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黒狐の少女と優しい少年  作者: 龍美邦彦
6/27

告白しちゃった

宗一達男子は女子と合流し本屋コーナーに来ていた。


女子たちはもうこっこと打ち解けていてファッション雑誌の所をみていた。

男子は漫画コーナーにいる。

「小暮っちー新しい漫画がでてるっすよー」

「やっぱり週間READYGOは神漫画多いな」

「お!新刊ゲットー!」

「そういや知ってるっすか?女性向けコミックって当たり多いんすよ?」

「それわかるわぁー俺姉貴から見た漫画にハマってさー」

「へー雄輔がいうならそうなんやろな。どんな感じなん?」


ユウちゃん曰くラブコメ出しまくりのやつや普通に妖怪とのほんわかものなど色々あるらしい。

最近は月間でネット書籍派の宗一は聞いた作品を調べたりしていた。

「へぇーアニメ化しとるのもあるやん。おもしろそう」

「そうなんだよ!最近はほんとアニメ界はごった煮だからな。でもやっぱり異世界系が最近は多いな」

「なんせ都合の良いチートが多いっすからね。でももうそろそろ異世界系もブーム終わりじゃないっすか?」

「じゃあなにが次きそうなんや?」

「まああえて言うなら?曲名からできた作品とかっすかね?」

「それもちょっとわかるな曲聞いてたら引き込まれの強い奴って何かのOPとかになってほしいとか思うときあるし」

「歌かぁー最近やっとミヨミヨ動画とかが再復興してきてる流れを感じるのは俺だけか?」

「わからないっすけど最近はまたちょっと日差しが向き始めてる感じはしてるっすね」

「普通にユアチューブでいいだろう」



3人が話しているところに女子たちも混ざる。

奈子「どうしたの?」

雄輔「いや、動画ならどこがいいかって話」

健吾「一応言っとくけど健全な動画っすからね?」

こっこ「みんなどんなの見るの?」

美奈「あたしは主に武道系見る」

宗一「俺は雑食かな、色々見て回ってる、最近見たのは有名ボカロPのセルフカバーとかかな」

雛子「私も…動画もみるけど絵を見ることが多いな…」

全員多種であるがこっこが話に着いてきてるのに少しきになり。

宗一「こっ…クロコさんはどこのスマホ?」

こっこ「私?私はチェリーの奴だよ?」

宗一「以外と最新もってるね」

こっこ「以外って…なにが言いたいのかな?小暮君?」

宗一「いんや別に?」

以外と大手メーカーの機種で最新なので使いこなせるのかは疑問だったがこのグループに入れるんならそれなりの知識は持ってるんだろうと思う宗一。


久しぶりのメンバーにこっこも入って何故か心がすごく落ち着く宗一だが違和感はすぐにやってきた。

宗一がまず感じたのは空気だった。まだ周りは静かだがあきらかになにかが起こる、そんな勘がした。周りを見る宗一。こっこも気づいていた。

「ソウ君…」

「うん…なんかおかしい…」

二人は小声で言葉を交わす。

美奈もなにか感じ取ったのか宗一に話す。

「宗一…」

宗一はさっと人差し指を口にし。美奈に小声で伝える。

「全員を安全な二階に移動させて」

「…わかった。みんなーアイス食べに二階いこー」

「いいねー」

「あ!俺トイレ行くからさきいっててな」

「早くするっすよー小暮っち」

「あ!あたしもちょっとさっき目ぼしかったものかいにいくからさきいってて!」

「くろこさん大丈夫?」

美奈は不安そうに聞くが。

「大丈夫。いざとなった走るから!」

「何かあったら早く逃げてね」

小声で言う美奈。

「あ、ケンちゃんこれ持ってて」

「了解っす」


ぬいぐるみを渡して2グループに分かれた宗一。


「こっこちゃんは何か感じたの?」

「うん…悪い邪気をもった人がいる…このフロアにいる」

「そっか…多分だけどあの人じゃない?」

宗一はこっこを驚かせた。

「確かにあの人の周りなんか気持ち悪い…なんでわかったの?」

その人物はジャケットを羽織っている中年男性だった。いかにもガラの悪そうな人だった。

「眼がおかしい…まるで誰を斬るかって感じの眼だ…多分初めてのことでもう顔からしておかしい」

「いわれればそうね…眼がキョロキョロしてる」


二人は隠れて近付きながら中年男性を見張る。


「こっこちゃん、ちょっと後ろにさがってて」

「うん…わかったわ」

そして中年男性は最後にはぁと息をだしジャケットの裏に忍ばせていた刃物を横行く子供に向かって振りかざそうとする。その時。


「カァッ!!!!」

宗一のとてつもない咆哮がフロアに響く。一瞬動きが止まる中年男性。そして気づいて避けたが少し切っ先が当たり血を出している少年。少年よりも行動を邪魔された方向をみてつぶやく。


「このガキッ!」

頭に血が上っているのか宗一に刃物を向けて突進している。

周りが男に気づき叫び出す。だが宗一はもう臨戦態勢に入っていた。

「ッ!」

右手から斜めに袈裟懸けのように刃物を斬りつけようとするが、宗一には当たらない。

その行動の瞬間を逃さず相手の傾いた重心の向く方へ相手をいなしそのまま手首の関節と二の腕を持ち抑え込む。手首をひねり刃物を落とさせる。こっこは刃物を拾い確保する。



「すまんけどちょっと寝てくれ」

そのまま肘を頭に振り落として床に顎を打たせて気絶させる。


あまりの速さに周りから喚声がでる。

しかし宗一は即座にその場を逃げ。こっこは刃物を警備の人に渡し宗一のもとへいく。


「ソウ君すごいね!」

「んー…武道とは人を守るための手段。それが先生からおそわったことだかね。躊躇なく使わせてもらった」

「でも危険だからあまりそういう危ない場所には自分からいかないでね?」

「ごめんねこっこちゃん。でもそこに危機があれば守るのは武道を習った身としては当然なんよ」




あとから警備の人が気絶した中年男性を警察に引き渡した。




みんなのいる場所に戻る宗一とこっこだがみんなが心配の言葉をかけてくる。

「大丈夫っすか?小暮っち!いま下の階で刃物を持った人がいるって!でもなんかすぐに収まったみたいっすけど」

「あぁ…なんかいたね、ちょっとびっくりしたな」

「いつもながら冷めてんねー小暮君。こっこちゃん大丈夫だった!?」

「うん、なんか危ない人がいたけど大丈夫だったよ」

美奈が宗一を引っ張っていき会話する


「何があったの?」

「刃物持った人を抑えて気絶させて警備の人に任せた」

「あんただから任せれたけど…普通に逃げてもよかったんだよ?」

「あのままだったら一人死んでた。だから守ったただそれだなんよ」

「あんたやっぱり変わったね、この前の猫事件もそうだけど丸くなってきたね」

「自分でも思うよ…」苦笑する宗一。


幼稚園から小学生までの間の彼は周りの理不尽を感じ表面上穏やかでも内面からでる空気は周りをビビらせていたからだ。

武道を習ってはいたが大会への興味はなかった宗一。ただ一回だけ公式の大会にでた小学6年生の時、決勝までいった宗一はほぼ全部の試合で相手に0ポイントで勝っていった。決勝で相手もそれなりに強い選手だったが0対14ポイントで勝ってしまって泣いてる相手を見たとき。自分は弱いものいじめをしてしまったと後悔し中学からやめてしまったのだった。やめるとき先生は言った。

「確かに君は強い。だからといってその力はむやみに扱うのではなく何かを守るために使いなさい。強さは年によって熟成されるものもいます。君にはその傾向が見える。君はまだまだ強くなるだろう。けれど心も一緒に成長しなくてはそれはただの凶器をもった幼い少年です。心を磨きなさい。ただ周りを守りたいといつも口癖でもいい。なんでもいい。その発せられた言葉は誰の耳に届かずとも天は知っているのだから」



「そういや天空先生元気?」

唐突に話を変える宗一。あれ以来稽古場に顔を出していなくて恩師を思い出し口にだす。

「天空先生ならピンピンしてるよ」

美奈は言わなかった。天空という先生は宗一いなくなった後当時の美奈などの同じ6年生たちに。

「彼はある意味天性の素質に努力で強くなりました。しかし彼はこれから心の修行を積むでしょう。みなさんは心あって芯あり真になるのですよ?」


意味はわかるようでわからなかったが今ならなんとなくわかる美奈だった。


すると雛子が近くに来ていて。

「大丈夫?宗君?ほんとは宗君がなにかしたんでしょ?」

まっすぐ見つめるか弱い彼女からは少しの怒りであったり心配であったり色々と感情が見え隠れするが本当に彼を大切に思っている目に宗一は弱い。

「ごめん雛ちゃん、ほんとは僕がやっつけちゃった。心配させたくなかったんだ」

「宗君っていつも見えない場所で頑張るから私いつも心配なの…私宗君がす…好きだからあんまり危ないことはしてほしくないの…ごめんね…」

一応好きとは言えたがこれは友達的に聞こえちゃってるだろうと美奈も雛子も思う。宗一もそういう感じだと思っていた。

「ありがとう雛ちゃん、気を付ける」

「えっとあの…その…好きなのは異性としてだよ?」

この場にいる美奈はついに言った―!と一人思った。雛子は顔を真っ赤にしている。

宗一は数秒固まり理解したとき赤く顔を染め。

「ありがとう雛ちゃん…僕も雛ちゃんが好きだけどいきなりこれってちょっと…待って」

「あう…ええと…答えはいつでも待ってるからね?…」


戻ってきた雛子は顔が赤くしていた。


3人の話し合いはほかの3人には聞こえてないが奈子とケンちゃんが聞いたら飛び上がる内容をこっこは聞いていた。

(雛ちゃん結構大胆だね、ソウ君もなんか悪くない感じだしこれはこれでいいのかな?)



「ちょっとまってよ…美奈は知ってたの?雛ちゃんのこと」


あったりまえじゃん!と言い

「私たちが幼稚園のときに雛ちゃんいじめられっ子だったでしょ?それを守ってたじゃん?小学生に上がってもドッジボールとかいろんなところで守ってたっしょ?そんなあんたが好きになったんだって」


確かに雛ちゃんはよく内気な性格でいじめられててそれをやめろと言ったのは覚えている。小学生に上がったとき同じクラスになれたりもして雛ちゃんとはずいぶん長い。しかし自分のことを異性として見てくれているとは思いもしなかった。



「あの子絶対あんたが折れるまで待つタイプだからね。あの子大事にしなよ?」


「…」

気持ちの整理がつかない宗一である。



夕方にかけて雛子と宗一がなにか怪しい雰囲気になる場面をケンちゃんと奈子は見逃さなかった。

「これはなにかあったっすねぇ…奈子殿?」

「そうですなぁケンちゃん、」

「しっかーし!聞くのはたやすいが二人が確実になるまで俺っちは見守るっす!」

「異議なし!」

「馬鹿かよ…」

「あはは…」

あきれるユウちゃんとこっこ。ほんとのことを知っている美奈はもうあとは時間の問題だろうと思うのであった。



全員帰宅して夕方のニュースでモザイクがかかっていたが少年が犯人に対し手際よく制圧したというニュースが流れていた。おかんは。

「すごい少年がいるのねーあんたならできるんじゃない?」

「まあその場によるなぁ…」

と誤魔化したのだった。

ケンちゃんは情報を知りたいとメッセージを送るが、宗一は変なスタンプで誤魔化したのだった。

………なぜか指が動いてしまったんだんです…もうちょっと焦らしても良かったんですが…指がうごいちゃうんです…

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