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命の輝くこの星で  作者: 天敵サボり
入学式
2/16

俺たち輝くこの場所で

 


 朝起きると感じる違和感、数秒で信じる危機感。

きっとこのときの頭の回転速度………いや、本能とでも呼ぶべきだろうか、いつもと違う生活音を、窓から差し込む光の具合を、睡眠状態でも進む体内時計をまだ寝ぼけている頭が理解するより先に体が理解し警鐘を鳴らしている。

 普段は重たくなかなか起き上がらない上半身が毛布と一緒に跳ね起きる。



「やっっっっっべぇぇやったか!??多分やらかしたなーー………うわぁ寝坊したーーー……………のか?」



 まだ完全に目覚めない頭をフルに活用し思考を巡らせる。今必要な情報とこれからの予定をすり合わせていき必要な答えを導き出す。



 「確か今日は高校の受験日…………で、確か家を出るのが普段よりもゆっくりで大丈夫だったはずだから……」



 独り言を呟きながら枕元に置いてある時計を確認する。セットされているがまだ使われた気配のないアラームと静かに秒針だけを鳴らす時計。

 



「………セーーーーフ。大丈夫!そう大丈夫!今日はゆっくり起きれる日だ」



 何を隠そう今日は、受験生置いて最も大事な日受験日。

 この時代に能力者として生まれた者は皆今日と言う日が人生の大きな分岐点となるだろう。



「さてと、準備しますか!」



 はるか昔、今から約千年前、もうすぐ全世界の人口が百億人を突破目前の時にある出来事が起こった。



旧星(きゅうせい)終末点(しゅうまつてん)



 後の世界でそう呼ばれる事件であり、その日から地球は大きな変化を遂げた。

 大きな変化の代表とも呼ばれるのが、この宇宙に存在するであろう生物がどこからともなくこの地球に飛ばされる様になってしまった。

 飛ばされる基準や条件などは一切不明、突然に空間に歪みが生じ数秒後には今までに観測された事のない生物がその場に現れる。

 そして飛ばされた生物が起こす行動は様々で、地球の環境に適応出来ず即座に死に至る者、飛ばされたパニックと生存本能で暴れるもの、状況を即座に理解し姿を隠す者など、もちろん意思疎通が叶うわけもなく言葉も通じない、なんなら言語と言う文化がない知性など全く感じられない本能のままに生きる生物がほとんどで、それは地球にとって大きな被害をもたらす。

 時に巨大生物が現れ行動の一つ一つが大きな災害となる者、時に光線を操り周囲の建物や人を破壊する者、時に空を自由に飛び回り人を上から襲う者などその被害は様々。

 そんな異常が日常となった地球でそれでも人類は少しずつだが発展し人口も増え続けている。




「朝ご飯も食べたし、荷物の準備出来たし、そろそろでますか!」




 俺は準備を整えて少し早いと思うが家を出る。先に学校へ向かった姉と朝早くから出かけた母、父は居ないので最後に家を出る俺が戸締まりを確認し、友達と待ち合わせをしたところに向かう。

 今回は幼馴染の三人で同じ高校に受ける事になった、受験生ならよく聞く

『友達と同じところに行きたいなんて不純な動機でこの先の未来の事を決めてはいけません』

って言葉があるが俺たち三人が受ける高校は、この日本で最高峰と呼ばれる学校であり、力を持つものなら誰しもが目指す場所だ。



「少し早く着きすぎたかな?まぁ普段待たせてる側だし俺も待つかな」



 待ち合わせ場所が近くなってきたので、時間を確認したが集合時間の15分前には付きそうだった。普段のこの集まりでは俺は時間ギリギリになるため基本最後になるのだが、今日は俺が一番かなぁ………



「あっ来た、お~~~いこっちこっち」

「あれ?早いな?流石に今日はギリギリじゃないか」




 うん!俺が一番最後でした!今日こそは先に着けると思ったのになかなかそうはいかないかな。

遠くから呼ばれた友達の声につられ歩く速度が速くなる。



「また俺が最後だったか」

「いつものことでしょ。私とフートは待つ側だから」




 着いて早々に嫌味か………まぁ、言ったつもりないんでしょうけど。

 先に話しかけてきたのは小学校時代からの付き合いで幼なじみの一人天野真面目(あまのまじめ)

わかりやすい名前の由来、通りの性格に育ち、常に自分に厳しくただ人に強制する事なく他人の意見の尊重できる、俺の自慢の人だ。

 受験なので制服を着ているが着崩しなどは一切なくむしろ今日のために用意されたような綺麗な制服で少し低めの身長なのにスラッと伸びた脚と膨らみ途中の胸、トレードマークのポニーテールをなびかせ綺麗な姿勢で立っている。緊張しているのか少し顔が強張ってるようにも見えるがだいぶ落ち着いたのだろう、目つきが若干和らいだように感じる、少し童顔だが目元はキリッとしていて大人の女性になりつつある事が見て分かる。




「それにやっぱり緊張してそうゆっくりは来れないな」

「もしかして結構待った感じか?」

「いや、意外とそうでもないかな」

「そうね、もっとゆっくりかと思ったし」





 緊張していると言いつつも顔に全く出ないもう一人の幼なじみ河野風兎(こうのふうと)

 真面目よりも付き合いが長く家族ぐるみで仲が良い俺の自慢の親友だ。

 身長が高くスタイル良し顔も良し性格…………よし?感情があまりオモテに出ないうえ、他人を少し警戒する所があるのであまり好かれなさそうだがそのルックスとステータスが良すぎるため普通にモテる男だ。




「みんな揃ったし少し早いけど行くか!」

「そうね、受付も混むでしょうし」

「俺たちお前を待ってたんだけどな」




やっぱ風兎性格悪い。

 そうして最寄りから少し歩いたところに見えてくる俺たちが受ける高校

日本国立(にほんこくりつ)鳳王高校(ほうおうこうこう)

俺たちの目指す学校だ。







 





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