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黒狐の少女と優しい少年  作者: 龍美邦彦
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休みの日

今日は休日。午前7時に起きるが母親は昨日の仕事の疲れで眠っている。仕方ないので飯を食べようと思い何か作ろうかと思い台所に来たら、弁当を買ってもらっていた。

「あんがとございあす」

独り言を言い弁当を食べた。コンビニ弁当でもおいしいものはおいしい。お茶を飲み一息ついて。色々考える。昨日の事件は運が良かったなーなど他愛ないことではあるがスマホを見てみる。グループ内のメッセージが入っていた。

「やばくね?火事?」

「やばいよねー特にやばいのはなんか野球部の同級じゃん」

「まぁあいつらならなんかしそうなことだしな。っていうか小暮いなかった?すごいスピードで学校に戻る姿みたんだが」

「なんかいたらしいけど俺が見に行ったときはいなかったな。小暮っちいる?」

他にも雑談しているが宗一も参加する。



「おはっす。俺いたけどすぐに消防隊が来て誘導された。よくわからんが雨降ってよかったわー」


既読が一人済になり。さっそく返信が来る。


「おはおは。小暮。ていうか雨?」

「うん。天気雨みたいでおかんが知らんぐらいだったから本当に小規模じゃね?」

「そうなんねーほかになんか知らん?」

「そうなー…生徒指導の○○先生が倒れて救護されてるのを一応見たかな」

「えぇ!ガチかー…南無!」

「ちょっ!死んでないっしょ。不謹慎だな」

「まあ○○先生が死ぬわけないっしょ、ニュースじゃ一応死亡者ゼロだったしな。」

「他の人は部活どうなんの?」

さりげなく聞く宗一

「今日は部の連絡網でうちは休み」

「俺もっす」

「全部じゃね?」

「かもねー」

「じゃあ集まる?」


宗一は少し考える。が花火大会の借りがあるので返答する。

「俺は行ってもいいよ」

「おぉ!小暮っち久々の出陣!俺もいくわ!」

「あたしもいくー!」

声が集まりだし遊びに出かけることになった。集合は昼からなのでまだ時間がある。


(こっこちゃん呼ぶべき?まぁいいや休みだし)


朝は適当に動画を見て曲を聞いたりして調子を整え1時間したころ頭が目覚めて来たので。

「うっしゃ問題集やな」

勉強を始める宗一。その間メッセ―ジは鳴っていたがマナーにし一旦置く。ちゃんとメッセージでちょっとガリベ(ガリベン)するわと言っていたので大丈夫と思っていた。

軽く一時間が過ぎたので一休みする。妙に腹が減るので食パンを焼き始めたときにおかんが起き上がり台所に座る。

「おはよおかん。だいじょうぶか?」

いつも心配はする宗一。夜の仕事というのは夜中にカラオケ喫茶をやっているのだ。そこでママとして働いている。

「んーおはよう。昨日は疲れたわあ…火事の話ばっかで全然歌ってくれなくて商売あがったりだわぁ…あーめんど」

「パンいる?」

「もらう」

宗一はオーブンの中にパンを追加して先にいい感じに焦げたほうのパンをおかんに渡す。

「適当につけてな」

「あたしがあとでもよかったのに…ありがとう宗一」

「別にええんよ、弁当ありがとう」

「あれ一応新発売だったけどどうだった?」

「普通かなー」

「見る限りそうだろうとおもった」

母はあんこのペーストマーガリンを縫ってあんこペーストを塗る。

「それおいしいやつやん」

「あんたは成長期だからパンだけじゃってまだ昼前じゃない。もっとタンパク質取れー」

「もうこれ昼にする?」

「あたしはそれでもいいけど。あんたは冷蔵庫にサラダチキンあるからそれも食べなさい」

宗一は結構たんぱくな味が好きなので。

「へい」

わりと簡単に答えるがちょっととくした気分だった。

パンとチキンを食べながら昼に出かける話をして自分の部屋にもどり、メッセージを見る。

「え…」




昼過ぎになり集合の駅前に着く。

大体集まっていて最後は宗一ともう一人だった。

「すまん。うぃっす」

「このメンツ久々じゃね?」

「まぁ花火大会以来かぁ。小暮っちわ」

「そーよ小暮君が可笑しくなってから久々だわ」

男子3人女子3人で構成されているそのグループにはもう一人女子が来る予定だった。



「すみませんみなさん、遅くなりました」

「レイラちゃんかわいいー」

女子の一人が黒狐麗良もといこっこちゃんがきて早速女子同士仲良くしだす。

「小暮っちが勉強してる間に内の派閥にいれといたっす!」

「へぇ…」

こっこちゃんは髪をポニーテールにして黒いスニーカーとジーンズに茶色い半そでのセーターを着ていた。それとバッグを一つ片手に持って。

「なんかもう大人な魅力だね!レイラちゃん!」

「そんなことないよー○○さんもいい感じにカールしてるじゃない」

「でもほんと綺麗な黒髪よねーどこのシャンプーとコンディショナーつかってんの?」

「ほんと市販のものだよ?」

「えーうそだー」

きゃっきゃしてる女子を見る男子。

「俺。いい仕事したっすか?」

「ナイスケンちゃん」

「まぁ…いいんじゃない?」

「なんか小暮っち変な感じっすね」

「いやぁ?なんでもないけど、ただクロコさんが来るのが予想してなかったからね」

「そりゃあ情報屋のケンちゃんは伊達じゃないっす。」


そんな話をしていたらふと目が合ういつものメンバーの女子の一人。慌てて女子の会話に混ざる。

女子たちは小暮を感知させない程度に見て小声になる。


「で…雛?いつになったら告んの?」

「えぇ…私?…」

「当り前よ、幼稚園から今まで一緒って結構いい感じにきてんだからね?」

「でも…恥ずかしい…」

こっこはすぐに察する。

「雛子ちゃんって小暮君すきなの?」

ボンとなり赤くなる島野雛子。その反応でもうわかったこっこは軽くニヤっと宗一を見てまた輪の中に入る。


「そうなのよこの子。絶対成就させるからね?まだ1年先っても高校一緒のとこいけるかわかんないからね、今の内にね!」

彼女がこのグループにいるのはケンちゃんこと杉原健吾が小暮と雛子を推しているため彼女に近付いて入れたのだ。


「ほほう…クロコさんも仲間になれた感じっすね?よしよし…」

「なに言ってんの?ケンちゃん?」

いやぁ…なにも?と誤魔化すケンちゃん。

「なんか最近の女子って仲いいな」

ぼんやり空を見つめる宗一。しかしもう一人の少年、村中雄輔はみんなのリーダー的な存在でそろそろ行こうという。

女子たちにもリーダーがおり彼女は浮島奈子という名前で雛子と宗一を推している女子の中心核である。

「じゃあいこっか?みんな?」

「行こうじゃん」

「うん…」

「そうですね」


全員で動き出す。



まずはみんなでゲーセンに行った。一応大型の店の一部分で高校生でなくても入れる安価な場所だ。

みんなでUFOキャッチャーなど見て。

雛子は夢中になってみていると宗一が話しかける。

「あぁ…これ昔から好きよな雛ちゃんわ」

「そうなの!にゃんえもんのおっきなぬいぐるみ!って宗君?…うぅ」

「どうしたん?別にいいんじゃないの?自分が好きなら?でも取れるかなあ?」

「試してみる!」



「二人ともいい感じですなぁ奈子殿?」

「流石情報屋のケンだね。この場所を初めに選ぶとは」

「お前らキモいぞ?」

「ユウちゃんにはわからないのかな?あの純粋過ぎる二人の姿!エモくない!?」

ケンちゃんが周りの喧騒で二人に聞こえないように雄輔ことユウちゃんに語るが。

「それより榎本どこいった?」

榎本というのは女子4人の中にいた空手部のエースである。榎本美奈。

「榎本さんなら二人の方に向かってったよ?」

こっこはユウちゃんに伝えると。

「また小暮かぁ…まあいいけど」

「またってどういう意味なんですか?村中君?」

「あぁ…クロコさんは知らないだろうけど…んー…まあ小暮とは腐れ縁なのさ…あいつも」



二人が2回ずつ挑戦するがぬいぐるみは手に入らない。そこに身長164cmの美奈が来て。

「昔っからあんたたちって器用なのか不器用なのかわからんところあるよね?」

といい。

「そういわれもてなぁ…なかなか落ちそうで落ちんのよな」

「うぅ…美奈ちゃんお願い!」

「ん…まかせとき」

すると数秒で手に入れる美奈。

「ありがとう美奈ちゃん!とってくれてって…なんでもう一回やってるの?宗君?」

「美奈の取り方のコツがわかったんでもう一回っとほら!」

「わぁ!すごい!宗君!」

「でもふたつはいらんか…しまったこれからの荷物になるな…」

「一応店員さんに言ったら袋もらえるよ?」

美奈は伝えてケンちゃんたちのところにもどった。



「美奈ってやっぱりまだ?」

「うん腹立つけどやっぱりあいつ天才だわ。見るとこが違うね。ライバル視してる身から考えるとやぱりくやしいな」

こっこはまた疑問が浮かび話しかける?

「小暮君がライバル?どういう意味ですか?」

奈子が語りだす。

「美奈はね?小暮と同じ武道を習ってたの。一応二人とも幼稚園からやっててさ」

「別にいいじゃん…今その話…聞いてくると腹立つからやめて」

「美奈ふてくされるないでーごめんごめん。この話はまたねレイラちゃん」

美奈をなだめる奈子。


「宗君はぬいぐるみいらないの?」

「ついとってしまったけど別にいらんかなぁ…いる?」

「う!うん!宗君のもほしい!」

「でも大きいから俺が持ってるよそっちも持つよ」

そういい二つの大きい袋を持つ宗一。その後男子は男性服、女子は女性物の服を見に行った。



「やっぱりまだ榎本っちより小暮っちの方が強いのかなぁ?」

「なんいいよん?もう俺現役じゃないし1年以上ブランクあるしな」

「いやブランクって…まだ若いだろ俺ら」

「いややっぱり現役には勝てないとおもうんよね」





「あいつ…一年以上経つのに軸がまったくぶれてないんだよね」

「軸って?」

「体には軸ってものが存在するの。それを見れるようになって会得すると本当に武道をしてる人から見ると強者ってすぐわかるの」

「宗君今もなにかやってるのかな?」

雛子がつぶやく。美奈はあんまりいい顔をせずつぶやく。

「いや…あいつは入門当時から見てまねるのが上手かったからね、師匠たちも驚くほどだった天才だったし…実際あたしあいつに勝てたのは初めの一回目だったし」

「美奈ー自分で言ってんじゃん」

「あぁ…なんか腹立ってきたな」

「小暮君と美奈さんってその話を聞くと美奈さんの方が先に習ってたの?」

「うん。だけどあいつは武道関係の部にはいらなかった。だからあいつのことが腹立つ。もったいないじゃん!あんだけのポテンシャル持ってるやつそうそういないんだよねっていうのは師匠の言葉だけど、本当にあいつは強いんだよ」

こっこは宗一の小さいころを思い出し。だからかぁ…と一人頷く。

「まあこんなの女子の話じゃないっしょ!奈子お願い」

「まかせっとっけー!今注目するのはレイラちゃんよ!」

「えぇ!?わたし?!」

「そうよー前はどこの中だったの?」


少し戸惑ったが。

「前に住んでた地域の学校がつぶれちゃって吸収された感じかな?」

「あーなんかあるよねー少なすぎてとかで、でもここらじゃそんなの聞かないけど…まあいっか!前の中学校でも友達はいたんでしょ?」

「一応いるけど隣の学校行っちゃったんだよね、いっしょに誘ったんだけど断られちゃって」

「なんか複雑なんだね?そっかそっかー」

何故か納得されたが都合がいいので放っておくことにした。

「何部に入るか決めてるの?くろこさん」

美奈が唐突に話しかける。

「ん―特にきめてないなぁ」

「なんかくろこさんってスポーツ得意じゃない?っていうか言われない?」

「え?そうみえる?小さいころからよく走ってはいたけど」

「陸上系かぁ、まぁいいや空手部に入りたかったら顧問がうちの道場からの派遣の先生だから結構いいよ。気が向いたら見においでね」

「うん、かんがえとくね」

「私…一応美術部なんだけど…絵も面白いよ?」

雛子は彼女なりに勇気を出してみたが。

「雛ー…その勇気を小暮に出せればあたしたちは満足なんだけどねー」

奈子の一言でまたボンとなり。

「これは女子同士だからいえるの!」

赤い顔をして奈子をポコポコする雛子であった。

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