男子グループ
女子たちと別れ宗一の部屋にいる村中雄輔と杉原健吾と宗一雄輔がとりあえず話し出す。
「宗一の母ちゃんなんか若々しいよな?」
「本人に言ってくれ、多分1か月は自慢するからめんどくさいけどな」
「それより話あるんすよね?ユウちゃん?」
ケンちゃんはもう知ってるのか話を変えようとする。
ユウちゃんはちょっと真面目顔になって相談する。
「あぁ…実は俺…榎本のことすきなんだわ」
「ふーん美奈をねぇ…え?!美奈を?」
ちょっとびっくりする宗一。
「まあ反応は正常ですねぇーソウっち」
「うーん…美奈かぁ…まぁいいんじゃない?」
「そうか…で…告白したいんだが…どうしたらいい?」
「そんなん俺に言われても…武道の話とか話を盛り上げて行けば?」
ケンちゃんはチッチッチと指を振り宗一に言う。
「わかってないっすねぇーソウっちは」
「?なにが?」
「美奈っちに告白する女性徒多いんすよ?先輩や後輩含め」
「いや…そんなこともしらんて…俺にどうしろと?」
「断る理由知ると意味が分かるっす」
「で…理由ってなに?」
宗一が聞くとケンちゃんはニヤニヤしながら。
「ある男子生徒を武道で超えるまでは付き合いはできないって言ってるらしいっすよ?」
「そうなんだよ!ハードルたけぇだろ?」
「でも今美奈はエースだよな?美奈が一番じゃね?」
呆れる二人。
「え?何?」
戸惑う宗一。
「そのある生徒ってソウっちのことだとおもうんすよね98%」
「は?俺?なんで?俺はもう武道やってないって?!」
「じゃあちょっと今から襲うから抵抗してみてくれ」
「え?」
きょとんとする宗一にユウちゃんは立ちあがり右こぶしで殴りかかる。
宗一は半身でよけ左手で手首を持ち右腕を相手の二の腕の上に持っていきそのまま腰を落とすとユウちゃんはあっという間にこける。
「いたた。ギブギブ!」
「あ…ごめん…」
すぐに技をとく宗一。ケンちゃんはやっぱりと言い納得する。
「やっぱり身に着けたものは一年たとうが身についているんすよ。で、わかったすか?ソウっち?」
「いや…今の条件反射で」
「条件反射であそこまで素早く体がうごくかよ!?でだ!お前を超えれば榎本も振り向いてくれるってわけだ!」
「はぁ?部内の他のやつじゃねぇのかよ?」
「えのっちは名前を出せば狙われるのを予想してあえて公言してないだけで今の動きだけ見れば普通にソウっちってわかるっす」
「狙わ…そうか…でも俺は表舞台に立つことはないんよ?」
「だから余計に困難なんだよ!お前を超えるためお前の弟子にしてくれ!」
「…ちょっとまて雄輔…俺より強い人紹介してやるよ」
「は?お前より強い人?」
「俺の先生」
「道場に通う暇ねぇよ!俺バスケ部だし」
「大丈夫!頼めば夜9時までやってくれるから俺の先生」
「でも今の動き空手じゃないっすよね?」
一瞬ドキっとする宗一。なぜそんなことが武道を知らないケンちゃんにわかるのかわからないから驚く。
「今の合気道の技だったす。某合気道ユアチューバ―がやってたっす」
「…まぁ俺の先生が最後の3か月に教えてくれたもんでな…いやぁ…理解するのに3か月は長かったし危ない橋だったわぁ!はっはっは…これ美奈には内緒な」
「その先生は何でお前に合気を教えたんだ?」
「俺…もう殴ったり蹴ったりしていじめるような真似するのいやなんよ…そしたらその先生が教えてくれた」
ケンちゃんは知っている。
「やっぱり大会のことっすか?」
「え?ケンちゃん知ってんの?」
「だてに情報屋やってないっす。相手の泣き顔をみたときのソウっちなんか嬉しいじゃないくて悲しい顔してたっす。その時感じたっす。あーこれなんかいじめた感あるなーって」
宗一はケンちゃんが大会に来てたことと本心を見抜いたことに驚く。
「驚くのもわかるっす。大会のことはえのっちから聞いて見に行ったっす。あいつがやっと大会に出てくれる!ってはしゃいでたっすから俺も見にいったっす」
「そうか…美奈言ってたんだ…ならわかるだろ?もう俺は自分から望んで表に出ることはないって」
「ならなんで合気ならったんだ?」
雄輔が問う。答える宗一。
「俺の先生がいってくれたんだよ。合気は本気で殺しに来た相手と仲良くなる技だからって、まあこの言葉も偉い人の受け売りだっていってたけど。だから身につけた」
「お前すげーな…」
「普通の中学生はそこまで強くなれないっす」
「合気って相手と気を合わせるから合気でさ、空手とはまた違って楽しかったんだ。だって殺しに来た相手と仲良くなるだぜ!?馬鹿な俺も流石にそれは無いと思ったけど先生との個人修行したときはこんな世界があるんだと思って視野が広がったよ」
「えのっちは合気のことはしってるんすか?」
「いや…これは先生と内緒の特訓で誰にも教えてない」
「さらに強くなってどうすんの!?」
突っ込むユウちゃんに。
「いやいやいや強くないって。空手だったら普通に美奈に負けるって!」
宗一は言うがそれは謙遜しすぎだろと思う2人だった。呆れる二人だが。
「その道場でどっち習えばいいんだ?宗一?」
「習うの?」
「お前を超えられないなら美奈を超えるまでだ!高校は空手のある高校に入る!あいつだって空手のある学校に入るだろうしな」
「ユウちゃん本気なんすよねー…中学でガチ恋ってちょっと重い気するっすけど」
「それをお前が言うか?しま「はいちょっと口チャックっす」むぐぐ…」
口を押えて何かを秘密にするケンちゃんだが宗一は興味はなかった。
「まあ中学でのガチ恋が続くかどうかってのはおかんもきにしてたな。ケンちゃんならだれとだれが今付き合ってどこまで行ってるとかしってるよね?」
ケンちゃんはニヤっとして。
「絶賛○○っちと□□っちとか他には△△っちと◇◇っちとか交際してるっす。キスもしてるらしいっすよってかユウちゃんもソウっちも重い恋してるっすね、中学なんてお試し程度で本番まではほとんど行かないっすよ?」
「そうなんかー…じゃあ雛ちゃんもそんな感じなんかな?」
「ソウっち…あれはガチの恋っす。あれを見逃したり逃げたりしたら一生恨まれるレベルっすよ?」
「…マジか?」
「マジっす…」
「そうだぜ宗一」
健吾がこのトーンで言葉を言うときは本当の話なのでビビる宗一だった。
「そういや俺の話戻すけど榎本の道場で榎本はどれくらい強かったんだ?」
「ん?まあ小6時点で3番目だったかな?他の同級は他校の子だったけどこの前夏の大会でここの市で美奈女子の部の個人で優勝したじゃん。全国ベスト4だから現在はやっぱり美奈が一番じゃない?」
「ユウちゃん…いばらの道っすね…一応告白だけはしてお前を超えるからまってろ的なこと言ってキープするのもアリっすよ?」
ユウちゃんは考える。
「…それでいいんかな?なんか軽い男と思われそうじゃね?ほらバスケ部から空手部に変更って…」
「案外自分と同じ道進んでくれるなら食いつくかもしれないっすよ?」
「そうか…まあ宗一がいる以上美奈は今付き合うことはないし…てかほんとお前つえーのな?」
「んー?先生からみたら俺なんてまだまだだけどな」
「だから中学生でその技量は反則だよ」
「あぁ!そういえば合気できるならこれできるっすか?この技なんすけど!」
ケンちゃんが合気ユアチューバ―の動画を見せてやってくれと言うので少しだけ雄輔が技の餌食になっていた。何気に久しぶりにおふざけだけど技を笑い話で使うことにあんまり抵抗なく使えたことに自分でも驚くほど楽しかった宗一男子グループだった。