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黒狐の少女と優しい少年  作者: 龍美邦彦
8/27

日曜日に小暮家で

今日は新しい月に入っての日曜日だ。昨日は雛子の意外な告白で戸惑ったが改めて考え直す。

(雛ちゃん…なんで俺なんかに…まだ付き合うって決めたわけじゃないけど…一応答えは考えとかないとな)

宗一も満更ではないが一応スマホで調べることにする。

「中学生 恋愛っと」

硬派な宗一は内容に驚く。

「へーキスするのは当たり前て…登下校がデート…責任感がない…だめだ…雛ちゃんからは想像つかん…」

雛子は純粋な子なので軽い気持ちで言ったわけはないと思う宗一。しかし雛ちゃんだってそういう流れを感じたから告白したのか?色々考えるが女子の気持ちに疎い宗一はおかんに相談しようと思った。


「おかん…はまだ寝てるか…」


ベッドの上で寝ている。


「朝ごはん食べよ」


一人で食パンを焼き、冷蔵庫にあるあんこを塗り牛乳をコップに注ぎ。パンを食べながら牛乳を飲む。

「あぁ…これもうあんぱんだよな普通に…うめぇ」

一人あんこのおいしさに酔う宗一。するとおかんが起きる音がして台所にやってくる。

「おはよー宗一」

「おはよー」

「昨日は結構歌う人多くて結構よかったわー」

「そりゃええやん」

「ちょっとまだ寝たいからコーヒーじゃなくてあたしも同じパンと牛乳お願い」

「ほい」

パンをオーブンに入れるとさっきのことを話す。


「おかん、女子から告白されたんやけどどうしたらええ?」

宗一のおかんは。

「え?!中学でコイバナ?!はやいわぁ…あたしでも高校生のころがおおかったのに…相手はだれなの?」


「雛ちゃんやけど…」

「あのこかぁー…以外と大胆ねーもしかして最近の子ってそういうの早いわけ?」

「俺もようわからん、おかんどう思う?」

「どうって…宗一?一応母親兼年上から言わしてもらうとあの子なら本気の告白してくる可能性は大よ。あたしがいつもいってるわよね?」

「うん…尻の軽い女には引っかかるな、やろ?」

「あの子はあんたから見てどう思う?」

「普通に純粋な子に見えるけど…」

「あーだめ!普通いらない!女性から何か聞かれたら普通は禁句よ!」

「えぇ…」

「あんたは結構堅物だから雛子ちゃんみたいな母性溢れる子がお似合いとは思ってたけど…中学生かぁ…長続きするの?」

「わからん…」

「でしょうねぇ…返事は返したの?」

「いや…まだ」

「うーん…最近の中学生の行動がわからないわぁ…とりあえずあたしと話させて!」

「えぇ…なんか重いの勘弁して」

「ほらあんたも軽い考えだからそんな態度じゃない?あの子がもし軽い考えであんたを好きなら別れさせるって思うけど…これもなんか古い考えよねぇ…」

「俺はよくわからん、でも雛ちゃんはよく心配はしてくれるし俺も今までは友達として好きだったし…」

オーブンからパンを取りあんこを塗りおかんにわたす。


「そこよねぇ…最近の子ってのが友達感覚の無責任な付き合いでってのが問題なのよ」

「どうも俺もそこようわからん。恋愛したくないわけじゃないけど…恋愛っていったいなにが恋愛なん」


「ウブいはーうちの息子ウブいはぁー恋愛がなんたるかかー人それぞれだけどねー確かに言えるのは。あんたそこに愛はあるんか?的な感じ」

「アホじゃね?」

「はっはっは!ナイス突っ込み!でも以外とそんなもんよ。自然と胸の奥から沸く愛したいって気持ちが強くなればそれはもう恋愛なんよね」


「胸の奥なぁ…」

雛子を異性としてみると何故かざわつく。

「とにかく雛子ちゃんだけじゃなく美奈ちゃんとかあんたの知ってる女の子全員呼んで最近の中学生の本音コイバナ聞きたい!」


「もう私利私欲やん…仕事あるからできんでしょ?」

「あんたが都合付けたらあたしも休むわよ?若い子のエネルギー補給したい!」

「まぁ変な噂立たんように男子も読んでええなら呼ぶけど…」

「それでもいいけど別部屋よ!?女子トークしたいし!」

「はぁ…まあ全員都合よければね…そんなことないと思うけどね…」

呆れるとこもあるがなんとなくわかるとこもあるおかんの説明だった。


自分の部屋に戻りスマホをみてケンちゃんに相談する。


宗一「ケンちゃん起きてる?」

健吾「どうしたっすか?昨日の件話す気になったっすか?」

宗一「いや…うちのおかんが女子トークしたいっつって家に知り合いの女の子よべっつうんよ…さすがにないよな」

健吾「それって男抜きっすか?」

宗一「いや…変なことにならんように男子も呼びたいな…てケンちゃん?」

健吾はニヤリというスタンプを送ると。





健吾サイド


健吾「女子グループの皆様おきてるっすか?」

奈子「へーい」

美奈「何?」

こっこ「どうしたんですか?」

雛子「はい?」

健吾「小暮っちの家に遊びに行きたいんすがついてくる人いないっすか?なんでもお母さまがコイバナを聞きたいらしいっす。」

奈子「雛子の意見に寄る」

美奈「あたしは別にいってもいいよ」

こっこ「わたしもいってみたいです」

雛子「なんで奈子ちゃんわたしに寄るの?!でもいきたいかも…」

健吾「じゃあ奈子殿は?」

奈子「雛子!行こ!」

雛子「いいけど…」





宗一サイド


「まさか本当…いやケンちゃんならあり得る…ちょっとまてケンちゃん!?」

健吾「女子グループ全員賛成です!小暮っち!あとユウちゃんも呼んどいたっす!」

宗一「ガチか…まあしゃあない…昼1時過ぎにな…」

健吾「了解!」


「おかんーどうやら本当に女子トークできるかもー」


扉を開けおかんが入ってきて。

「ほんと!?今日は店番を他の人に頼まないと!で何時?」

「昼の1時過ぎ」

「流石あんたね!」

「え?なにが?」

「いやぁ?知らないならいいわ。じゃあまだちょっと寝て後でシャワー浴びなくちゃ!」

宗一のおかんは知っている。宗一の手相が生まれながらの両マスカケであり強運を持っていることを。

宗一にはそういうたぐいのものを見せたら嫌がる節があるのであんまり占い系の本は隠している。


しかしのちにおかんは宗一の手相の変化に驚くのであった。まれなマスカケ線が右手にもう一本浮き始めているからだ。





神々の世界

神有月とよばれる地域で集まっている神々。

色々情報などを交換している。そんな中こっこの母親である神使であるレイラは宇迦之御魂神に付き添い他の神使たちとも霊体姿で交流している。

「ほーレイラ殿の娘が生まれて十数年とまだ若いですが名づけ親が現れましたか!」

「そうなんです、しかも何をお思いなのか宇迦様自らその名付け親の所にあらわれてなにをしたかと尋ねたらなんと…」

ごにょごにょと他の神使話すとびっくりして零体が固まっていた。


「その子大丈夫なんですか?」

聞いた神使が訪ねると。

「まだわかりません…でもあと数日すれば出てくるかもしれません…」

「しかしマスカケが二つあるということは他にも与えた神様いるのを見越してのことでは?」

「そうなんですが…その与えた柱様がなんと宇迦様の父君とタケミカヅチ様という話らしいのです…いい運びになればいいのですが…あの魂はかなり長く浄化させましたが融合した人の子の魂まで奪う可能性はまだ否めません…どうしたものやら…」


そこにふらっと現れたのはある存在だった。

「やぁこんにちは皆様方、話を聞くにその人の子はわたしも知っています。」

「あなたは…なぜここに?」

「一応式神でも神と付いてますしってこの話は何百回目ですかね?まあいいです。その人の子の小さいころの話、聞きたくはないですか?」

他の神使はたじろぐその存在は式神の中で卑しいと評される土神という存在だからだ。

「人の子の話を聞いてもこれから幾年と続くわれらの世界ではちっぽけではないですか?」


その存在ははっきりと言う

「あの子はこの国の天下人になるやもしれない存在ですよ?まだ小さきころはその力は発揮されてませんでしたが。そうでしたか宇迦之御魂神様の父君とタケミカヅチ様でしたか。通りで…」


「どういうことなのですか?天空殿?」


それは榎本美奈と宗一の武道の先生。天空だった。







健吾「今家にみんなでついたっすよー」

昼の一時になりみんな集まって小暮家の家の前まで来ていた。

宗一の家は父方の宗一の祖父に当たる人と祖母に当たる人が中々に知ってる人は知っているお偉い二人だったので結構大きい。遺産も結構残してるので一応家としては保っている。しかしもう築が進んでいるので古き良き家という感じだ。


「以外とおおきいんだね…宗君の家って」

「あたしはひさしぶりかな」

「美奈ちゃんきたことあるんだ…」

「いやぁうちの武道の先生がいつも宗一を車で夜に送ってたからさ。時々遊びに来たこともあったよ?」

「それよりインターフォン鳴らしてよケンちゃん」

「みんな心の準備はいいっすか?ここはあの小暮っちの母親がいるっすよ?」

「はよ押せ」

「じゃあ行きます!」


インターフォンが鳴ると同時に家の扉がすぐに開く。

「いらっしゃーい!宗一のお友達でしょ!上がって上がって!」

「こんにちわー」

「こんにちわ日輪さん」

「あら美奈ちゃんひさしぶりー身長高くなってイケ女ねぇーえっとあと雛子ちゃんと奈子ちゃんとその子は?」

こっこは自分を指され紹介する。

「こんにちは初めまして小暮君のお母さま、私先月転校して同じクラスになった黒狐麗良と申します。今日はよろしくお願いします」

「これはどうもはじめまして私は小暮ひのわと申します宗一のお姉さんです!」

「嘘つくなおかん。今年で4×歳でしょ?きついとおもわん?」

「宗一…今日は夜闇鍋にでもする?」

「すんません…」

「あと健吾君に雄輔君でしょ?宗一から聞いてるわあの子の友達になってくれてありがとうね。初めはとっつきにくかったでしょこの子?」

雄輔は。

「確かにクセのあるやつですけど噛めば噛むほど味が出るそんなやつです。俺も友達になれてよかったとおもってます」

「俺なんか初めソウっちって呼んだらなれなれしいって言われてまだ小暮っち止まりっす今日からはソウっちって呼ぶことをお母さんから許可もらいたいっす!」

「ありがとうねみんな、さ、中入ってー」


みんなが家の中に入っていく。





「で…なぜみんなでまず俺の部屋にくんの?」

「なんかいい部屋だし結構片付いてるね部屋もなんかいい匂いだし」

「あぁ、一応香りとかは気にする派でフレグランスの置物置いてる」

「ちなみに宗一はエロ本とか持たないから探してもつまらないのよねぇ」

「はいはい…」

「宗君の部屋…」

何故かワキワキと手を出している雛子。

「おぉ、今もこのアレーで筋トレとかすんの?」

「まぁ…時々かな、美奈ほどじゃないけどね」

「ソウっちの昔の写真とかないっすか日輪さん?」

「あるわよぉ!そのネタは絶対振られると思って用意してたわよぉ!」

そういいリビングに行き小暮家の写真を見せる日輪。



「宗一の赤ちゃんの写真よぉ!」

宗一はもうどうにでもなれと思い部屋でくつろぐ。


「か…可愛い!」

「うん…可愛い…小顔…」」

「女の子みたいに髪が長い!」

「きゃーソウっちカワイー!」

「しばくぞケンちゃん」

「でもなんか小学生の時では考えられないくらい穏やかな顔してるな…」

「物心着くまではすんごい穏やでのんびり屋だったんだけどなーあんなに強くなるとは思わなかったわ当時」

「もう強くないよ」

「いやいやニュースで見たあの少年ソウっちでしょ?」

みんながこっちを見つめる。

「えぇ?あの時この子あの場所にいたの?」

「まぁ俺だけど…」

「マジだったんだ…宗一!危ないことしちゃだめっていってるでしょ?」

「いや…でも」

「日輪さん、ソウ君が手を出さなかったら傷を負った少年は確実にやられていました。ソウ君は守るために仕方なくだったんです」

こっこが説得する。

「そうだったのね…人の命守るためだったのねならしょうがないか…」

日輪は納得する。

「そういえばソウ君のお父様ってどこにいらっしゃるのですか?」

みんなが少しずつ疑問になっていたことをこっこが訪ねる。

「あの人かぁ…今どこにいるんだろう…離婚はしてないんだけど旅に出るって言って時々家に帰ってくるんだけどもう3年くらいあってないわねぇ…何してんのかしら…」


「えっとお父様は何をなさってる方なんですか?」

雛子が聞く。

「なんでも世界を回って遺跡やらなにやら行くらしいんだけど、あぁ不倫させないように契約書を弁護士と相談して書かせてるからそこは問題ないわよ?」

「すげぇちゃっかりしてるなお前の母さん…」

「こういう点はね」

雄輔が日輪をほめると宗一は父親を思い出す。


「俺のおとんは俺が生まれて4年は家に住んでたんだけど昔から探検が大好きらしくて色々調べものをしてるんよな。子供心を忘れない大人ってちょっと呆れるけどな…」

「あの人とは幼馴染から結婚に至ったんだけど…ほんといまだに子供心40%くらいある大人なのよね」

「え!何歳から付き合い始めたんですか?」

「一応高校生ね」

「どっちから告白したんですか?」

雛子が興味津々聞いてくる。

「私高校のころヤンキーだったの。お義母さまは厳格な人だったけど私の心を救ってくれた理解者だったわ。それからあの人というよりお義母様にあいに来てていつの間にかうちの倅の嫁になってくれっていわれてさ…すっごいお偉い人の家に私なんかがって一回断ったの二回めも断ったんだけど三回めに私が折れてここに嫁いだの。お義父様もお義母様が認めたならって認めてくれてさ一時は遺産目当てじゃってすごく周りにはいわれてめんどくさかったわ」

「確かソウっちのおじい様は小暮康治郎って名前で政界では知らぬ人はいない有名人っすよ」

「あら健吾君流石情報屋っていうだけのことわあるわね。そうなのよお義父様はね、とっても穏やかな性格でお義母様が惚れたのもその人の良さからだってきいたわ。政界の仏って言われるくらい優しいけど論破するときはみんなが認めるほどの言葉選びをしていたの。ほんとすごい人よ!」

「すごい人なんですね…」

奈子も褒める。

「まぁ夫も優しいんだけどねぇ…それより!ちょっと女子トークしたいから男子は適当に宗一の部屋でくつろいでね」


「はいはい、いくよ雄輔、ケンちゃん」

「もっといろいろ聞きたかったすけどまた今度っすかね」

「宗一、お前とは話したいことがあったんだ」

「え?いいけどなに?」

「まあ男子トークしようぜ」

「いいけど?」


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