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黒狐の少女と優しい少年  作者: 龍美邦彦
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不思議

時はさかのぼり宗一が神社に寄る前からの話になる。


野球部員の2年である一人が。数人の同級生と部活の終わった後、部にバレないようにクラスにもどって会話をしていた。

「あれ持ってきたか?」

「あぁ、親父の箱一つ持ってきたぜ」

「タバコだぁ!あっはっは!」

「静かにしろ!まだ先生たち来るかもしんねえだろ?」

「スワンスワン、吸うけどな」

「ただ絶対初めはむせるって話だからあんまりいきなりおいしいとか思うなよ?」

「てかタバコっておいしいの?」

「さあ?しんね。まあ誰にも見られず一回ぐらいならいいっしょ」


約五人ほどではあるが誰の目からというより法を犯していたが。若気の至りかちょっとあぶないことに興味を示してしまうちょっとしたませた奴らである。


「タバコと言えばライターは?」

「もってるに決まってんじゃん」

「全員ばれたら同じ罪だかんな!一人でもにげんなよ!」

「まあ大丈夫大丈夫!」

「だれから行く?」

「全員一緒で良くない?」

「よしじゃあ全員点けるぞ」


五人が煙草に火を点ける。


「じゃあいっせーのな!いっせーの!…だかんな!」

「ちょwwフェイクやめてww」

「草生えるわー」

「じゃ本当に…いっせーの!」

そして吸い始めたのは3人であと二人が吸わなかった。


案の定ゴホゴホとむせる3人。それを面白げにみる二人。

「ちょ!それなしっしょwwゲホ」

「いやすまんwwちょっと様子見たかっただけでさwじゃあ吸うわ」

「仕方ねえなぁ吸うか」

「何かっこつけてんだよwはよ吸えw」


残りの二人も吸いゲホゲホいいだす。


「やっぱ初めはむせるのな」

「これがなんで大人はいいんだろうな」

「大人の階段一歩登っちまったなww」

「馬鹿wwバレたら高校に差しつかえるし先輩にも影響でたらいけねえからもう終わるぞ!」


「へいへい」

「慣れたらうめぇのかな?ww」

「そうなったときはニコ中だろうな」

「お!そういやあそこに殺虫剤あったよな!」

「あるけどどした?」


一人が殺虫剤を一応スペースの空いた部屋内で火をつけたライターに向かって吹き付ける。


「みてみ!ヨ〇ファイアーwww」

「おwwまww馬鹿だろww」

「俺にもさせてww」

あまりにも馬鹿すぎる行為、しかし一度始めたらやめられない背徳感で遊んでいた。


そんな光景を見ていた一人の男子生徒がいた。彼はこのクラスの一人で陰キャな生徒だった。

(バカバカしい…なにがそんなに楽しいんだよ?今を逃さないために先生に報告しとこ…においもこれだけきついと逃げられんだろうな)


一人職員室に向かう男子生徒。




5人は遊び疲れてそろそろ帰ろうとしていた。しかし職員室で話を聞いた先生が見回りに来ようとしていた。一人が窓から渡り廊下の先生を見つけ先生と眼が合う。生徒指導の先生だ。

「やべ!なんか俺らバレてる!早く逃げるぞ!」

「うっそ!マジかよ!」

「上に逃げよう!そのあと下行って逃げよう!」

ここは2階の部屋でありまだ逃げる手は残っていた。逃げようとする5人。生徒指導の先生は教室を見に来る。

「ひどいな!こりゃ…」

タバコと殺虫剤と煙のあとで臭いが強烈だった。



階段から様子を見ていたひとりだが他の4人に言われ逃げる。その音を逃さない先生。


陰キャの生徒は実は先生に着いてきて3階に来る可能性を見越して待機していた。


「先生!さ!3階にきましたよ!」


5人は陰キャ生徒に。

「うっさい黙れ!」

といい殺虫剤とライターの火炎放射でビビらせたがそれがいけなかった。その炎は木の壁に当たり一気に燃え出す。

「ガチでヤバいって!消火器!」

「やべえって!早く消火器」

しかしテンパッてどうしていいかわからずにいた。


生徒指導の先生が3階に走ってきて一応準備していたスプレー式の消化スプレーを撒く。火災探知機は鳴っていた。


「おい!お前ら!そこの廊下にある消火器持ってこい!消火栓の近くにあるから早く!」


「は…はい!」


陰キャ生徒は火にビビッてすでに逃げていた。


一人が階段の近くに消火栓に走っていき横には何とか消化器があり早く持っていこうとするがもう遅かった。3階の図書室に火が回ってしまった。

「助けてー!誰でもいいから助けてくれー!」


「お前らは逃げろ!」

「大丈夫ですか!○○先生!」

他の教師がやってきて消火栓からホースを持ってきていた。

「おぉ!ありがたい!□□先生!そろそろスプリンクラーが作動してもいいはずなんですが…一気にこれで鎮火させましょう!」


消火器を使い終わっあと消火栓からの水で火を消そうとする。スプリンクラーがやっと作動し始める。

「あん…!がい…!遅いけど…!本当に点検…やばい…煙の吸い過ぎで…」

目が周り倒れる生徒指導の先生。他の教師が倒れた先生を救助するため担いで安全な場所に下す。




宗一は消防隊が来るよりも早く。一番火が強いときにすでに来ていた。外から見ていた陰キャ生徒に声をかける。


「どういう状況なんだ?」

「!!…ヒッ!」

「大丈夫だから落ち着いて」

こっこもおいつき陰キャ生徒に声をかける。

「あいつらが…火遊びしてて…それで」


なんとなく状況はわかった。彼らのことは小学校の時から知っている宗一はあいつらならやりそうだなと思った。

こっこは色々耳を澄まして聞いていた。どうやら消防車も来ている音が聞こえていた。

「もうちょっとで消防隊が来るからなんとか持ちこたえる方法ないかな?ソウ君?」

「…俺になにができんの?」

はぁ…とため息を吐いたあと。

「こっこちゃん言ったじゃん…因果応報って。あいつらがしでかしたんだろ?自分達でなんとかしろって思うんよ…ほら他の先生も駆けつけてるし」声を震わせていた。本音と嘘が入り混じっていた。


「わかってる…でもソウ君はどうしたいの?」

「死人が出ない事を祈るしかないでしょ?」

宗一は何かできないか考えていたが思いつくことはなかった。

こっこは宗一の思いを見透かして自分も何か手伝えることはないかと思っていた。しかし神使とは言え見習いでありこの状況を打破する力は持っていなかった。

(なにができる?生徒の誘導?それなら先生がやってるはず…ほかに…ほかに…)

天を見る。そして目を閉じ何かを引き寄せるように集中した。ソウの体は淡く光り出す。


「ソウ君?」

消防隊が来て周りも避難を呼びかける。宗一は避難した後も天を仰ぎ集中する。


不思議なことにかぜが吹き始め。雲の動きが早くなる。そして奇跡を起こす。

天気雨が降り始める。


宗一はもう光を発しておらず雨に濡れ、こっこも濡れていた。結構寒い。


「何したの?ソウ君?」

「いや…ダメ元で天気に祈るように話しかけてみた。天気さーんって、そしたら、どうしたー?って返事がきてビビったけど雨ふらしてくんねー?っていったらさ…難しいのぅ…ってそこをなんとか!って。で、しょうがないのう、って聞こえてたらなんか雨が降ってた」

「そんな話ある?!」


「まぁこれで鎮火したら幸いと思わなきゃね。祈っただけで雨が降るとは思わんが運がいいんでしょ。あいつらも恐い目みたんだしもう俺のうっぷんは少しはれたかな」


「それは嘘ね」

「へ?なんでわかるの?」

「そういうことって一生記憶に残るもの」

「まあ記憶に残ってるし痛い目見たわけじゃないけどこれからのあいつらのこと考えると結構ヤバいんじゃね?内申点とかもう無いに近くない?俺はもういいんよ」


「それならいいんだけど…疲れてない?」

先ほどの淡い光で疲れたかと思いいたわるこっこ。

「さむい…今日はもう帰ろ。こっこちゃんも濡れてるし今日は解散しよう?」

「…うんわかった。じゃあわたしは家に帰るね」

「じゃあ、また、あーさぶ…そういや鞄神社忘れたしもう一回寄ってかえるわ」

「じゃあそこまで一緒に行こ?」

二人は神社に寄ったあと別れて家に帰った。家に帰ったらおかんが飛びついてきた。

「あんた大丈夫?最近ちょっと遅いから心配したのよ?!学校で火事があったって近所できいて…」

「おかん。大丈夫って。それよりタオルない?さぶーていかん」

「え?雨降ったん?ここら辺全然だったけど?」

「学校は結構ふってたよ?」

「学校で遊んでたん?!もう本当に気おつけなさいよ?どこら辺にいたの?」

「ん?いや消防隊に避難場所まで誘導されたけど元から外いたからあんまかわらんけどね」

「はぁ…よかったよぉお母さん心配したよ?」

タオルを渡すおかん。

「ごめんごめん、でも大丈夫」

夕方の緊急ニュースで学校が写っていたが特に気にするわけもなく。

すごかったのねぇ…とおかんはつぶやき。いつもより大丈夫?と心配され仕事に行くまで心配されていた。



火事は雨が降って数分後に止まり。生徒指導の先生は命に別状はなく声がすごくハスキーになったという。

黙秘します。

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