の二人もプレッシャーに押しつぶされそうになっていたと思うだからこそ会えて良かった。

 それからはまだ時間があるので5人でおしゃべりしながら受付人数が減るのを待ったのだが20分ぐらい待っても一向に減っていかないので。



「ちょっと体動かしてくるわ」

「私も行こうか?」

「大丈夫!むしろ温存しといた方がいいよ、真面目は特に!」

「うん!わかった」

「5分ぐらいで戻ってくるから」

「おう!行って来い!」

「遅刻すんなよ」

「しねーよーーだ」



 それから俺は四人の前を後にする。一応ここはもう鳳王高校の敷地内で周りにも少し体を動かしている人が居るが皆手の内を晒さないようにしている、受験内容は筆記と面接そして実技がありもう既に面接は終わっている。その前にも書類選考みたいなものもあるらしいが犯罪歴とかがなければ基本大丈夫だとか。もちろん最も重要なのは実技であり下手に手の内をさらしてしまったら不利になるかもしれないそんな考えがあるのだろう。だからあくまでも体を動かす程度なのだ。


 でも、やっぱり使いたいよな………良し森の方にいくか!

 

 脇道にそれていくと木々の生い茂った森がありここなら多少使っても問題ないだろう、少し奥に入って問題なさそうならそこで準備運動もかねて色々試すかな。

 そう思い森のに入り少しした頃



「よし!この辺でいいかな〜っと」


 ドン!


「あた?!」




 体に衝撃を感じそれと同時に人が転んだ音と女性の声が聞こえた………何かにぶつかった?俺が?気づかずにぶつかる?

 そんな事よりも誰にぶつかったのだろうと思い目線を下に落とすとそこには見事に尻もちをつき腰を痛そうに押さえながらうつむく声の主がいた。








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